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転生したらうちの柴犬が最強でした~おまけで転生した犬が俺より強いってどういうこと!?~  作者: 深水映
第2章 エルフの里の少女

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13.村への帰還

「うわっちっち!!」


 火が消えるのを待って、俺はすすだらけになったサブローさんの顔を撫でた。


「ク~ン」


 仰向けになり、腹を見せるサブローさん。舌をだらしなくベロリとだし、恍惚の表情を浮かべるサブローさんの白いお腹を、俺はもしゃもしゃと撫でた。


「まさか、こんなに簡単にドラゴンを倒してしまうとは……」


 知らなかった。どうやらサブローさんはとんでもなく強いらしい。


『女神のペットとして相応しい力も授けたから!』


 ミアキスの言葉を思い出す。

 もしかして……それがこれ!?



「シバタ、大丈夫なのか!? ドラゴンを倒すなんて、いくらなんでも出来るわけが」


 しばらくして、トゥリンがやってきた。俺たちの後を心配して追って来たのだろう。


「やあ、トゥリン。このトカゲを運ぶのを手伝ってくれ」


 丸焦げになったドラゴンの横にしゃがみこんだ俺と、得意げな顔のサブローさんを見て、トゥリンはあんぐりと口を開けた。


「……シバタ、お前、本当に?」


 俺は小さく頷いた。

 まあ、凄いのは俺じゃなくてサブローさんだけどな。



◇◆◇



「勇者様が戻って来たぞ!」

「なんてこった、本当にやりやかった!」


 トゥリンと一緒にドラゴンを担いで村に戻ると、エルフたちの熱烈な出迎えを受ける。


「すげぇ、ドラゴンが丸焦げになってる」

「どうやったんだ!?」


「いや、ほとんどサブローさんが倒したんだ」


 エルフたちは感嘆の息を漏らす。


「さすが勇者様、謙虚だ」

「ドラゴンごときでは、勇者様の出る幕はないということだな!」


 よく分からないが、やたら好意的に解釈されているようだ。


 ドサリと地面に敷いた藁の上に丸焦げのドラゴンを下ろす。


「さて、こいつはどうする?」


「決まってるじゃないか」


 トゥリンが笑う。


「食おう!」


 俺は香ばしく焼けたドラゴンの肉をチラリと見た。


 確かに、こんがりと焼けた肉は、見るからに美味しそうに見えた。




「んー、んまい!!」

「美味いなぁ、シバタ」



 村に帰ると、早速俺たちはドラコンの肉を皆に振舞った。


 ほっこりと焼けた肉は鶏肉に似ていて、塩を振っただけなのにジューシーで噛むと濃厚な肉汁が溢れだしてくる。


「まさかドラコンの肉がこんなに美味いとは」


「おーい、シバタ、これ!!」


 夢中でドラゴン肉にかぶりついていると、遠くからギルンが呼ぶ。


「ドラゴンの肉の中から変なものが現れたぞ!」


「変なもの?」


 ギルンが手に持っていたのは、何か赤い文字が書かれた黒い水晶玉のようなものだった。


「何だこれ」


「知らん。ドラゴンの肉の中から出てきた」


 俺とギルンが首を傾げていると、マルザ村長が青い顔で駆け寄ってきた。


「……これは!」


「これが何だか分かるんですか?」


「ああ。これは、『傀儡くぐつの法』じゃ」


 渋い顔をするマルザ村長。


 傀儡くぐつ


「ということは、誰かがこの竜を操って村を襲わせていたということか?」


 渋い顔をするトゥリン。


「ああ、恐らく」


「でも一体誰が」


「決まってるだろ、魔王だ」


 鋭い声で言ったのはトゥリンだ。


「きっと魔王がシバタがここに来るのを予期して襲わせていたんだ」


 魔王がドラゴンを使ってこの村を襲わせていた?


 トゥリンの言葉に思わず息を呑む。

 そんな馬鹿な。だとすると、俺のことがもう魔王にバレてるってことなのか?


 俺は下唇を噛んだ。


 だとすれば、あまりこの村に長く滞在していては迷惑がかかるかもしれない。


 そろそろ、旅立つ準備をした方がいいのかもしれない。




◇◆◇




 翌日、村を立とうとする俺にトゥリンが声をかける。


「シバタ、本当に旅立つのか?」


「ああ。傷も治ったし、ここに俺がいたら、また魔物が村を襲うかもしれん」


「そうか……」


 サブローさんの頭を撫でながらしょんぼりとした顔をするトゥリン。


 トゥリンはしばらく下を向いていたが、やがて決心したように固く拳を握りしめて言った。


「シバタ、魔王退治の旅に、私も連れて行ってくれ!」


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