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第七十三章 トンの町 8.微睡みの欠片亭

少し長めです。

 「()(すい)の鈴」の購入とそれが【錬金術】の素材である事の発見、バイコーンベアとモノコーンベアの狩り(そざいかくほ)、マハラとの召喚契約、ツリーフェットとの再会、ズートの実のクエスト受注、ズートの実の試食会……と、椀飯(おうばん)振る舞いにも程がある一日を終えたシュウイは、「微睡(まどろ)みの欠片(かけら)亭」での夕食を終えて自室に引き取っていた。



「う~ん……結構盛り沢山な一日だったな。とりあえず、お前たちのご飯を出さなくちゃね」



 そう言ってシュウイはシル用に果物とマハラ用にズートの葉を取り出した。つい先程ズートの実を食べたばかりなので、シュウイとしては軽くで充分かなと思っていたのだが……どうやら従魔二名はそれには不服のようである。おやつと食事は別腹という見解らしい。大丈夫かなと懸念するシュウイであったが、以前に運営から好きなものを食べさせるようにとの回答があったのを思い出し、まぁ大丈夫だろうと納得する事にした。


 二名が食事に夢中になっている間に、自分のステータスを確認してみる。



「あ……種族レベルが9に上がってる。へぇ……【使役術】もレベルが2に上がってるけど……やっぱり召喚契約をしたせいなのかな? あとは【器用貧乏】のレベルが上がってて……【福笑い】と【掘り出し物】も上がってるな……」



【掘り出し物】はともかく、【福笑い】が上がっているのは、またしても「微笑みの悪魔」が降臨していたためだろう。微妙な思いを禁じ得ないシュウイであったが、そのお蔭で種族レベルが上がったと考えると悪い事ではない。

 気を取り直して従魔一覧に目を向けると、確かに召喚獣のところにマハラの名があった。【従魔鑑定Tri】によると、成虫は幻惑の闇魔法を使うとあるが、幼虫の時は糸を吐くのが精々らしい。スキルの項目に【(ぼう)()】とあるのがそれだろう。ただ、どんなモンスターでも従魔となった場合は、育て方によってその能力も変わってくるらしい。



「ズートの葉には生き物の能力を向上させる効果があるって、ボックルとトックルも言ってたからなぁ……。という事は、シルにも食べさせた方が良いのかな? ……いや、僕も食べた方が良いのか?」



 この際サラダにでもして食べるべきであろうか。しかし、改めて【素材鑑定W】をかけてみても、食材という表示が出てこない。



「セルロースが多いとかかな……? だったらシルに食べさせても大丈夫かな?」



 (いささ)か心配になったシュウイであったが、ものは試しと与えてみる事にした。シルは少しばかり考え込んだ様子であったが、もそもそという感じで食べている。……あまり美味しそうな反応ではない。試しにシュウイも少し食べてみたが、少し硬めの葉野菜を食べているようで、美味いとも不味いとも言いかねる味であった。



「……塩とか醤油とかマヨネーズとかで味付けしないと、何とも言えないな……味付けしたらシルも食べるのかな?」



 先程の果肉への食い付きっぷりとは大違いである。



「……待てよ? 僕の【素材鑑定W】や【従魔鑑定Tri】でも、師匠の【鑑定】でも、ズートの葉が生き物の能力を向上させるなんて説明は出てこなかったよね? 師匠も知らないって言ってたし……。それだったら果肉とも条件は同じになるよね。だったら、シルの場合果肉を与えた方がいいのかな?」



 そう結論しかけたシュウイであったが、ツリーフェットのボックルとトックルがズートの実の事には何も言及していなかった事に気付く。あの時はマハラの食草の事を聞いただけだし、懐のシルの事には気付いていなかった可能性もあるが……



「でも、あの運営がそこまで面倒な設定をするかなぁ……」



 曲者の運営ならそれくらい仕組みそうな気もするが、AIのプラグラムは別の部署が組んでいる筈だ。そこまでややこしい設定を喜ぶとは思えない。それに何より、ズートの実は普通に食材として流通している筈。なら、そんな効果がもしもあるのなら、住人(NPC)の誰かが気付いていてもおかしくないのではないか? もしもそうなら同じ住人(NPC)のバランドが知らないというのは不可解である。



「う~ん……やっぱり効果があるのは葉っぱの方なのかなぁ……シルは結構口が(おご)ってるし……調味料で味を調(ととの)えた方が良いのかな?」



 ズートの実の事を考えていたシュウイは、そこからの連想で種子、ずっと以前に拾って以来そのままになっている鳥撒布種子の事を思い出した。確か、カナが心当たりのありそうな事を言っていなかったか?



「今度会う機会があったら、渡しておいた方が良いのかな?」



 その機会が思っているより早く来る事を、神ならぬ身のシュウイには予見できよう筈も無かった。



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★《シュウイのスキル/アーツ一覧》 


レベル:種族レベル9


スキル:【しゃっくり Lv2】【地味 Lv6】【迷子 Lv3】【腹話術 Lv2+】【解体 Lv9】【落とし物 Lv10】【べとべとさん Lv3】【虫の知らせ Lv8+】【嗅覚強化 Lv7+】【気配察知 Lv7+】【土転び Lv3+】【お座り Lv3】【掏摸(すり) Lv3】【イカサマ破り Lv5】【反復横跳び Lv4】【日曜大工 Lv3】【(つう)() Lv1+】【腋臭(わきが) Lv1】【デュエット Lv5】【般若心経(はんにゃしんぎょう) LvMax】【弓術(基礎) Lv5】【狙撃(基礎) Lv7】【投擲 Lv6】【器用貧乏 Lv6】【飛礫(つぶて) Lv6】【擬態 Lv3】【ウェイトコントロール Lv3+】【隠蔽 Lv3】【疾駆 Lv3+】【給水 Lv3 霊水に統合】【古道具屋 Lv1】【聴耳(ききみみ)()(きん) Lv5+】【大食い Lv0】【闇魔法の素地(オーク) Lv0】【木登り Lv3】【霊水 Lv2】【福笑い Lv3】【掘り出し物 Lv3】【堆肥作り Lv0】【ろくろ首 Lv0】【メビウスの壁 Lv0】【整理整頓 Lv0】【捕り手術 Lv3】【奪刀術EX Lv1】


アーツ:【従魔術 使役術に統合】【召喚術(仮免許) 使役術に統合】【杖術(物理) 皆伝】【調薬(邪道) 初級】【錬金術(邪道) 初級】【火魔法(オーク) Lv3】【土魔法(ホビン) Lv3】【水魔法(ホビン) Lv0】【暗器術 初級 Lv2】【聖魔法 初級 Lv1】【死霊術(ネクロマンシー)(聖) Lv1 使役術に統合】【使役術 Lv2】


ユニークスキル:【スキルコレクター Lv7】


称号:『神に見込まれし者』『ホビンの友』『ツリーフェットの友』『霊魂の友』

『泉の精霊に祝福されし者』『泉の精霊の謝罪を受けし者』


従魔:シル(従魔術) マハラ(召喚術)


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《シュウイの従魔一覧》


個体名:シル


種族:ウォーキングフォートレス(幼体)


レベル:種族レベル5


固有スキル:【力場障壁(バリアー) Lv6】



個体名:マハラ


種族:デスヘッド(幼体)


レベル:種族レベル1


スキル:【(ぼう)()

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