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赤塵のサンダーバード -機兵戦記-  作者: 星羽昴
第七章

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第123話 孤独感

 A級0066機(ジークフリード)を撃破した2番機が、戻って来る。空中移送機エアブースター狙撃から5分取らずの戦闘だった。


「2番機の装備復元を補助して下さい」


 青柳の指示がCユニット入力届いた。


「了解」


 投げ捨てられたロケット砲を、GV3X(サンダーバード)が拾い上げて2番機に手渡した。続いて2番機が差し出した左腕アタッチメントに、と凧型盾カイトシールドを装着させる。


「ありがとう」


 接触通信で、竜崎中尉の声が御堂に届く。


「肩部装甲はいいんですか?」


 左肩部装甲を破棄した2番機の左肩は、素体構造が露出したままである。

 重甲機兵の一部の装甲板は、予め排除できるように接合部に爆発剤が仕込まれている。過度の衝撃を爆発で相殺したり、排除することで衝撃を素体構造へ伝わらないようにするためだ。


「問題ありません」


 竜崎中尉は、気にしている様子はない。



「あの!」


 2番機が接触通信を切ろうとした時、御堂は思い切って切り出した。青柳にも通信を拒絶されている御堂には、問いかけられる相手は竜崎しかいなかった。


「あれは、合流を求めた友軍機ではなかったんですか?」


「あのB級は、戦闘モードだったのを気付きませんでしたか?」


「え?」


 主部隊の機体が待機モードであれば、後から合流する機体も待機モードとするのが原則である。まして、第3戦団の機体が戦闘モードで接近してくれば、迎撃するのは当然の対応と言えた。


「でも……本部から派遣された部隊です。南部方面軍を制止しようとしていたのかも知れませんよね?」


 竜崎からの返事が途切れる。「また、何か言ってはいけない発言をした?」のかと御堂は戸惑う。


「第3戦団が原則に反して接近してきたんです。かも(・・)知れない……そんな憶測で、味方の兵を危険に晒すのは正しいのでしょうか」


「……」


「私くらい歳を取ると、戦場で親しかった戦友との死に別れを幾度も経験するんですよ。性格も捻くれてしまいますし、我が身が第一になります」


 笑いながら竜崎中尉は、接触通信を切断した。

 竜崎中尉の年齢は知らなかったが、30歳前後だろうと御堂は思っている。帝から第2戦団に下賜されたアルカナ・ナンバーの一機である2番機、その機体を託された第2戦団のエースである。


「定位置に戻って下さい」


 青柳の一方的な指示がCユニットに届いた。指示に従ってH字型陣形の右前衛の位置に機体を戻す。CユニットからSユニットへの音声はオフのままだ。青柳は本当に、御堂からの声を一切聞くつもりはないようだった。


「青柳中尉! 青柳中尉!」


 返事がないのは承知の上で、マイクに向かって叫んでみた。


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