第七話 3
次の日、夕飯をみんなで済ませ、リビングに僕と佐都子と光しかいないのを見計らうと、澪が青い顔をして言った、「リサが捕まった」と。
「はぁ!? リサちゃんが捕まっただって!?」
「なに? なんの話?」
僕は、昨日、澪がリサちゃんが店に来るのを待っていたのに来なかったという話を佐都子にした。
「万引きして捕まったみたい」
「え……」
「昨日、家でお祖母ちゃんに滅茶苦茶しかられたみたい」
「そりゃそうだろう。それで、どうだったの? 今日はリサちゃんは学校に来てたの?」
「うん。だから、昨日、うちに来なかった理由をリサから訊けたの」
「そっか。でも、また、なんでそんなことをしたんだろう?」
「むしゃくしゃしてたと言ってた」
「まぁ、誰しもそんなときはあるけどね。でも、あの大人しい優等生のリサちゃんがそんなことするなんて、びっくりするよ……」
「うん……」
「何を盗んだの?」
「少女漫画の月刊誌」
「えー? 月刊誌って、あのB5くらいある分厚くてでっかいやつ?」
「うん」
「なんでよりによって、そんな目立つようなものをわざわざ盗んだんだろう?」
「分かんないけど、リサはちゃんとお小遣いも私よりいっぱいもらってるし、買おうと思えばいくらでも自分で買えるのに……」
「ほんとにね……、困ったもんだ……・」
「でも、なんだかリサちゃんの気持ちも分かるわ。私もあの家にいたら、万引きしたくなるかもしれないもん。いつも優等生なんかじゃいられないわよ」
それまで黙って僕たちの話を聞いていた佐都子がそう言った。そしたら、澪が「お母ちゃんは逆立ちしたって、優等生になれないよ」と澪が言ったので、僕が笑っていたら、佐都子が僕をジロリと睨み付けた。




