お正月特別SS 座右の銘~要の場合~
お正月特別SSの最終話です。
各自座右の銘を提出せよという現国の課題を出された生徒たち。匠や茜のようにのたうち回っている者もいたが、課題を別段苦にしない……どころかどれを選ぼうかと迷っている者も少なからずいた。その一人、高力要に対して、幼馴染みたち三人――特にそのうち二人――が問いかけている。
「ねぇねぇカナちゃん、カナちゃんは半沢センセの課題、何て答えたの?」
「座右の銘の事? どれを選ぼうか迷っているところだけど?」
「うわぁ……」
「俺たちとは迷いの内容が違いすぎるよな……」
「要ちゃんはどんなのを考えてるの?」
「そうね……例えば、『善人なほもて往生をとぐ、いはんや悪人をや』」
(「……何だか、悪人はお買い得と言ってるように聞こえる……」)
(「『人の嫌がる事をしよう』……ってのと、同じニオイがするな」)
「『下克上』」
「「「……」」」
「『悪法また法なり』」
「……これはちょっと意外だな」
「……うん」
「こんな言葉をほざいて死んでいったソクラテスを嗤ってやろうと思って」
「反面教師?」
「『毒をもって毒を制す』」
「何というか……錚々たるラインナップだね」
「……なぁ、要、もうちっと穏やかなのはなかったのか?」
「あら? 別に危険思想ではないと思うけど?」
「確かに危険思想って訳じゃないけどさぁ……せめて『最大多数の最大幸福』とか……」
「数の暴力と同義語よね、それ?」
「ねぇねぇカナちゃん、他には?」
「そうね……『知は力なり』だったらお気に召すかしら?」
(「……力で獲らずに頭で獲るって意味か?」)
(「……確か『ウル○ラマン』で、どっかの宇宙人が言ってたよね……」)
次回から本編に戻ります。




