第三十四章 トンの町防衛戦 1.「黙示録」参戦
少し短いので、本日はもう一話投稿します。
ログインすると、まず冒険者ギルドの前に向かう。今日はオークキングの討伐戦だ。『異邦人』の参加を制限した割には、結構な数が集まってるな。皆、住民の人たちなんだろうか。
「シュウイ君!」
声をかけられて振り向いた先にいたのは……
「ベルさん!?」
え? オークが相手なのに、女性は拙いんじゃないの? くっ殺じゃないの?
「シュウイ少年が気にしているような事は無いから大丈夫だ」
「このゲームは全年齢対応だよ」
「ケインさん、それに皆さんも。防衛戦に参加されるんですか?」
「あぁ、偶々ここへ向かっていて、イーファンの宿場に着いた時にギルドから要請が届いてね」
攻略トップのケインさんたちが参戦してくれるんなら、僕たちの勝率は跳ね上がるな。あ、でも……
「ベルさんの武器は弓でしたよね? オーク相手に大丈夫ですか? よかったら、これ……」
折角バランド師匠から借り出した毒薬だけど、必要ならベルさんに提供しよう。
「これは……毒ね?」
「えぇ、薬師の人から借りてきました」
「ふふっ、ありがとう。でも、あたしも自前のを持ってるから大丈夫」
あ~……そうか。ベルさんなら毒矢くらい持ってるよね。
「シュウイ少年はクロスボウで毒矢を撃つつもりか?」
「えぇ。できますよね?」
「多分できると思うけど……取り扱いには気をつけるのよ?」
「はい」
積もる話はあるけれど、オークキング討伐戦が終わってからだよね、うん。
「毒って言やぁ、シュウよ、紫斑毒のアレをナニしたのはお前か?」
「あ、そうよ。抑その件でこっちに来ようとしてたのよ」
……積もる話は……いいや。
「ええ、まぁ、ちょっと【調薬】を手に入れて……」
「本当? あたしもβテストの時は錬金術をやってたから、お仲間ね」
え?
「ベルさん、錬金術の心得があるんですか?」
「心得っていうか……まぁ、そうね」
「だったら、後で相談に乗って貰えませんか? ……アレの件も合わせて」
「いいわよ?」
あ、ギルドマスターが出てきた。いよいよ行動開始だろう。話は後回しだね。
・・・・・・・・
ギルドマスターから各人の配置が指示された。ケインさんたちは主力として正面から攻撃するみたいだ。僕は一人だけ別働隊として動くので、一足先に待機場所へ向かっている。
さぁ、戦争だ!
次話は約一時間後に投稿の予定です。