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第百四章 成り行きダンジョンアタック 3.チュートリアル開始

死霊術師シリーズ最新作「屍体たちの告発」も宜しければご覧下さい。

 シュウイたちが覚悟と態度を決めたのを見計らったかのように、



《ダンジョンのチュートリアルを開始します》


《ファーストステージは、ダンジョンのモンスターへの対処です》



 ――というメッセージが虚空に現れる。


 そしてそのメッセージを目にした時、シュウイはふと小さな疑問を感じた。



「テムジンさん。これ、態々(わざわざ)〝ダンジョンのモンスター〟と断ってますけど……外のモンスターとは何か違うんですか?」



 ラノベとかで読んだ憶えはあるが、ゲームのダンジョンというのは初めてである。ここは先達の教えを受けた方が良いだろう。


 訊かれたテムジンも(しば)し考え込んだが、新人たちにも聞かせておくべきと考えたのか、歩みを停めて説明に移る。



SRO(このゲーム)のダンジョンは自分も初めてなので、確言はできない。他のゲームでの話になるが、それで?」

「あ、はい。お願いします」

「諒解だ。飽くまで()()べての話になるが……まず、極端に身体の大きいモンスターは出てこない」



 ダンジョンというものが基本的に閉鎖空間である事を考えると、これは納得できる傾向である。



「それと、範囲攻撃をするものも比較的少ないように思う。……まぁ、攻略側もそこまで大人数にはならないし、遮蔽物となる物陰も多いから、あまり効率的ではないという事なんだろうが。……まぁ、これはプレイヤー側も同じだがね」

「あ、そうなんですか」

「範囲攻撃よりも(むし)ろ、物陰からの奇襲や待ち伏せを警戒すべきだな」

「成る程」



 それを聞いて新人たちも不安になったのか、周辺の様子を気にし始める。進むペースが多少低下しても、奇襲を受けて死に戻るよりはマシだろう。



「モンスターのタイプという事でなら、空を飛ぶタイプのモンスターは基本的に出現しない。例外はバット……コウモリだな。あと、トレントなど植物タイプのモンスターも出現しにくいようだ」

「成る程」



 これもまた納得できる話である。狭苦しい洞窟の中をワイバーンが飛び回ったり、日が射さないダンジョン内で樹怪(トレント)が光合成する光景など、やはり一般的なダンジョン観というものにそぐわないだろう。……逆に、キノコ人間くらいなら出て来そうな気もするが。……胞子を浴びるとキノコになるとか。



「あと、これはゲームによってだが、毒を持つモンスターも多くなるな。モンスターを見たら即座に【鑑定】するのがお薦めだ。まぁ、これはダンジョン内に限った事ではないが」

「…………」



 沈黙を決め込んでいるシュウイは、何しろ【虫の知らせ】を始めとする警戒系スキルの恩恵がある上に、(そもそも)普通の【鑑定】を持っていなかったりするので、これまでは意識的に敵の情報を調べようとはしなかった。しかし、今は【鑑定EX】もあるし、積極的に鑑定していくべきか――と思い直した。……まぁ、すっかり身に付いた攻撃パターンが、そう簡単に修正できるかどうかは別なのであるが。



「出てくるモンスターの種類も、そういった条件に(かな)うものが多い。定番はバット、スライム、ウルフ、ワーム、アント、クモ、マミーやスケルトンなどのアンデッド……稀にだがノームも出てくるな。あとはコボルトやリザードマン……それと――」



 テムジンが言葉を切った時には、既に勘付いていたシュウイも身構えながら続ける。



「ゴブリン――ですよね?」

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