閑話 究極のレポートⅡ
やぁ! 俺だ!
究極と書いてアルティメットと呼ぶ、長田究極だ。
いやぁ、ゴブリンの暴動が起こった時はどうなるかと思ったけど、無事に解決する事ができたぜ。半ば強引だったけど……。
力量を示すとかドヤ顔で宣言してしまったけど、拍子抜けしたよね? したよね?
まぁ、別にいいけどね! 俺まだ本気出してねーし! 次の章から本気出すし!! 大体俺は――
えー……そろそろ本題に入ろうかな。
まずは今回出てきた中で重要な登場人物を紹介しよう。
ロイ……ダークエルフ。セリスとシャーナの兄。重度のシスコン。でも妹たちには疎まれている。ザマァ!
セトグール……ゴブリン。俺にムカデを食わせた先王クラムギールの子。他のゴブリンとは違って礼儀正しく丁寧。
リッチ……スケルトン領を収める骸骨の巫女。古代から存在しているらしく、海坊主魔王も認めている。
と、まぁ、こんな感じ。今回は少なかったね。
次は魔王城周辺について、
天にまでそびえる魔王城(そんなデカさが必要なのか疑問だが……)。その周辺は斜面になっていて、城を取り囲むように将軍たちの館が配置されている。さらにその下には城下町の如き魔都【デモナ=カルディア】が広がっている。
ちなみにリリアンナちゃんが魔都を案内してくれるらしいけど、これってデートなのかな? これ、デートって事だよね? ね?
この世界について、
レーミア様に地図を見せてもらったところ、この世界は俺が転生する時に見た大陸群と同じ形をしているようだ。
五芒星を形成する大陸群と三日月形の大陸。それがこの世界の形ってわけだ。
魔族が拠点としているのは五芒大陸群の真ん中にある中央大陸。
ここに魔王城や魔都、種族ごとに割り振られた領がある。
領内は種族によって環境が異なるんだ。俺が今回見てきた例で言うと、
スケルトン領……荒涼とした盆地。そこかしこに枯れ木や廃墟がある。リッチはその中で最も大きい廃城に住んでいる。夏場の肝試しにオススメ。ただし、飯には期待するな。
ダークエルフ領……緑豊かな丘と深い峡谷とで形成されている。丘には風を発生させる風車。谷の岩壁には彼らの住居がある。夏場の涼みたい時にオススメ。ただし、悩殺されるから気をつけろ。
ゴブリン領……見た目火星。赤茶色の土で覆われている。建物も土でできている。夏場、手軽に宇宙旅行の気分を味わえる。ただし、ヤツらムカデを食わせるぞ。
こんな感じ。
交通手段はワイバーン航空が手っ取り早いね。ただし、乗り心地は最悪、かわいいキャビンアテンダントさんもおらん。
あと何かあるかな……あ! そうだ! 気になるキーワードを紹介しておこう。
それは【巨人の指輪】についてだ。
この指輪はなんと、大陸間転移装置なのだ!!
エ〇タープラ〇ズ号にも負けないぜ!
一見便利そうだが、実際魔族たちが人間と争っているのはこの指輪が原因らしい。
指輪は中央大陸に4つ。人間が支配する四大陸に1つずつ設置してあり、中央大陸の物とそれぞれ繋がっているんだ。古代からあるものらしく、破壊する事も移動させる事もできない。
魔族たちはこの指輪が人間に見つからないよう、それぞれの大陸に砦を築いている。つまり、魔族側は防衛、人間側は侵略という図式らしい。
本当かどうかは今後調べるとして、魔族側にはしばらくの間、目だった工作活動を行わない事にした。
よし、今回はこれで終わり!
じゃあな、お互いコツコツと頑張ろうぜ。




