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赤塵のサンダーバード -機兵戦記-  作者: 星羽昴
第七章

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第120話 戦死?それとも処刑?

 GV3X(サンダーバード)の一対の機械眼球が捉えた映像が、Cユニットの主モニターに映し出されている。御堂は、ついさっき自らが戦った西側公園を視ていた。

 公園の芝生や樹木は、機体を浮かせる推進機構スラスターが発生させた数千度の高熱で焼き尽くされてハゲ山のようだった。この公園を再生させるためには、かなり大規模な土の入れ替えが必要になるはずだ。



 この時代の地表は荒廃している。前時代の都市群を埋める砂や塵によって、大部分が不毛な砂漠や荒野と成り果てている。重甲機兵は、本来そのような荒野や砂漠での戦闘を前提に設計されている。

 地表にかろうじて残った水源と沃土の場所に、小規模な都市国家を築くのが地表に生きる人間の営みであり、重甲機兵はそれを守るための機械のはずだった。



 州議事堂の東側には高層オフィスビルが立ち並んでいたが、第3戦団の重甲機兵が放った粒子ビームの流れ弾を浴びて、あちらこちらから炎と黒煙を上げている。

 11番機と2番機は、粒子ビームの標的とされても御堂のように街を気遣うことはしなかった。


「青柳少尉。さっきさ、あたしを排除しようとしなかった?」


「はい。Cユニットを機体制御から切り離すつもりでした」


「……」


 理由は聞くまでもない。指揮権の有するSユニットの命令に反して、敢えて粒子ビームの的になっていたからだ。第2戦団のジークフリードが駆け付けてくれたことで何とか事なきを得た。


「次の命令違反には警告はしません。即時、対処します」


「いや。でも……できれば街への被害って、小さくしたい……よね?」


「問題ありません」


「あたしは厭なの!」


 数秒の沈黙。


「警告なしのCユニット排除を撤回します」


 ホッとする御堂。ありがとう……と言うとしたところを青柳の言葉が続く。


「警告なしのCユニット爆破に変更します」


「なんで!!」


「説明の必要はありません。以降、Cユニットからの音声は切断します。命令違反と判断すれば即時Cユニットは爆破します」


「ちょっとぉぉぉ!」


 それきり、青柳が御堂に返答を返すことはなかった。



 CユニットにはZCF(ズィーフ)機構の重苦しいノイズが響いている。その中で、御堂は背筋が凍るような悪寒を感じていた。

 普段のふにゃふにゃした様子から、青柳を完全に見損なっていた。

 ……麗仙石うらせんごく州の騎行戦を指揮したSV

 都市の半分が焦土化する作戦を指揮したSVが「街への被害を小さくする」配慮など同意するはずがない。

(最悪、あたしもここで戦死?)

(いや、命令違反の叛逆罪で処刑か・・・)

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