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母さんの夢の役を演じる意味

 あのあと、カムロンは自分で回復ポーションを持っていたので、それを飲んで回復していた。使い物にならなくなったかどうかはわからないが、きっと大丈夫だろうと思いたい。


「次回から今回の技は禁止だからな。俺が不能になったら、悲しむ女性が沢山いるんだぞ」

「ハイハイ」


「また、信じてないんだろ。余計なお世話かもしれないけど、人を疑うよりも信じることから始めないとダメだぞ。この世界の奴は裏切る方が多いけど、相手を信じないことには信頼してもらうことはできないんだからな」


「まずは、カムロンが信頼に足る人間になる必要があるかなー」

「ふん。俺以上に信頼に足る人間なんていないんだからな。何があっても信じてくれていいぞ」

 カムロンは言いたいことだけ、言って夕方になると帰っていった。


 夜になり、暗い部屋の中で横になると色々考えてしまう。部屋の中には灯りもなく、母さんの寝息だけが聞こえてくる。


 ここで育って10年がたった。母さんのおかげで僕は少しだけ剣が使えるようになった。だけど、ドダとダドには勝てないし、人を傷つけることも苦手だ。


 母さんはいつも一生懸命で僕を育ててくれたことに感謝はしている。だけど、僕の人生はいったいなんのためにあるのだろうかと思ってしまう。


 母さんの嘘で塗り固められた僕の出生。偽らなければいけない何かがきっとあるに違いない。


 まだ、僕が母さんの言うことを信じていた頃、何度も僕を迎えに来てくれる騎士がいることを想像した。

 だけど、そんなことが起こることはありえないと知ってしまった。僕の家族は母さんしかいないのだから。


 きらびやかな服を着飾った女性に囲まれることも、騎士団の立派な鎧を身につけることもボットムに生まれ育った段階で可能性はない。


 できるこがあるとすれば……カムロンがいうように盗賊に身を落として這い上がるしかないが、僕にはそんな勇気も根性も何もなかった。


 僕にできることと言えば、母さんが見た夢を僕たちだけの小さな世界で叶えること。

 それが母さんの希望なら僕はそれを否定することはできない。


 何も知らないまま、何も気づかないまま、僕は母さんの夢の役を演じる。


 ボットムの街の人からも僕たちは嫌われている。それは街のルールに従っていなくて、ボットムの街の中でも僕たちは異物だからだ。


 誰からも必要とされていない。例え、ボットムの街から出たとしても僕たちは上手くやることができない。かといってボットムのルールにも従えない。


 いったいなんのために生きているんだろう。

 僕は母が昔から使っている、刃の無くなった鉄の剣を抱き身体を丸めながら眠りにつく。

 なぜ生きているのかをずっと心の中で考えながら。

カムロン「俺の痛みに免じて★5つをいれてほしい」

テル「カムロン姉さんになれば、入れてくれるんじゃないかな」

カムロン「(/ω\)いやーん」

その日テルは変な夢を見てうなされていた。


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