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赤塵のサンダーバード -機兵戦記-  作者: 星羽昴
第七章

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152/159

第152話 三度、白い天井

 既に戦局は決まった。第2戦団は、1機も損傷させることなく、第3戦団の19機を撃破した。その中にはA級機体3機を含む。更にナーガオウ州軍のラレイン型を含む4機も撃破している。圧倒的な勝利である。



 14:50

 機体回収の空中移送機エアブースターが到着した。

 これでGV3X(サンダーバード)を帰艦させ、15:20頃の最後の移送で2番機と11番機が撤退すればこの戦闘は終了する。


「嫌です。最後まで残ります!」


 例の如く、御堂は根拠もなく駄々をこねる。


「あのぅ、GV3X(サンダーバード)が残っても戦術的に意味がないですよぉ」


 青柳も御堂の説得に回る。しかし。


「戦術も戦略もどうでもいいの! 自分が関わった戦場なのよ、せめて最後まで付き合いたいの!」


 ほんの一瞬、11番機が小さく震えるのを月夜見は感じた。


「射流鹿、待て……」


 だが、月夜見の静止は間に合わなかった。



 ドォーーーーン

 爆音が響き、僅かに遅れてGV3X(サンダーバード)の背中から火柱が上がる。そして、10メートル近い距離を吹き飛んだ。

 GV3X(サンダーバード)は、バックパックをロケット砲で近距離から狙撃されたのだ。撃ったのは11番機である。


「これでGV3X(サンダーバード)は戦闘不能です。回収して下さい」


 バックパックは、ロケット弾の炸裂で完全に破壊されている。パイロットも意識を失い、機体は突っ伏したまま動かない。

 御堂の意識はここで途切れてしまい、次に意識を戻すのは前哨基地へ戻ってからだった。



 前哨基地の個室病棟。その白い天井を見ながら、御堂はボォとしていた。


「何度目なのよ。この展開……」


 州議事堂包囲戦が、最終的にどう言う決着をつけたか御堂は知らされていない。

 戦艦『朱雀』と『胡蝶』は、まだ前哨基地には戻っていない。御堂と青柳の二人だけが、意識不明状態で前哨基地に軍用ヘリで移送されたと言う。


「最初は、事情聴取。二度目は、安全保障局に監禁。3度目の今回は命令違反の処分待ちかぁ」


 しかし、考えてしまう。あの戦いで、自分は投降させた機体も含めれば9機を撃破してる。それでも処分されなければならないのだろうか?


(ああ、一樹教官が言ってたっけ)


 結果オーライで、今回のような命令違反や判断ミスを容認してしまったら、軍としての規律や統制が取れなくなってしまうだろう?


(そっか。結果で過程を正当化しちゃいけないんだ)


 手柄のために勝手な判断をしたり、命令違反したり……法律や規則を無視して暴力に訴える者も出るよ。


(それが第3戦団だよね)


 結果がどうであれ、不正や違反があれば、それを処分できないと組織はダメになっちゃうんだ。


(あたし、また同じ失敗繰り返したんだ)

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