第119話 サンダーバード休止
午前11:45。
第3戦団が送り込んだ5機の重甲機兵は、全機沈黙した。州議事堂と幹線道路を挟んだ西側公園には、撃破された4機の重甲機兵が横たわっている。御堂がロケット砲で狙撃した機体は、幹線道路を越えて州議事堂の敷地で仰向けに倒れていた。
第2戦団の第二陣で到着した2機の重甲機兵も、州議事堂の敷地へ移動した。間もなく到着する第三陣の機体と合わせて6機の重甲機兵でH字型の陣形を取ることになっている。
GV3Xは、2番機の前の位置で打刀を腰の鞘に戻した。投げ捨てたロケット砲はそのまま放置したままだったが、御堂は気にしていない。
背後から11番機が近づいてきていた。11番機の右手が、GV3Xのバックパックに触れて接触通信の回線を開いた。
「GV3XのSVは、直ちに戦闘モードを解除して下さい」
「了解。戦闘モード解除します」
「GV3Xはバッテリー消費が激しい機体です。特に注意して下さい」
「了解しました」
Sユニットの青柳に指示を出した後、11番機はH字型中央の定位置に戻った。戦闘の興奮状態を引き摺っていた御堂には、11番機から届いた声に聞き覚えあることには気付かない。
「バッテリーの残量、およそ65パーセント。30分弱の戦闘で、3分の1を消費しました。GV4型機の2倍近い消耗です」
(いや、まあ判ってるつもりだけどね)
「第3戦団の第二陣到着予測は12:25。40分の余裕はありますが、バッテリー消費を抑えるためシステムの自動診断は行いません。機体の損傷は、肌感覚で判断して下さい」
「了解です」
光学兵器の効果が薄いとは言え、相当数のビームを被弾している。システムのチェックは必須ではあった。しかし、第三陣まで予想されている第3戦団との戦闘にバッテリーを温存する方がいい。
(マニュアル通りって訳じゃあないんだな)
実戦となった途端に豹変した青柳が、今はどんな様子なのか少し気になる。
「えっとさ……身体伸ばしたいんだけど、外に出られないかな?」
そうは言っても、御堂の本音は別にある。
「我慢して下さい。敵の重甲機兵は確認できませんが、ナーガオウ州軍の戦闘ヘリや陸戦部隊が配備されているいます。遠距離からパイロットを狙撃をしてくる可能性は高いです」
「……」
今回の作戦は、3時間程度の戦闘継続を想定している。垂れ流し排泄のためのダイパーを装着させられての出撃だった。
(覗かれてもいいから、外で出したいのに!)




