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独身おじさんの異世界ライフ~結婚しません、フリーな独身こそ最高です~  作者: さとう
第十五章 海の国ザナドゥ~二度目のバカンス~
203/218

優勝パーティー!!(サンドローネ頑張る)前編

 さて、ザナドゥ・マリンスポーツ大会は終わった。

 二度目のバカンスも楽しかった。そろそろエーデルシュタイン王国に帰り、仕事を再開することも考えないといけない。

 だがその前に。現在、俺とサスケは別荘のリビングを広くしていた。


「オッサン、ウッドデッキの入口は?」

「全開で。あと、人数分の椅子とか、バーベキューコンロも全部出しておこう」

「了解。食材は?」

「リヒターとイェランが買いに行った。あとはサンドローネの仕事だ……な?」

「……ええ、そうね」


 今日は、自由競争の優勝記念パーティーだ。

 いろいろお客さんが来るから、リビングを広くして、ウッドデッキと浜辺を行き来しやすくしている。

 俺はサンドローネに言う。


「給仕、頼むぜサンドローネ。約束だしな」

「わかってるわよ」

「終わったあとの掃除もあるぜ。トイレ掃除もな!!」

「ぐぐぐ……わかってるわ。何度も言わないで」


 ちなみにサンドローネ、今日はタンクトップにハーフパンツにエプロン、長い髪はお団子にまとめている……顔も身体もいいやつは、どんな格好しても似合うもんだ。

 それから、リヒターたちが買い物から戻った。


「ただいま戻りました」

「ただいま~!! 材料いっぱい買って来たよー!!」

「おかえり。じゃあサンドローネ、バーベキューの仕込み頼むぞ!! まあ、それくらいは俺らも手伝いしてやるからな!!」

「……そうね」

「お嬢……大丈夫ですか?」

「当たり前でしょ。って……っひ!?」


 サンドローネの前に、デカい魚をドンと置く。

 俺は鱗を取り、首を落とし、内臓を抜いて三枚おろしにする。


「サンドローネ、お前これできるか?」

「でで、できるわけないでしょ!! なな、内臓……」


 魚の内臓でもうダメか……まあ、お嬢様だしな。

 とりあえず、それ以外の仕込みを頼んでおくか。

 すると、サスケが外から来た。


「オッサン、野外用の冷蔵庫も運んだぜ。飲み物だけで軽く百人分くらいあるけどよ……多すぎないか?」

「大丈夫大丈夫、今日はけっこうな数来るからな」


 今日、優勝パーティーに参加するのは。

 ロッソ、アオ、ブランシュ、ヴェルデ。シュバンとマイルズさんの六人。

 バレン、ウング、リーンドゥの三人。

 ハボリム、ラスラヌフの二人。

 ティガーさん、リュコスさん、ルナールさん、クロハちゃんとリーサちゃんの五人。

 ドギーさん、ベスさん、シアちゃんの三人。

 そして、俺とサンドローネとリヒター、イェランとサスケの五人。

 合計、えーと……二十四人か。けっこうな大所帯だなあ。


「とりあえず、メシも百人分以上用意しておくか。ティガーさんとか、ロッソやリーンドゥは十人前食いそうだし」

「おう。メニューは?」

「バーベキューがメイン、タコ焼きかな。あとはとにかく酒、果実水だ。くくく、今日は楽しむぜ」


 用意したのは、バーベキュー串五百本、あと網焼き用の野菜や肉、海鮮が二百人前……さすがに用意しすぎたかな。まあ、何とかなるだろ。

 サンドローネを見ると、黙々と串に野菜や肉を通していた。

 

 今日は、サンドローネが一人で給仕担当する。

 肉を焼いたり、タコ焼きつくったり、酒を運んだり、後片付けしたり……まあ、お嬢様も少しは額に汗流して働く苦労を知ってくれ。

 優勝パーティーは夜。くくく、今からワクワクしてきたぜ。


 ◇◇◇◇◇◇


 さて、夕方になり全ての準備が整った。

 俺は来客を出迎える前に、サンドローネの元へ。

 サンドローネは、バーベキューコンロの前で串焼きをジュウジュウ焼いていた。やり方をリヒターに教わり、今は一人でやってる。

 意地があるのか、リヒターが手伝おうとすると睨むのだ。

 でも、足りない物がある。


「サンドローネ、ちょっといいか」

「何、忙しいの」

「すぐ終わる……そのまま動くなよ」

「な、なによ」


 俺は手ぬぐいをねじり、サンドローネの額に巻いた。

 ねじり鉢巻き……やっぱ必要だろ。

 ウンウン頷いていると、サンドローネに本気で睨まれた。


「よし、じゃあ給仕さん、これから忙しくなるからよろしくな!!」

「……ええ」

「返事は?」

「……はい。これでいいんでしょ」

「おう。ってか、優勝したんだから、お前も嫌々じゃなくてちゃんとやれよ」

「くぅ……わかったわよ!! 本気でやるわよ!!」


 よし、なんだかんだで真面目なヤツだし、あとはしっかりやるだろう。

 すると、チャイムが鳴った。


「おっさーん!! 優勝おめでとう!!」

「……おめでとう」

「おじ様、優勝おめでとうございます。これ、つまらないものですが」

「おめでと。本当に優勝するなんてねー」


 俺はシュバンが手渡した高級酒を受けとる。


「ありがとうな。ささ、入ってくれ。とにかく大量に酒とメシ用意したから、朝まで騒ごうぜ!!」

「やったー!! おじゃましまーす!!」


 ロッソたちが中へ。

 俺はシュバンとマイルズさんに言う。


「お二人とも、今日はサンドローネが給仕係なんで、手伝いはナシで。サンドローネのためにもよろしくお願いしますよ」

「あ、ああ。わかったぜ」

「わかりました。では、個人として楽しませていただきましょう」

 

 シュバンはちょっと困惑していたが、マイルズさんはニッコリ微笑んだ。こういう切り替えのできる老紳士って最高だぜ!!

 そして、遅れてユキちゃんとスノウさんが来た。


「ゲントクさん、優勝おめでとうございます」

「にゃああ。おめでとー、おじちゃんにあげるね」

「ははは、ありがとうございます。お、ユキちゃん、くれるのか?」


 ユキちゃんは大きな貝殻を俺に差し出したので、遠慮なくもらった。

 これ、後でリビングの壁にでも飾っておくか。

 その後は、バレンたちが来た。


「ゲントクさん、優勝おめでとうございます。これ、お祝いです」

「おお、ありがとうな。またもや高級酒、うれしいぜ」

「……おいオヤジ。あの海に沈む乗り物、オレにも乗せろよ」

「いいぞ。任せておけ」

「おっちゃん!! じゃあウチには運転させて!!」

「お、おお……まあ、ちょっとだけな」


 バレンたちも到着、と。

 チラッとサンドローネを見ると、お客さんに挨拶していた。

 スノウさんが手伝おうとしていたが、マイルズさんがそっと止めているのが見えたぜ。

 そして、獣人一家たちが到着した。


「こんにちは。ゲントクさん、この度は優勝おめでとうございます。いやあ、観客席から見ていましたが、優勝した瞬間、私も興奮して飛び上がってしまいましたよ」

「ありがとうございます。ささ、今日は楽しんでいってください」

「がうう」

「きゅうん」

「はは、クロハちゃんにリーサちゃんも。いっぱい食べていいからな」


 リュコスさん、ルナールさんに抱っこされた二人を撫でる。

 その後ろに、ドギーさん一家もいた。


「おめでとうございます。ゲントクさん」

「おめでとうございます」

「ありがとうございます、ドギーさん、ベスさん」

「わううう。おじさん」

「シアちゃんも、ありがとうな」


 祝いの言葉が一番嬉しい……浜辺を見ると、サスケもみんなからお祝いの言葉を受け取っていた。照れているのか、恥ずかしそうだな。

 そして最後、イェランとラスラヌフ、そしてハボリムだ。

 ハボリム……アロハシャツの前を全開にし、ハーフパンツにサンダル、サングラスと下町スタイルだ。


「よーうゲントク。来てやったぜー」

「おう。今日は朝まで付き合えよ?」

「いいぜ。とことん楽しもうぜ!!」


 拳をコツンと合わせる。

 ラスラヌフはクスクス微笑んでいた。


「ふふ。去年より賑やかでいいのぅ」

「だな。二十人以上で宴会とか、考えもしなかった」

「サンドローネは……いたいた。頑張っておるの」

「ああ。声かけてやってくれ」


 ハボリム、ラスラヌフは浜辺へ。

 イェランは、俺の前で大きなため息を吐いた。


「は~緊張した。国王にラスラヌフ様のお迎えなんて、もうやりたくないし」

「お疲れ。まあ、今日は勘弁してくれや」

「うん。あと、お土産もらったよ。すんごい高そうなお酒」

「いいね!! イェラン、今日は楽しもうぜ」

「だね……お姉様には悪いけど、朝まで楽しんじゃうかも」


 これで、全員揃った。

 さあて、いよいよ優勝パーティーの始まりだぜ!!

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独身おじさんの異世界ライフ~結婚しません、フリーな独身こそ最高です~(1)
レーベル:マンガボックス
著者:比内ハツ
原著:さとう
発売日:2025年 6月 30日
定価 726円(税込み)

【↓情報はこちらのリンクから↓】
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お読みいただき有難うございます!
月を斬る剣聖の神刃~剣は時代遅れと言われた剣聖、月を斬る夢を追い続ける~
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― 新着の感想 ―
タンクトップ、ハーフパンツにエプロンかあ エプロンは白色として ふむ
いやおまえ唐突な無理難題約束反故商会の大損害全部込み込みで回避してもらったし嫌な顔してるの舐めてるやろ
しかしサンドローネも大変だ これだけの人数の給仕しなきゃならんとは、けど仕方ないか勝手に喧嘩買ってゲントクに丸投げなんだから
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