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赤塵のサンダーバード -機兵戦記-  作者: 星羽昴
第四章

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第52話 複座型機体

 GV3X(サンダーバード)機は、B級を鹵獲ろかくした手柄を携えて、ルージュピーク演習場に停留する戦艦『朱雀』に戻った。


「うわー、やっと身体を伸ばせる!」


 GS4のコクピットは単座式だったが、GV3X(サンダーバード)は複座式である。コクピットは2層式になっており、機体の運動を制御する『(コントロール)ユニット』とハードウェアを制御すると共に作戦行動の指揮を取る『(スーパーバイザー)ユニット』に別れている。

 当然ながら御堂が入るCユニットの操縦席も、GS4のそれより狭い。


「慣れておいた方がいいぞ。A級の操縦は、このタイプだからな」


 ベテランの興田おきた浩二郎こうじろう主任が、ウンザリ顔の御堂に釘を刺した。


「えー? B級なのに、A級と同じシステムなんですか」


 整備班でも新米に近い山根エリカが質問する。


「GV3型は、まだA級機体の数があった頃に実戦投入されたんだ。非常時はA級に部品を提供できるように、共通の機構と部品で組み上がってるんだよ」


「へえ。それじゃ、実はスゴいんじゃないですか?」


「量産性に特化させたGV4型に比べれば、性能は絶対に上だよ。GS4だってGV4ベースの機体だったからな。GV3ベースのコイツと比べちゃ酷ってもんだ」


 A級機体が多数失われて、戦闘の主力がB級機体へ移り変わった。質から量への戦術に対応するため、量産性に特化していくつかの機能が切り捨てられた。要求される工作精度も下がったためにカタログスペックに現れない機能低下もある。

 ベテランの興田主任は、古い友人と再会したような目をGV3X(サンダーバード)に向けた。


「ねえ、主任。GV3X(サンダーバード)って13番機の実験機だって、玲が言ってたんだけど……13番機って知ってます?」


「13番機って、聞いたことあるなあ。何だっけ?」


 御堂の質問に、山根エリカも乗ってきた。


「そう言えば坊ちゃんはどこだ? Sユニットに居たんだろう」


「うん……ちょっとね」


 興田主任は御堂を「嬢ちゃん」、入鹿を「坊ちゃん」と呼んでいる。その手のウンチクなら入鹿が詳しいはずだと話を向けたが、御堂は口ごもった。


「さっき、向こうに行きましたよ。サクヤの方をチラッとも見ないで。ああ! もしかして痴話ゲンカ?」


 御堂は、バツが悪そうに眼を伏せた。その反応は「エリカの指摘が図星だった」ことを物語るのだが、かなり深刻な状況を予感させる。

 図星を指したエリカ自身が「しまった!」と後悔を感じてしまう程に。


「それなら、仲直りが最優先だぞ。嬢ちゃん」


 エリカも、入鹿が向かったであろう方向を小さく指さした。


「複座型は、CユニットとSユニットの信頼と連携が一番大事だからな」

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