表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
赤塵のサンダーバード -機兵戦記-  作者: 星羽昴
第四章

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

51/58

第51話 型式名GV3X式

 ナーガオウ州軍ルージュピーク演習場。数ヶ月前に3軍合同演習による平和的行事(イベント)の場所は、今は本物の戦場になっていた。



 ナーガオウ州軍に所属したB級ジークフリードは、凧型盾カイトシールドに機体を隠しながら十字型のロングソードを握り直した。

 正面で対峙するのは、帝国近衛軍のB級ジークフリードである。

 肩部装甲が張り出した逆三角形のシルエットは確かにジークフリード型重甲機兵のはずだが、初めて見る型式だった。少し前に発表されたGS4とも違う。

『型式名GV3X式』

 管制AIがデータベースを検索した結果、およそ50年前に組み上げられた実験用の機体だと記録されていた。

 こんな骨董品が、何で……?

 ナーガオウ州軍機のパイロットは、疑問に感じていた。



 アンバーホワイトの胸部装甲には、第2戦団の戦団章が描かれている。ジークフリード型B級重甲機兵GV3X型式。通称、雷鳥サンダーバード


「ナーガオウ州軍B級ジークフリード、武装はロングソードと凧型楯カイとシールド!」


 目視された状況を、声で記録させる御堂。


「降伏の意思はないようです。撃破して下さい」


 入鹿の指示で、御堂はGV3X(サンダーバード)機に打刀を抜かせた。

 GV3X(サンダーバード)機の機体から光粒子が流れ出す。機体に発生する熱を光に変換して放出しているのだ。この光廃熱機構により、素体の熱膨張による物理的抵抗と電導効率低下が大きく抑制される。



 ナーガオウ州軍機は、眼前のGV3X(サンダーバード)機が剣を抜くのを見るや、一機に距離を詰めてきた。左腕に装着した凧型楯カイとシールドGV3X(サンダーバード)機に叩き付けようとする。

 GV3X(サンダーバード)機の腰部と脚部の推進機関スラスターが点火、即座に一歩踏み込んだ。一歩早く踏み込まれたことで、逆にナーガオウ州軍機の凧型楯カイとシールドは呆気なく空振りしてしまった。

(スゴい即応性レスポンス!)

 苦し紛れに突き出したロングソードも、GV3X(サンダーバード)機は打刀の柄部で軽く受け流してしまう。慌てて距離を取ろうとするナーガオウ州軍機が背面の主推進機関(バーニア)を点火した。


「遅いんだよ!」


 御堂の絶叫のような声がコクピットに響く。刹那、GV3X(サンダーバード)機の右手が光粒子を撒きながら片手突きで、後退しようとするナーガオウ州軍機の喉元へ打刀を突き刺した。

 重甲機兵の感覚センサー機構の情報伝達は、この喉元部分に集中する。この部位が断線してしまうと機体の80パーセントのセンサーが機能しなくなる。

 バランサーの中枢機構がある腰部と共に、重甲機兵の急所の一つだった。



 ナーガオウ州軍機は膝をつき、投降を示す信号弾を打ち上げた。

 GV3X(サンダーバード)機の後方にいた近衛軍のB級GV4(ジークフリード)が進み出て、パイロットの投降を受け入れる処置に入った。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ