閑話 究極のレポートⅠ
これは読み飛ばしてもらっても構いません。
よっ! 俺だ!
究極と書いてアルティメットと呼ぶ、長田究極だ。
今、俺は邪神ンパ様によって異世界に転生させられたんだ。目的は異世界の情報収集と侵略足掛かりとして、工作活動を行う事。
俺は魔人として転生し、アーティだとかダーディだとか呼ばれ、魔王軍北方四将軍レーミア様の部下になった。
これから俺の活動が本格的になって行くってわけだが、俺1人で異世界を混乱させるってのは非常に困難な任務だ。
てな訳で、ここまで集めた情報を整理してみようと思うわ。
まずはそうだなぁ……これまでに出会った中で、重要なヤツらを振り返ってみるか。
ンパ様……俺を魔人転生させた邪神様。強い、怖い、触手。異世界を侵略しようとしている。
クラムギール……ゴブリン王。何者かの命令で動いていたらしい。尤者に殺された。ムカデ好きのアホ。
尤者……人間、だと思う。ゴブリン王を町ごと消滅させた。借りは返すつもりだぜ。
セリスとシャーナ……ダークエルフの姉妹。エロいボディ。
レーミア様……北方四将軍。美女、だけどドS。戦血姫っていう種族らしい。
リリアンナ……レーミア様の使用魔。種族はサキュバス。もう、存在がエロス。
トゥーレ……北方四将軍。種族はオーガ。めちゃくちゃデカい。
トビアス……魔王補佐役。中年の男。正直弱そう。
ビゾルテ……魔王。子供思いの良き父親、だけど海坊主。ダリのような髭が特徴。
うん。こんなモノかな?
次は勢力についてだ。
この世界では、どうやら人間と魔族が争っているようだ。
どっちが優勢なのかは不明。それは今後調べる。
人間側には"伐士"という戦闘集団がいるようだ。聞いた限りでは"奴ウ力"という特別な力を行使する。
そして尤者だ。コイツはヤバい。俺もヤツの力を目のあたりにした。魔王ですら、コイツに勝てるかどうかわからないらしい。伐士と同じく奴ウ力を使う。
後は、そうだな。ヲイド教なる宗教が存在するらしい。
魔族側については、魔王を頂点として、その下に将軍たちがいる。
"北方"四将軍と付いているのだから、西、東、南の将軍もいるのかも……?
彼ら魔族は魔鬼理という特別な力を使う。
魔鬼理は種族によって種類が違うようだ。
魔族には高魔族と低魔族という分け方があるらしい。
高魔の者は低魔を低く見ている。つまり彼らには隔たりがあるって訳だな。
あと、ハグレ魔族という集団がいる。彼らは魔王の実力主義についていけず、【静寂の森】に隠れ住んでいるらしい。
おっと、そうだ!
俺の力についても確認しとこう。
まずは魔人という種族について。
魔人は肩甲骨のあたりから生えてくる魔手羅という第2の腕を行使する。
そして、魔人は魔鬼理と奴ウ力の両方を使えるようだ。まぁ、あくまで俺に限った話だけどね。
魔人の存在は、ごく一部の者たちしか知らない。
そのごく一部の魔族たちは魔人を特別扱いしているらしい。
魔人についてはこんなモノかな。
じゃあ次はンパ様にもらった魔鬼理について、
現数力……物事を数値化できる。ステータスのような画面も展開できて、相手の力量を測れる。
肉体学習……俺に対して行使された力を学習できる。でも痛い思いをするのは勘弁して欲しい。
レベル奪取……相手のレベルとステータスを奪う事ができる。行使できる条件は相手に敗北を意識させる事。死を意識させた敗北が一番効果を発揮する。また、効果は弱いがギャンブルや遊びでもいいらしい。
俺はジャンケンが手軽で効率がいいと考えている。ただし、この世界にジャンケンみたいなモノがあるかは知らん。
まぁ、こんなモノかな。
今後の俺の活動予定としては、高魔と低魔の格差、そしてハグレ魔族という存在を何とか利用しようと思う。
つまり、彼らに反乱を起こさせて、状況をかき乱す。
だけど、これは人間と魔族、どちらが優勢かを調べてからだ。
俺としては、この人魔の争いがどろ沼になってもらった方いいのだ。どちらか一方に勝ってもらっては困る。
人間が優勢なら、魔族に手を貸し、その逆なら人間に手を貸す。
そして、争いを長引かせ、世の秩序を乱す。
そうすれば、ンパ様がこの異世界に君臨する隙が生まれるって訳よ。
今回はここまでかな。
じゃ、またな! お互い頑張ろうぜ!




