第67話 施設攻防戦、対決
「ジークフリード型A級。武装はロングソード、左腕に凧型盾!」
目視で確認できた情報を、御堂が声に出す。本来ならばSユニットの入鹿の役目だが、既にクセとして身についてしまっていた。
今の御堂には、赤塵の丘で襲撃を受けた際にA級ペルセウスに感じたような恐怖心はなかった。あの、A級ペルセウスに勝てた自信……そして。
A級ジークフリードが、右腕で剣を高々と振り上げた。次の瞬間、GV3Xの脳天目掛けて振り下ろす。
GV3Xが、一歩分後退してロングソードの間合いを外す。打刀の柄を握る右手を左に捻り剣の棟部分で、振り下ろされるロングソードを弾いた。
弾かれた方向に前のめりになりがらも、A級ジークフリードは左腕の凧型盾を突き出してGV3Xの視界を遮ぎる。
「ウザいんだよ!」
御堂は絶叫しながら、右肩部装甲をA級ジークフリードへぶつける。凧型盾を押し退けて鍔迫り合いに持ち込むつもりだったが、A級ジークフリードも凧型盾でGV3Xの頭部を殴りつけてきた。
グアァァ……ン。
頭部左側から痛烈な衝撃。重い振動が機体を震わせ、正面モニターの映像もブレ修正の範囲を超えたために揺らいだ。機体がバランスを失うかと思われたが、腰を深めに落とすだけで支えきった。
「てめぇーー、女の顔を殴りやがって!」
フル出力に近い勢いで、御堂はGV3Xを立ち上がらせた。光廃熱機構により、余剰熱が光粒子に変換されて機体から放出される。
モニターの中央に映る、敵ジークフリードの機体からも光粒子は流れ出ている。
「ちぃ!」
自機が放出した光粒子のせいで、モニター映像の中の敵ジークフリードが確認しづらい。心無しか、敵機の方が放出してる光粒子が少ない気がする。
「玲、質問!」
「何ですか?」
「ナーガオウ州軍のA級ジークフリード、吐き出してる光粒子少なくない? あっちの方が視界が良さそうなんだけど」
やっぱりA級の方が高品質なのか……と、少し羨む御堂。
「光粒子が少ないのは廃熱の変換がしきれてないからですよ。寄せ集めの集団らしいから、整備が不十分なのでしょう。光廃熱機構だけでも30パーセントくらい効率は下がってますね」
「へえ、そうなんだ」
なんだ、それなら自分の方が有利じゃん……御堂は余裕を取り戻した。
「GV3Xの各アクチュエーターの出力は、高めにしてあります。多少視界は悪くとも、その方が貴女の好みでしょう」
「わかってるじゃん!」
GV3Xが打刀を握り直す。そして、右脚を引く。打刀の剣先を右脇から後方へ回しながら、敵A級ジークフリードを見据えた。




