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悪徳令嬢に仕立てあげられた少女は、この世界に抗い生きる。  作者: 大井 芽茜


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グループ決め

実力を見せる会は大成功した。

最初のテストに向けてグループ決めをしていた。

「あのカラリア様。良ければ」

「もちろん!! 組みましょうスピリ様」

 あと二人か。



「誰がいいんでしょうか?」

「相性がいい方……私達は魔法が全般なので、前衛に出てくださる方がベストですね。」

 確かに、スピリの言う通りだ。



「あのっ、一応王子に頼んでみるとはどうでしょう」

「えっ王子?」

「あの方のように短距離も長距離も力の入れようで自由自在にコントロールされる方は私達に合うと思います」


 確かに剣の技は1番かもしれないけど、婚約を隠しているから接触はあまり避けたいな。



「でも、人気だよ?」

「分かりませんよ。王子が相性がいい方を選ぶなら誘ってもいいと思います。私達には攻撃の面が不足していますので」


 回復のスピリに援護の私。確かにそうだけど一番を狙わなくても良いような気はする。でも、目標を達成しないとダメだからスピリからしたら強い人を選ぶのは当たり前か。



「でも今は人が多いので近くで待ってみましょう」

 そう円の外をみながら待っていると、王子と目が合った。


「君達は」

 王子も私と同じように驚きながら、私達の元に歩いてくる。



「あの、もし良ければ同じ班に入れて貰えませんか!?」

 スピリは震えた声で叫んだ。



 「はい。いいですよ。」

「えっ」

「貴方達の力には光るものがありますし、後ろにいてくれると心強いですから」

 王子はニコッと笑って承諾する。その瞬間、周りには衝撃が走っていた。



「おい、ライバっ」

「「相性がいい方を選ぶように。」と言われたので従うまでです。貴方も私以外と組んでもいいのでは?」


 王子はベルにそう言い聞かせ、スタスタと歩いていく。もちろんベルは不満そうに私達を睨んだ。



「あと1人ですよね。今から探したいのですが、少し用事があるのであと一人を探してもらってもいいですか?」


 王子は何かを目で言うように歩いていく。長い間いても気まずいしそっちの方がいいよね。メンバー選びに支障がでるかもだし。

「分かりました」


「頼みましたよ」

「はい」

 王子は私に笑みを向けるとすぐにどこかに向かっていった。


「では、最後の1人を探しましょうか」

「はい」

 あともう一人だ。



「なんなのあの人達。」

「田舎民のくせにっ、私の相手を取るなんて」

「英雄の方はそりゃ有名だけどさぁ」

 王子から誘ってくれたおかげで、そこまで反感はかわれてはない。けど少し重い。


 あと1人。大体二人組は出来てしまっていて誘いにくいし、王子を誘っていた人は全員三人で固めていたし。


 どうしよ。



 そのとき、不意に木の元で休んでいるウェルが視界に入った。

「あの人っ!」

「確かウェル・アルサ様でしたよね。」



 私は彼の元まで行くとウェルはすぐに立ち上がった。

「ガベット」

「昨日ぶりですね。ウェル様。」



「なんのようだ」

「私達のグループに入りませんか?」

「……」

 ウェルはそう聞くとコクッと頷いた。



「分かった」

「では明日よろしくお願いします」

 スピリは少し怖がっていたが、ウェルを仲間に入れることに成功した。



「会った事があるのですか?」

「はい昨日、たまたま出会って」

 私達は、グループ探しで困っている人達を見送りながら先に帰った。



「不思議な方ですけど、優しそうな目をしていますね」

「そうですね。どこか親しみがあります。」

 あの人は、私のことを知りたがっていたけど一体なにを考えているんだろ。でも、今日も上手くいったし、グループ作りも上手くいって良かった。



「あのスピリ様。」

「なんでしょう?カラリア様」

 スピリはふわっと風になびかせるように振り向いた。


「私、ずっと不安だったのですがカラリア様のおかげですごく学校も楽しみなんです」


「私もです。明日がんばりましょう!!」

「はいっ」

 明日のテストを頑張ろう。私達はその想いを胸に別れをすました。



「お帰りなさいませ。」

「ただいま!!」

 また椅子に寝転がる私にラナは、はぁとため息をついた。


「聞きましたよ、カラリア様。王子とグループを作ったと」

「うっ! だ、だって。」

「まぁ、身分差別が酷い連中もいますし、見せしめにはなったと想いますが。軽率な行動には気をつけてください」

「はぁい」



 ――城内

「カラリア、いい芸でしたよ」

「あっありがとうございます。王子のもかっこよかったです。」

「カラリアに言って頂ければ練習したかいがありました。ありがとうございます。」


 やはり王子の剣技は素晴らしい。けど、いつ練習しているのか全く分からないんだよね。



「それにしてもまさか来るとは思いませんでした。」

「すみません。同じグループの子が言い出してしまって」


「いえ、いいんですよ。私も嬉しかったです。」

 そう言ってくれると良かったのかな。



「すみません。距離を取った方が良いと思って帰ったのですが、あともう一人どうなりましたか?」

「あのウェル・アルサという方を誘いました。中々一人の方が居なかったので」


「あの方ですか。私も聞いた事が無い方だったので興味があったんです。」

 王子も知らないんだ。



「あの方とスピリ様でしたよね。面白いグループになりそうですね。」

「はい、明日が楽しみです」


 今日は上手くいった。そして、明日の試験も気を抜かないで頑張ろう。


 私の睡眠は絶好調だった。

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