第七話 2
「ただいま~」
「お帰り~。今日もリサちゃんが来るんだろ?」
「うん」
今日は木曜日で、澪が学校から早く帰宅した。
「輝と黎は?」
「缶拾い」
「もう! 一回家に帰ってから行けっていつも言ってるのに……」
「やだ!」
「まだ何も言ってません」
「お父ちゃんが行けばいいじゃん」
「もう知らん。ほっとく」
「学習したね」
「あのなー、仕事をそう簡単にほったらかしにするもんじゃないんだよ。ただでさえ、いつもみんなに迷惑を掛けまくってるのに」
「ああそうですか」
子育ては、時には諦めも肝心である。
「今日のおやつは?」
「スイートポテト」
「やったー」
とまぁ、先週の木曜日と同じ会話を繰り返して、リサちゃんが遊びに来るのを待っていた。澪は、いつもと同じように香苗さんに作ってもらったフライドポテトと僕の作ったスイートポテトと芋ばっかり食べながら、店の隅っこの席を陣取って、先に宿題をしていたのだが、一時間経っても二時間経ってもリサちゃんは現れなかった。痺れを切らした澪はリサちゃんの家に電話していたが、誰も出てこないようだった。待っている間に、外は暗くなって、輝も黎も爾も帰宅した。
「澪、リサちゃん、どうしたんだろうね? なんだか心配だね」
「うん……。何か用事が出来たのかもね。明日、学校で訊いてみる」
それで、その日はみんなで夕飯のすき焼きを食べて、風呂に入って寝た。川原家はいつもと変わらぬ日常だった。ところが、リサちゃんの家、つまり水野家では大変なことが起こっていた。




