悪魔の子
俺は強さをもとめる。みんなを守るために、たとえそれで嫌われても結果として世界を救えるのなら、俺はそれで良い。
「そろそろ行こうか。優里」
「ええ。シンジ行きましょう」
こいつは恋人の優里。気が利く彼女だ。俺は彼女と一緒に旅をしている。
俺たちは高い山を登っている。この山はそこそこ強いモンスターが出てくるが俺たちからしたらどうって事ない。
「回復とアシストありがと」
「シンジもお疲れ」
「30分くらいしたら行くぞ」
「うん!」
「ここからの景色も綺麗ね。いつ来てもそうおもうわ」
「そうか?」
「そうよ。この不死の山の景色は山頂じゃなくても絶景じゃない」
「そうかもな…」
そう言おうとした時、黒く大きな鳥が遠くから見えた。少しづつ近ずいてくる。こんなモンスター見たことがない。そして、さっきが違う。
体長は15メートルほどだろうか?
「優里、お前は荷物を置いて帰れ。ここは危険だ」
「で、でも」
「MPが回復していないやつなんて不要だ!俺は大丈夫だ!去れ!!」俺は叫んだ
「……ッッ」彼女は何も言わずに全力で走って行った。
「殺るか」俺は小さく呟いた。
1VS1だが…そんな生ぬるくない。
ステータス表示
シンジ Lv50
HP4000
攻撃444
防御350
スピード400
MP560
さてと、相手は?
?????
HP100000000
攻撃5000
防御500
スピード200
MP∞
相手の方が圧倒的だ。
2発?3当たれば死亡。
「いくぜ!ダークボール」高火力でゴリ推したい。
両手から真っ黒の玉をだす。
「いけ!」そして放つ!
やはりほとんど減らない。
デカい黒い鳥は口から黒い炎を吐いた。
俺はあわてて羽をはやし交わした。あと数コンマ遅かったら…
勝てない相手は負けなければ及第点。
「dark fog!」全体を黒い霧で覆わせた
さてと、逃げるか
俺は走る。走り続けた。
「…撒けたか?」
「あいつは…一体…」
プルルル
着信だ。優里からだ。
俺は画面を開いて通話する
「大丈夫?」
「ああ。勝てなかったが上手く撒くことができた」
「よかった」
「今からそちらに向かう」
数日前に休んだ街へ優里に会うために向かった。
急いで行ったためすぐに着いた。
少し歩いて彼女を見つけた。
彼女はボロボロになっていた。周りを男3人が囲んでいる。
「おい!金持ってねえのか!ああ??」
「…」
オレは心の中で激怒した
「おい」
「あ?なんだよ」
「ぶっ殺すぞ」
俺は波動を出す準備をした。
「あ、兄貴無理っすよ。やっぱりあいつを倒すのは」
敵の1人が逃げ出した
「お、おい待て!」
彼らは去っていった。
「チッ。クズが。大丈夫か?」
「ええ。ごめんなさい」
「俺のせいだろ」
「違う!」
「俺は強さを求めた。そしてある程度の力を手に入れることができた。それによって嫌わてたり差別される覚悟は出来ていた。それで助けられる力があればそれで良かった。でも、目の前のお前を守る力は今の俺にはない」
優里は黙って聞いていた。
「優里。別れよう」
「えっ…」
「俺と一緒に居たって俺はお前を幸せにできない。じゃあな」
「シンジ!」
立ち去ろうとする俺に彼女は飛びついてきた。
「…これは俺の決意なんだ。許せ」
俺は震えた声で言い、ナイフを取り出した。
「愛してる。そしてさよなら」
俺はナイフで彼女を滅多刺しにしてHPを0にした。
俺は逃げるようにしてこの街を去った。
彼女が教会で復活していることにはもう遠くの町へ俺はいるだろう。
悪いな俺が悪魔になったせいで…優里お前を幸せに出来なくて…
次回最終回予定
ちなみにこちらの小説は番外編です
本編は3月頃に投稿予定