表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
赤塵のサンダーバード -機兵戦記-  作者: 星羽昴
第二章

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

36/49

第36話 フラッグ戦、始まる

 12キロメートル四方の疑似戦場は、ほぼ同面積に三等分されて3軍それぞれの領域エリアとして割り当てられている。その自軍陣地(エリア)内にフラッグを隠して、それを奪い合う。3軍が牽制し合いながら戦い、勝者を競う。

 この催事イベントは、報道機関を通して各国へ公開されることになっている。


 午前11時45分頃。

 御堂と入鹿は、機体をフラッグ戦の陣地エリアに移動させた。演習場の砂の下には前時代の都市の瓦礫や残骸が埋まっている。砂に埋もれきらず鉄骨や崩壊した建造物が突き出した場所も多い。

 2人は、自軍の陣地エリア内で見晴らしが良くかつ戦闘時の足場の良い場所にフラッグを立ててを待機する。

 陣地エリア内では最も高地であり遮蔽物もない地点なので、他の2軍から直ぐに把握されるだろう。


「戦闘開始は13時だっけ? かなり時間余っちゃったね」


「瓦礫どころか地下構造物もありますからね。本気で隠れるつもりなら時間は足りないしょう」


 天候は、風が強いが日差しもきつい。入鹿機(GV4)を四つん這い姿勢にして日陰を作り、御堂機(GS4)が風除けとなる。

 そうして作った地表の一角で、2人は身体を伸ばしていた。



 昨夜。イルドラ兵を見送った後で、一樹教官はイルドラ軍と内通している嫌疑で身柄を拘束された。首都である不死鳥(きょう)の安全保障局本部へ身柄を送致されることになっている。


「この合同演習を無事に終わらせて、絶対に一樹教官の嫌疑を晴すわよ!」


「もう有罪は確定してますよ」


「何で? 中央デッキには呼び込んでしまったけど、GS4(サンダーバード)は見られてないわ」


「第2戦団は機体のパイロットを非公開にしていたはずです。でも一樹教官は、イルドラ兵に貴女と僕を紹介しました。機密漏洩は確定してます」


 そう言われて御堂は、御堂機(GS4)入鹿機(GV4)のパイロットが『非公開』となっているのを思い出した。


「でも、他の2軍は公表してる情報でしょう。問題ないわよ」


「第2戦団が非公開にした理由があるはずですよ」


「かも知れないけど……問題ないはずよ」


 そのまま入鹿は返事をしなくなる。言葉に詰まる……ではなく、話すことを無駄と判断したようだ。それは御堂にも伝わる。

 正直に言えば……あの3人のイルドラ兵は好意的な交流を期待して『朱雀』に来たのではない……それは御堂にもわかっている。友好関係を築くつもりなら、戦団章を踏みつけるようなことはできないだろう。


「でもさ。どちらかが、先に胸襟きょうきんを開かないと友好関係は始まらないよ」


 一樹教官は、それを実行したに違いない……御堂はそう思いたかった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ