第125話 六つ目、頂きます!
第3戦団のGV3は、GV3Xの横薙ぎの一閃に腹部を抉られ背骨に当たる骨格部まで砕かれていた。ZCF機構が緊急停止され、両の膝を幹線道路のアスファルトの上について動かなくなる。
……カン……カン
強制冷却による金属音も、やがて聞こえなくなる。
複座型機体が分隊の指揮権を有する原則に沿えば、今倒したGV3が指揮官機だったはずだ。
(指揮官機を失って、どうする?)
残った2機のGV4は、武装を剣に持ち替えてGV3Xを前後から挟撃する位置へ移動しようとする。
(前と後、どっちが近い?)
「11時方向、30メートル。4時方向、50メートル」
御堂の脳裏を読み取ったように青柳が、両機との距離を知らせた。
「11時方向、突っ込みます!」
再び、GV3Xの脚部と腰の推進機関、そしてバックパックの主推進機関が発光する。
打刀を構える直前だったGV4は、GV3Xの体当たりを正面から浴びてしまう。機体が数メートル浮き上がり、背中から仰向け姿勢で倒れ込んだ。
GV3Xが両手て持っていた打刀を、右の逆手に持ち替える。仰向けに倒れ込むGV4の喉元に、その剣先が突き立てられた。
喉元部分には重甲機兵のセンサー系回路が集中する。人で言うなら目と耳を失わせたに等しい。
(さあ、どうする?)
胸部装甲が開いて、コクピットからパイロットが降りてきた。小さく安堵のため息をつき、御堂はGV3Xの右拳で無人のコクピットを押しつぶした。
「5つ!」
GV4の喉元に突き刺した打刀を引き抜き、残るもう一機に向けて切っ先を向ける。
3機1分隊のうち、指揮官機を含めて2機を撃破した。降伏すべきタイミングを示唆したつもりだったが、切っ先を向けられたGV4は、それを挑発と受け取ったようだ。
GV4の背面が発光、バックパックの主推進機関全開で迫って来る。
直前に倒した機体は、幹線道路に横たわっている。それを飛び越えるために、数メートルのジャンプと共に真上から剣を振り下ろしてきた。
敵機の剣を、GV3Xの剣が顔面部の前で受け止める。刃の衝突に火花が飛び散る。
脚部と腰部の推進機関で機体を浮かしながら、押されるままに後退しながら、背面の主推進機関を少しづつ出力を上げる。そうして敵機の突進を吸収しつつ相殺した。
(凄い!)
力任せの突進を受け止めながら、Cユニットのコンソールには過負荷の警告が出ない。青柳のハードウェア制御が如何に巧みなものか御堂にもわかる。
「六つ目、頂きます!」




