第四話 7
次の日は水曜日で、僕は仕事が休みになっていた。僕が休みだったので、光を連れて佐都子と三人で出掛けようと約束をしていた。佐都子と新しく出来たカフェでランチでも食べに出ようかと思っていた。普段、子供に翻弄されまくっている佐都子の気分転換と僕の勉強になればと思っていたからだった。
支度が終わって、いざ出掛けようとすると、突然インターフォンが鳴った。店に僕がいないのに、インターフォンが鳴るということは、大抵従業員が困った事態に陥っているということである。僕はなんだか嫌な予感がした。
「はい、もしかして何かあった?」
「ええ、鈴木のおじいちゃんのヘルパーさんがお店に来てます。なんだかすごく慌ててるみたいです。降りてきてもらえますか?」
「うん、分かった。すぐ降りるよ」
佐都子のほうを見たら、佐都子は肩をすくめて、「行ってらっしゃーい」と残念そうに言っていた。僕は佐都子に「ごめん」と一言言って下に降りた。
ヘルパーさんは僕が下に降りて顔を見せると、ほっとしたのか、泣きそうな顔になった。
「ごめんなさい、急に押しかけてしまって」
「何かあったんですか?」
「あ、あのね、鈴木さんがいないんです!」
「えっ?」
「外を捜したけどどこにもいないし、昨日の夕飯もそのままになってるんです!」
「昨日からいないってことですか?」
「そうだと思います。お布団も冷たかったし……」
「あっ!」
「な、なに?」
「昨日の夜、鈴木のおじいちゃん、うちに来られましたよ!」
「え?」
「それで持ち帰りを買って帰られたんです」
「そうなんですか……」
「とにかく、その辺を捜してみましょう」
その後、僕は佐都子から光を譲り受けて背負い、佐都子も巻き込んで、ヘルパーさんと町内を三人で鈴木のおじいちゃんを探して回った。コンビニにも行ったし、パチンコ屋にも行ったし、八百屋や酒屋やカフェやいろんなところの人に聞いてまわったけれど、全然手掛かりは無かった。鈴木のおじいちゃんには身よりはなかった。彼は天涯孤独だった。僕はヘルパーさんと一緒に行方不明だと警察に届けた。




