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赤塵のサンダーバード -機兵戦記-  作者: 星羽昴
第七章

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第139話 乱戦・射流鹿機

 州議事堂敷地に立つ第2戦団のB級、その脚下あしもとに閃光が走った。

 粒子ビームによる狙撃である。レーザーやビームは、重甲機兵には効果は薄いため、 それ自体は脅威ではない。しかし、どこから狙撃されたのが特定できないない。


「10時の方向、上空だ!」


 月夜見の直感で割り出した方角の画像をAI解析にかける。


「ラレイン型のA級だ!」



 ラレイン型A級重甲機兵。宇宙コロニーを生活圏とする勢力が開発したもので、人型形態から飛行形態に変型できる可変型重甲機兵である。

 野球のホームベースのような五角形の飛行形態は、音速は出ないまでも高い機動性を有する。飛行したまま粒子ビーム砲を撃てるため、重甲機兵を運ぶ空中移送機エアブースターにとっては天敵と言えた。



 飛行形態のラレインは、GV3X(サンダーバード)に向かって真っ直ぐに突っ込んできた。


「わぁ!」


 慌てて腰を沈めてギリギリで躱す……追いかけるように剣を振るっても間に合わない。


「何なのよ、あれ?」


「宇宙圏で開発されたラレイン型重甲機兵ですぅ」


「ラレイン?」


 再びラレインは、飛行形態でGV3X(サンダーバード)に迫る!

(ギリギリまで引きつけてやる!)

 しかし、引きつけたつもりでも回避しながらの斬撃は、高速移動してるラレインには届かない。そうしているうちに、幹線道路にはナーガオウ州軍の軍用輸送車両(クローラー)が更に2両到着した。



 11番機のバックパックから信号弾が上がり、2機のB級機体に新たな指示が飛ぶ。再び「2番機の援護に回れ」の指示だった。


「仕方ない。僕がGV3X(サンダーバード)を支援します」


 上空から飛行形態で迫るラレインに気を取られていた御堂に、11番機からの接触通信が入った。いつの間にか11番機は、GV3X(サンダーバード)の後ろに立っている。


「ラレインは僕が落とします。貴女はGV4に集中して下さい」


 それだけを伝えると、11番機はラレインの方へ歩を進める。

(日嗣皇子《《も》》「ぼくちゃん」なの?)

 一人称が「僕」であった同期生のことが脳裏を過るが、今は考えるのを止めた。御堂は、背中を11番機に預けてナーガオウ州軍のGV4と向かい合う。その後方には今到着した2機のGV4も見えた。



「あと15分程度で、回収用の空中移送機エアブースターが到着する。その前に、沈められるか?」


「大丈夫でしょう」


 11番機を認識したラレインは、粒子ビーム砲を連射しつつ一直線に突っ込んでくる。射流鹿は、ロケット砲のカートリッジを凧型盾カイトシールドから排出してそのまま動かない。

 ラレインが迫る!

 11番機は動かない。

 我慢しきれずに、先に軌道を逸らしたのはラレインだった。だが、ラレインの逃げた方向に11番機が飛翔した。

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