第二話 1
商売をやっていると、いろんな客が店にやって来る。うちの店は下町にあって、地下鉄も通っていて駅前にあり、近くに分譲マンションも出来たし、オフィスビルもあるから、本当に千差万別な客がやって来る。一見さんもいれば顔なじみの客もいる。
一日を通してどんな客が来るかと言うと、朝はスーツを来たサラリーマン。それか、朝早くから目が覚めてじっとしていられない一人暮らしの老人。昼前には、両手にスーパーの袋を持った買い物帰りの主婦、昼時はそれこそ銀行やら病院やら薬局やら本屋やら煙草屋やらその辺に勤務している人。昼を過ぎると大学生や留学生やさぼっている営業マンが来て、夕方から夜にかけての混雑している時間帯には、勤め帰りの一人暮らしと思われるサラリーマンやアベックがやって来る。
うちの店は全国チェーンのフランチャイズ店で無農薬野菜を使用しているし、肉だけでなくスープやデザートも一工夫されていたし、それに作り置きじゃなくて、出来立てを提供するのがモットーだったし、とにかく手間暇かけているので、他のハンバーガーチェーンより単価が若干高かった。そのせいか、小中高生は敷居が高いらしく、客層はほとんどが大人だった。




