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赤塵のサンダーバード -機兵戦記-  作者: 星羽昴
第七章

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125/158

第125話 六つ目、頂きます!

 第3戦団のGV3は、GV3X(サンダーバード)の横薙ぎの一閃に腹部を抉られ背骨に当たる骨格フレーム部まで砕かれていた。ZCF(ズィーフ)機構が緊急停止され、両の膝を幹線道路のアスファルトの上について動かなくなる。

 ……カン……カン

 強制冷却による金属音も、やがて聞こえなくなる。



 複座型機体が分隊の指揮権を有する原則に沿えば、今倒したGV3が指揮官機だったはずだ。

(指揮官機を失って、どうする?)

 残った2機のGV4は、武装を剣に持ち替えてGV3X(サンダーバード)を前後から挟撃する位置へ移動しようとする。

(前と後、どっちが近い?)


「11時方向、30メートル。4時方向、50メートル」


 御堂の脳裏を読み取ったように青柳が、両機との距離を知らせた。


「11時方向、突っ込みます!」


 再び、GV3X(サンダーバード)の脚部と腰の推進機関スラスター、そしてバックパックの主推進機関(バーニア)が発光する。

 打刀を構える直前だったGV4は、GV3X(サンダーバード)の体当たりを正面から浴びてしまう。機体が数メートル浮き上がり、背中から仰向け姿勢で倒れ込んだ。

 GV3X(サンダーバード)が両手て持っていた打刀を、右の逆手に持ち替える。仰向けに倒れ込むGV4の喉元に、その剣先が突き立てられた。

 喉元部分には重甲機兵のセンサー系回路が集中する。人で言うなら目と耳を失わせたに等しい。

(さあ、どうする?)

 胸部装甲が開いて、コクピットからパイロットが降りてきた。小さく安堵のため息をつき、御堂はGV3X(サンダーバード)の右拳で無人のコクピットを押しつぶした。


「5つ!」



 GV4の喉元に突き刺した打刀を引き抜き、残るもう一機に向けて切っ先を向ける。

 3機1分隊のうち、指揮官機を含めて2機を撃破した。降伏すべきタイミングを示唆したつもりだったが、切っ先を向けられたGV4は、それを挑発と受け取ったようだ。

 GV4の背面が発光、バックパックの主推進機関(バーニア)全開で迫って来る。

 直前に倒した機体は、幹線道路に横たわっている。それを飛び越えるために、数メートルのジャンプと共に真上から剣を振り下ろしてきた。

 敵機の剣を、GV3X(サンダーバード)の剣が顔面部の前で受け止める。刃の衝突に火花が飛び散る。

 脚部と腰部の推進機関スラスターで機体を浮かしながら、押されるままに後退しながら、背面の主推進機関(バーニア)を少しづつ出力を上げる。そうして敵機の突進を吸収しつつ相殺した。

(凄い!)

 力任せの突進を受け止めながら、Cユニットのコンソールには過負荷の警告が出ない。青柳のハードウェア制御が如何に巧みなものか御堂にもわかる。


「六つ目、頂きます!」

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