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悪徳令嬢に仕立てあげられた少女は、この世界に抗い生きる。  作者: 大井 芽茜


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最後の戦い

「シナリオ?前からずっとなんなのよ!!?? 悪徳令嬢やらシナリオとか訳分かんないこと言って」

 そう言うとスピリは二ヤッと笑った。



「私はこの世界を知ってるのにモブだった。せっかくの舞台なのに自分がモブなんてつまらないじゃない。」


「とりあえず、1番の敵であるラナの魔力を使えなくした。と思えば、英雄とか言われるレギュラー出て来てばっかみたい。」

 何それ。



「……ラナの魔力はお前がやったのか」

 王子はしょぼれた目を無理やり開かせているような表情をして睨みつける。



 そう言うと、スピリは笑いながら小さな鱗を取り出す。

「えぇ、とあるルートがあってね。主人公が対象と結ばれないと決まった時に高いお金を出せば道具が買えるの。で、そこから好感度、立場無視で思い通りになる。」



「彼と契約することでね。」

 鱗をかかげると、空に大きな魔方陣が現れた。



「もう全部やりなしましょう?」

 そこから大きな鎖につながれた忌々しい龍が顔を出し鎖を砕く。これ、あの絵本に。



「この世界全部壊して。私はまだ死ねないの。」



「あの姿。前に私のおじいさんが描かれた絵本に」

「あぁ。間違いない。全てを枯らし、腐らす存在だったな。」


 雄叫びが響き、城が朽ちていった。なにもかもが忌々しい鳴き声は川を干からせ森は砂漠になっていく。


 周りを唖然しながらみていると龍が瞬時に私を狙って飛びかかった。


 もうダメかもしれない。身体が動かない!


 ―――ッ

「「カラリア!」」

 前には炎と光を宿した剣が私を守っていた。ベルに……王子。


「間に合ったな」

「カラリアごめんなさい。もう私は死ぬ身ですから、最後に貴方のお詫びとラナの仇を取ります」

 2人はそれぞれ走り出し、ベルは足を狙い王子は目を潰しにいく。




 しかし

「%>$=<<。;}"?;{^";%*******」

 龍の叫びに2人は地面に叩きつけられた。私達人じゃ近づけもしないし、魔力を出す時間もない。



「何か手が」

 その時、ベルの剣が私の足元に転がった。魔剣に魔素を流して発火させる。



 魔素を吸う石。


「……ベル、王子、ウェル。時間を稼いでください。」


「何か手があるんだな。分かった」

 ウェルはもちろんと言うと、また獣の姿になり飛びかかった。龍に押されながらも3人が気を逸らす。


 魔創石。私達が作った奇跡の石。

 この石に魔素をいれれば!


 ありったけを。

「――――!!」


 ここで勝つために速く完成させないと。魔力を入れると光るけどまだ光りそう。

「んっ」



「カラリア様!」

 振り向くと逃げていると思った令嬢達がいた。


「私も力を貸します。魔素をいれればいいんですよね」

「許せませんわ!」



 そして、

「間に合った! 魔素だね?僕も力を貸すよ」

「カラリア様! あれは?……ライバ王子」

 ルービリも力を貸し、ラナは時間を稼ぐ王子と私、皆を祈るように願っていた。


 令嬢達、ルービリ、ラナ。私の大事な人が私の力になりたいと立ち上がる。



 しかし、龍は起動を変え3人の攻撃を交し、私に息吹をはなつ。

「カラリア!」

 嘘でしょ?



「おいカラリア。今回はおれも手柄をとるからな」

「うちも名をあげるならここよね」


「シグル、エルマ!!!!」

 シグルは剣に、エルマは瓶の液体をつけ2人で投げた。その剣は息吹を跳ね返し頭を直撃させる。



 相手があの龍でも……こんなに数がいれば怖いことはない。

「まだだっ! カラリアのために戦うぞっ」

「あぁ!!!」

「ぐるああああああああぁぁぁ!!」



 光がドンドン強くなっていく。皆の想いがこもっていくように。大事な思い出。大事な仲間、友達、家族の皆も力を貸してくれてるみたい。


「私達の未来を守って! 奇跡をもう一度っ!!!!!」

 声と共に強く光を放つ魔創石が飛んだ。



「発火!!」

 叫んだ途端に光が龍を包み込み焼き焦がす。




 今だ。龍なら竜をぶつける。

「行きなさいっ!!」

「キシャアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!!」


 魔創石は二手に分かれた。弱らす光と、もう1つの光は前に現れた竜だった。竜は石を咥えながら、龍に押し付ける。


「|^{、$$'!€€€€€€!?」

 悲鳴を上げながら魔力が石へと吸われていく。



「「いけええええええええええええええええ」」

 みんなの想いともに龍は光に包まれ消えていく。




 全ての自然がまた元通りになっていく。光が弱くなり目を開くと龍の姿はどこにもなかった。

「「やったー!!! 私達やったんだ!」」



「何とかなりましたね。」

「……だな。」

 王子とウェルは軽く笑いながら喜ぶ皆を見守っていた。

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