表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
401/918

第九十四章 その頃の彼ら 2.「マックス」~誰かの落とし物~

「……〝誰か〟が〝こっそり〟……か」



 問題となりそうなポイントを繰り返す魔術師マギル。その頭上ではフクロウのルヴァが小首を(かし)げている。



「……これがクエストだとすると、結構微妙な立ち廻りが要求されるんじゃないか?」

「あぁ……確かに。〝誰か〟を捜すだけなら何とかなるだろうが……」



 鳴り物入りで探し廻った場合、〝こっそり〟というポイントに抵触する懸念がある。そうなるとクエストは失敗扱いになりかねない。



「……ともかく何か手懸かりを探そう。これがクエストなら、何か手懸かりが残してある筈だ」

「メタな解説乙。だが、現在採れる最善手だな」

「あぁ、幸か不幸か辺りに人影は無し。〝こっそり〟という条件はクリアできるだろう」



 手分けして捜索に当たる一同。(しばら)くしてそれを見つけたのはリーダーのサントであった。



「おい! これが手懸かりってやつじゃないか!?」



 声を上げて仲間を呼び集めるが、不用意にその「手懸かり」を拾い上げるような真似はしない。まずは現状のまま確認してからだ。



「……ふむ。【鑑定】してみたが、危険なものではないようだ。『お守り』とだけ表示されている」

「お守り? それだけか?」

「あぁ。それ以外何も表示されない」

「マギルの【鑑定】で情報がそれしか出ないってのは、(かえ)って怪しいだろ?」

「と、なると……これはやっぱりクエストのキー・アイテムか」

「何かの条件を満たさないと、これ以上進めないんだろうな」



 他に手懸かりらしきものは無いようだし、ここでこれ以上やれる事は無いか。

 手詰まりか――と、なりかけたところで、



「……いや……おぃ、これちょっと知り合いに見てもらいたいんだが……駄目か?」

「知り合いに?」

「あぁ、秘密クエだって言えば、それ以上追及しないと思う」

「そりゃいいが……何か当てがあるのかよ?」

「あぁ。そいつな、【鑑定】の上位スキルっぽいのを持ってるんだわ」

「「「「「【鑑定】の上位スキル!?」」」」」



 聞き逃せない事を聞いたと、一同が思わず声を上げた。単なるレベルアップではないというのか?



「それって【看破】の事か?」

「いや。【看破】は【鑑定】とは別系統のスキルの筈だ」



 困惑の声が上がるが、【看破】は【鑑定】とは別物のスキルである。

 【看破】は隠蔽・偽装・詐称などで隠された不自然な箇所を見破る準レアスキルで、【鑑定】のような事はできない。しばしば【鑑定】の上位スキルと間違われるが、別系統のスキルなので、幾ら【鑑定】を育てても、【看破】には進化しない。

 ちなみに、レッドネームプレイヤーに三回殺されると取得可能になる。



「いや、【看破】じゃなくて別物だ。……詳しくは言えないけどな」

「……解った。(もと)より個人のスキルを詮索するのはマナー違反だ。他に代案が無いようなら、自分としては構わないが?」

「……だな」

「この際だ、タクマの知り合いに賭けてみるか」

「んじゃ、事情を添えて現物を送るわ」



 ……もうお解りだろうが、タクマが当てにしているのは、シュウイの【鑑定EX】である。


 本来なら、このお守りを(しか)るべき住人(NEC)に見せる事で、所有者についての情報を得る事ができるのだが……タクマはシュウイの【鑑定EX】に頼る事を思い付き、パーティメンバーもそれを承認した。

 それが吉と出るのか凶と出るのかは判らないが……ややあって、シュウイからお守りが返送されて来る。


 ――鑑定結果のハードコピーとともに。



「……コボルトのお守り……?」



《コボルトのお守り。老コボルトの牙でできており、小さな同族に降りかかる危難を打ち払う》



 そして……彼らの眼前に浮かぶウィンドウが、クエストの開始を告げていた。



《クエスト「コボルトのお守り」が発生しました。クエストを受けますか? Y/N》

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[気になる点] このお守りを然しかるべき住人NECに見せる ルビの誤字でNPC
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ