表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
赤塵のサンダーバード -機兵戦記-  作者: 星羽昴
第二章

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

45/49

第45話 無能な味方?

 翌日、再び尋問室で御堂は刀自古とじこ行政官と向かい合っていた。


「あたしは、入鹿准尉との面会を希望したはずです」


「貴女の身柄は、安全保障局の監視下にあります。面会の許可・不許可も安全保障局が判断します」


 個室病室に軟禁された御堂は、クリステア軍医を通して「入鹿准尉と話をしたい」との要望を伝えてもらった。呼び出しに応じた時には、入鹿との面会のつもりで尋問室へ来たのである。


「じゃあ、許可して下さい」


「不許可です」


「どうして?」


「貴女の容疑は、入鹿准尉の暗殺未遂です。会わせられると思いますか?」



 数分の沈黙。先に口を開いたの刀自古だった。


「御堂咲耶。座間ざま領の生まれで6歳上の姉が一人。領国の公立学校の教員を務めてらっしゃるのね。ご両親も健在で、お父上は公務員」


「あたしの家族を調べたんですか?」


「全ての近衛軍兵士の身元調査は、安全保障局が行ってます。知っているのは当然です」


「……」


座間ざま領は、首都である不死鳥(きょう)から東方ね」


 御堂は小さく頷いた。赤椿の変で帝を誅殺した反帝派は、主に西方の外国勢力を呼び込んだ。東方にあった座間ざま領は、混乱期にあっても外国勢力の侵食を受けずに比較的平穏だった。


新型機(GS4)のパイロットに抜擢されてから、出撃の度に襲撃を受けて、その都度に致命的な判断ミスがありました。内通を疑われるのは当然ではありませんか?」


「あたしは帝国を裏切るようなことはしてません」


「それなら、同じミスを繰り返す無能者と言うことになります」


「あたしは、馬鹿かも知れないけど……故国を裏切る卑怯者じゃありません!」


「前時代から言われていますよね。『真に怖れるべきは優秀な敵ではない。無能な味方である』と」


 御堂は反論できずに、肩をすくめて口ごもる。眸を伏せて唇を噛む御堂を、刀自古は冷ややかに見つめていたが、小さくため息をつく。


「馬鹿でも鋏でも構いませんが、使われ方くらい気にしなさい。これ以上の不始末は、月夜見つくよみ様でも庇いきれませんよ」


「え?」



 刀自古とじこは、そそくさと立ち上がった。それから警備兵に、御堂を病室へ戻すよう指示を出して足早に部屋を出ようとする。


「待って下さい! あたし、いつまで閉じ込められてるんですか?」


 尋問室から身体半分くらい既に出ていた刀自古とじこは、面倒くさそうに振り返った。


「入鹿准尉暗殺の容疑がはれるまです。逆に有罪が確定しても、処刑のために出して差し上げます」


「やってません!」


「じゃあ、頭を冷やしておきなさい」



-第二章 終わり-

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ