表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
899/906

第百六十章 「ワイルドフラワー」使役獣獲得事情 2.邂逅

「えーと……こっちで合ってるんだっけ?」

「ん。町外れの牧場だって言ってた」

「クリフトさんご夫婦だったよね? 肥料を譲ってもらえる相手」



 結局あの後、「ワイルドフラワー」は二手に分かれて動く事にした。既に使役獣と契約しているカナとセンが留守番組、未契約のエリン・サフラン・ミモザの三人がお使い組である。

 フランセスカ(=メイビー)の教えてくれた道順に従って歩いて行くと……



「……あれ、何?」

「何だか急いでこっちへ来てるみたいだけど……」

「何かのイベント? それともクエスト?」



 妙に慌てた様子の男二人が、何かを抱えて急ぎ足でこっちへ向かって来る。

 その片割れは逆三角形の上半身を持つ、〝筋骨(きんこつ)隆々(りゅうりゅう)〟という言葉を体現したかのような大男。もう一人はそれよりはずっと小柄な、こちらは〝枯れ木のような〟という形容が似合いそうな、白髪に白ヒゲ、浅黒い肌の老人であった。ちなみに〝何か〟を抱えているのは大男の方で、老人はその何かを心配そうに見遣(みや)っている。


 ……と、いうような様子が見て取れる距離まで近付いたところで、向こうもこっちの存在に気付いたらしい。



「おぉ~い! あんたら、異邦人か!?」



 〝異邦人〟が〝プレイヤー〟を指す語だという事は承知している三人、互いに顔を見合わせたが、別に隠す事でもないだろうと(うなず)きを返す。異邦人(プレイヤー)だとしたら何だと言うのだ。



「中級のポーションか何か持ってねぇか!?」

「中級ポーション!?」



 最下級でも初級でもなく中級ポーションが必要というのは、これはただ事ではなさそうだ。見れば何か小さなものを大事そうに抱えているし……まさか病気の子供でも?

 焦った三人が駆け寄った先で見たものは……



「……犬? いや狼?」

「かわい~……って、酷い怪我(けが)!」

「どうしたんですか?」

「あぁ、いやな……」



 男二人が交々(こもごも)に説明したところに()ると、二人はナンの町の冒険者で、依頼を受けて山へ向かって行った先で、コレを見つけたのだと言う。



「親とはぐれでもしたのか、腹を()かせてたみたいなんでな。弁当の切れっ端を恵んでやったのよ」

(がら)にもない仏心というやつじゃな」

「……したら何だか(なつ)いちまってな。追っ払うのも面倒なんで、そのまま放っといたんだが……」

生憎(あいにく)とその先で、討伐依頼のモンスターに()(くわ)してのぉ……」



 モンスター自体は無事討伐したのだが、その最中に、子供ながらも(けな)()にモンスターに立ち向かっていた子犬(?)が、モンスターの爪を受けて(おお)怪我(けが)をしたのだという。

 行き掛かり上放っても置けず、手持ちの下級ポーションを振り掛けてみても一向に効果が見えず、大慌てで引き返して来たのだという。

 もし手持ちの中級ポーションがあるのなら、代金は必ず払うので融通してほしい――と嘆願する二人であったが……三人の方はそれどころではなかった。


 何しろ……


《傷付いた小動物を救うには、プレイヤーが契約するしかありません。契約しますか? Y/M》


 ……というウィンドウが、三人それぞれの前にポップしているのである。

 そう……従魔術師(テイマー)召喚術師(サモナー)の三人の前に。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
 よし、殺し合いだね!
とりあえず、クエストなのは分かるが、マハラの時も思ったがここの開発とAI(運営が仕込める部分じゃない)には血も涙もないのかい?()
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ