第124話 これで、四つ!
第2戦団は、第三陣までの6機の重甲機兵を州議事堂へ集結させていた。更に、間もなく第四陣で2機の機体も到着する。
12:25。
第3戦団南部方面軍の空中移送機が州都の上空へ侵入する。ガルーダ部隊のように、ロケット砲で狙撃されるのを警戒して6000メートル離れた地点に着陸した。地上に降りた重甲機兵は、州都の幹線道路を使って州議事堂へ移動を開始した。
第3戦団の空中移送機を察知した月夜見は、11番機のバックパックから「戦闘モードへの移行」を指示する信号弾を打ち上げた。
「GV3X、戦闘モードへ移行します」
信号弾に応じて青柳の声がCユニットに届く。Cユニットの照明が明るくなり、重く低い駆動音が甲高いジェット音へ変わる。
「南部方面軍第二陣の重甲機兵は6機です。複座型GV3型が2機、単座型GV4型が4機と思われます。GV3XはGV3型機体を優先的に対処して下さい」
「了解!」
青柳の指示に応じる御堂。多分、この声も青柳には届いていないだろと思いながら。
州議事堂の西側幹線道に3機の重甲機兵が姿を見せた。同じタイミングで東側幹線道路にも3機の重甲機兵が現れていたが、御堂は眼前の3機しか意識しなかった。
3機の敵機は、GV3型機の後衛に2機のGV4がライフル型の粒子ビーム砲を装備していた。後衛のGV4が粒子ビーム砲を乱射して、前衛のGV3が剣で打ち込んでくるつもりだろう。
(また、第一陣の連中と同じ戦い方する気?)
州都の市民を盾にして戦ってる張本人は、第3戦団じゃないか?
そう感じながら、御堂はGV3Xに腰の打刀を抜かせた。
GV3との間合いを計りながら、GV3Xは3歩ほど前進する。後衛のGV4による粒子ビームの乱射が始まるが、御堂はそれを無視した。
(一分一秒でも早く、敵機を葬る!)
右足を引き、両手を添えた打刀を脇から後方へ引いて水平に構える。
後衛のGV4が粒子ビーム砲を乱射するが、GV3XはGV3に集中して動かなくなる。GV3Xを外したビームがオフィス街の高層ビルを直撃していた。
『GV3Xが、市民に配慮しない!』
そう判断したGV3が、後衛の機体に対して作戦変更の指示を出す素振りを見せる。
(貰った!!)
GV3Xの脚部と腰の推進機関、そしてバックパックの主推進機関が発光して、GV3との距離を一気に詰めた。
刹那の隙をつき、GV3を間合いに捉える。同時に主推進機関を停止、左脚を腰部の旋回に合わせて大きく踏み出した。打刀の切っ先が横一文字に、GV3を斬り裂いた。
「これで、四つ!」




