お正月特別SS 座右の銘~蒐一の場合~
お正月特別SSの三話めになります。
各自座右の銘を提出せよという現国の課題を出された生徒たち。予想どおりというか、匠と茜がのたうち回り、要は涼しい顔で幾つかの候補を選んでいた。
そして、当の蒐一はというと……
「『望みのものを取り、その代価を支払え』にしようかと思ってるんだ」
「確か……スペインかどこかの諺よね?」
「んなもの、どっから拾ってきたんだよ……?」
「うん、クリスティの小説に出てきたんだよ」
「え? ……そんなのあったか?」
「……そう言えば……財産の相続人にからむ話だったかしらね」
「うん、それ」
「まぁ……それっぽくて良いんじゃねぇのか」
・・・・・・・・
学校からの帰り、蒐一と別れた三人たちが、少し声を低めて話している。
「……蒐のやつのモットーな、以前に聞いたのとは違ってたわ」
「……提出用の建前って事でしょ? 別に問題は無いんじゃない?」
「まぁ……そうなんだが……」
「ねぇねぇ匠君、蒐君の裏モットーって何だったの?」
「裏……その言い方はどうかと思うが……」
「茜ちゃん、無神経な詮索は良くないわよ?」
「え~、カナちゃんは気にならない?」
「それは……」
何だかんだで要も気になっていたため、匠から聞き出す流れになる。
「前に訊いた時は、ポツリと『いつか王子に』って言ってたな」
「……星の王子様?」
「いえ……多分、ディズニー映画の主題歌ね……本当は『に』じゃなくて『が』なんだけど……(割と切実なのかしら……?)」
「気持ちは解るけどなぁ……ヅカガールが関の山じゃないか?」
「匠君、そこはせめて女形って言ってあげないと……」
「茜ちゃん……いえ……それだけなの? 匠君」
「あとな……『野獣死すべし』って言ってた……」
「あ~……子供の頃から散々変質者に付け狙われてたから……」
「まぁ……しょうがないわね」
「だな」
「……三人とも、楽しそうに、何を話してるのかな?」
「「「――!」」」
本日はもう一話同時公開しております。




