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東京の空の下で  作者: 早瀬 薫
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最終話 2

 今日は、僕は仕事が休みの日だったが、子供たちは普通に登校する日だったので、みんなでてんやわんやの朝食タイムを終え、小学生たちは学校に向かい、佐都子は爾を保育園に送って行った。僕はといえば、家に光と二人で残り、光をあやして滅茶苦茶笑わせて遊んでいた。仕事が休みの朝は、僕が光と二人きりで過ごせる至福の時だった。でもまぁ、三十分もすれば佐都子は保育園から帰って来るので、すぐに三人になってしまうのだが、僕と佐都子と光と三人でいると、澪が赤ちゃんだったときの新婚時代を思い出して、初々しい気持ちになれるのだった。


 そして、特に用がなければ、僕の休日には三人で洋食店やカフェにランチを食べに行くのが最近では習慣になっている。去年は佐都子が身重でつわりも酷かったし、上の子供たちの子育てをしながら自分の体調にも気を付けなければならず、食べ歩きからは遠ざかっていたから、光も八か月になってしっかりしてきた今、佐都子も三人でランチすることを楽しみにしていた。


 僕のハンバーガーショップは全国チェーンのフランチャイズ店だし、自分でメニューを開発する必要はないのだが、やっぱり僕も佐都子も料理好きの血が騒ぐというか、近場で新規オープンする店には一度は訪れないと気が済まないのである。それで、今日も自宅から電車で三駅のところにオープンした洋食店に食べに来ているのだった。


「ねぇ、一樹ってなんでそんなにハンバーグばっかり食べるの? 外で食べるときくらい他の物でもいいじゃん」

 佐都子は僕が頼んだハンバーグランチのプレートを見ながら言った。


「肉が好きだし、職業柄、やっぱり気になるから。それに店によってソースも違うしね」

「一樹って偉いよね。だって、ファストフードのライバル店が新商品を出したら、絶対食べに行ってるし」

「この間、本社から佐藤君が来てただろ? 十月に商品開発部に異動になったらしくて、いいアイディアがあったら教えてくれって頼まれたんだよ」

「ふーん。それでハンバーグばっかり食べてるんだ……」

「いや、半分冗談。好きだから食べてるんだよ。だって、佐都子が毎日違う料理を作ってくれてるから。だから、外でハンバーグを食べられるんだよ」


 僕がそう言うと佐都子は満面の笑みになった。

 しかし、今日もデザートの皿の上にリンゴが載っていて、光はリンゴを見つけると自分が食べていいと思っているらしく、ぎゃーぎゃー騒いだ。普段、すごく大人しいのに……。僕と佐都子はそんな光を見て、思わず吹き出した。

 ふと隣の席を見ると、僕らより一回り位年上と見られる夫婦がこっちを見てニコニコしていた。やっぱりどんな世代でも、赤ちゃんは可愛らしいと思ってくれるんだなと思って嬉しくなった。


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