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赤塵のサンダーバード -機兵戦記-  作者: 星羽昴
第七章

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第117話 サンダーバード戦闘

「市民守るために来た奴が、市民を撃つんじゃねえ!!」


 Cユニットで雄叫びを上げるように、第3戦団の重甲機兵に対する敵意を露わにする御堂。Sユニットの青柳は、黙ってCユニットからの音量を下げて、自分の声の音量を上げる。


「B級ジークフリード、4機とも単座型のGV4型です。作戦行動をチェックするSVが不在と判断できます」


「それが市民を撃っていい理由になるか!」


 GV3X(サンダーバード)は、州議事堂の敷地ではなく、西側公園の中央付近に着地した。4機の敵重甲機兵の真ん中に……である。

 最初に反応したのは、A級0061機(ジークフリード)の左後方にいた剣を引き抜いたGV4だった。振り向きざま、打刀を右肩の高さで立てて構える。

(近距離での乱戦で味方を傷つけない構え、手練れだ!)

 御堂の直感が、強敵を察知する。だが、剣を抜く必要はない。右手に持ったロケット砲の砲口を、GV4の腹部に向けて引き金を引いた。

 閃光と爆煙を引き摺りながら、撃たれたGV4は弾け飛んだ。100メートル程度吹き飛んだGV4は、腹部を抉られ仰向けに倒れたまま動かなくなる。


「まず、一つ!」



 午前11:20。

 第2戦団の第二陣が、州議事堂に到着した。どうやら、粒子ビームを乱射する第3戦団の重甲機兵にいても立ってもいられなくなった御堂は、空中移送機エアブースターの着陸を待ちきれずにGV3X(サンダーバード)で飛び降りたようだ。


「あの高さから飛び降りますか?」


 御堂の性格を思えば、合理性を求めるのは無意味だろう。だが、御堂を前線で戦わせるリスクを一番知っているのも射流鹿でもある。


「この場面で、命令違反をされるのはさすがに困りますね」


「青柳礼子がSVについている。兆しがあれば、即座にCユニットを排除するはずだ」


「では、青柳礼子さんに期待しましょう」


 月夜見が煉獄峡付属の研究所へ預けていた女性兵士とだけ知っていた。今は月夜見の弁を信じることにする。



 V字型陣形の左最後尾に配備されたGV4が、ビーム砲をGV3X(サンダーバード)に向ける。

 GV3X(サンダーバード)の右手が、ロケット砲を投げ捨てた。そして左腕のアタッチメントから凧型盾カイトシールドも排除する。

 素手となったGV3X(サンダーバード)は、左手で打刀の鞘の鯉口を握り、右手が柄を掴む。刹那、機体の腰と脚下に閃光が走る。


「脚部及び腰部推進装置(スラスター)、最大電力を供給します」


 装甲の隙間から流れ出す光粒子を纏いながら、ビーム砲を構えたGV4に大きく右脚を踏み込んだ。鞘で加速した剣先がGV4の胴体部分を横薙ぎに一閃する。

 ビーム砲の引き金を引く前に、GV4の胴体は真っ二つに切断されていた。


「これで二つ!!」

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