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赤塵のサンダーバード -機兵戦記-  作者: 星羽昴
第四章

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第58話 御堂の潔白

 戦艦『朱雀』居住区に設けられた司令官室。部屋の主である月夜見つくよみ司令が不在で、秘書官の相楽さがら刀自古とじこ行政官が使っている。

 部屋の中央に小さなテーブルを挟んで、椅子が4脚ある。テーブルには、刀自古が煎れた紅茶が出されていた。


「何か御用でしょうか?」


 御堂は、入鹿から「相楽行政官の呼び出しです」と言われて来た。思い返してみると、入鹿の方から御堂に声をかけてきたのは久しぶりだった。3軍合同演習のフラッグ戦以来のような気がする。

 御堂が何となく不機嫌らしいのに気付いたが、刀自古は本題に入る。



「3軍合同演習での襲撃事件に関して確定したことがあります。新型機(GS4)の強奪を目的としたものでした」


 3軍合同演習での襲撃事件。ルージュピーク演習場に派遣されていたイルドラ軍ラング隊は、第2戦団にその場で制圧された。

 捕囚されたイルドラ兵への尋問から、その輪郭が判明した。


「フラッグ戦の最中に、新型機(GS4)を強奪して事件そのものを隠蔽する計画です。成功していたら『重甲機兵1機が忽然こつぜんと消失』したミステリー事件とされたことでしょう」


「事件を隠蔽って……無理でしょう、そんなの」


「あら、都合よく記憶喪失かしら?」


 嫌味を言ってから刀自古はタブレットを操作して、音声データを再生させる。

『……合同演習を無事に終わらせたかったんです。……この件は不問にできると思いました』

 御堂にとって「世界で一番いやらしく聞こえる」自分自身の声……襲撃事件直後の尋問室での証言だった。


「事なかれ主義に徹すれば、どんな重大で凶悪な事件でも隠蔽できます。現に、貴女もそうしようとしたんですよ?」


 御堂は肩をすくめ……仕方なく、頷いて見せる。


「イルドラ軍にも懸念がありました。貴女が強すぎたんです」


 褒められた気もするが、単なる嫌味かも知れないので沈黙した。


脚本シナリオを修正したそうです。攻撃役アタッカー同士交戦に入ったら、イルドラ側のパイロットは病気を装って機体から離れる。お人好しな御堂准尉なら気遣って機体を離れるだろうから、そこを襲って殺害あるいは確保。後は無人となった新型機(GS4)を回収する、と」


お人好し……カチンときて、口の中で繰り返してしまう。


「フラッグ戦の前日。一樹教官が、イルドラ兵を『朱雀』に招き入れ、貴女に紹介したのも計画の一部でした」


「じゃあ、一樹教官はやっぱり……」


「貴女の嫌疑を否定できる根拠はいくつか得られてます。逆に、イルドラ軍にも『御堂准尉の馬鹿』は知られていたのでしょう」


 最後の一言は、刀自古の意見論評である。

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