表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
赤塵のサンダーバード -機兵戦記-  作者: 星羽昴
第七章

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

109/158

第109話 藤崎涼子

 第3戦団本部のある都市国家・輝平きへい京から、ナーガオウ州へ遠征部隊が派遣されることになった。

 陸上戦艦『ガルーダ』は、第2戦団の『朱雀』と同型の戦艦で、中央と左舷及び右舷に3つのデッキを有する3連型戦艦で6機の重甲機兵と1機の空中移送機エアブースターを搭載し運用する。

 そして『ガルーダ』に伴走する、左舷と右舷に2つのデッキを有する2連型の『きらめき』と『蒼天そうてん』の2戦艦。それぞれ4機の重甲機兵と1機の空中移送機エアブースターを搭載している。



 遠征部隊の指揮を託された第3戦団副指揮官・藤崎ふじさき涼子りょうこ准将は、指揮艦となる『ガルーダ』へ乗艦する準備を整えていた。

 その場には、同じく副司令官の神津こうづげん中将もいる。藤崎准将は、神津中将に現状の確認を求めた。


「皇城府より機甲路の使用許可は出ましたか?」


「先ほど第3戦団本部へ通知があった」


「では、これより『ガルーダ』へ乗艦します」


「ただし、今回の許可は『南部方面軍殲滅(せんめつ)』のためのものだ」


「了解しています」


 そう言いながらも、藤崎准将には最初からその意思はない。南部方面軍は、非戦闘員も含めれば2万人を越える。それらの兵員を、みことのりとは言え切り捨てるつもりはなかった。



 第2戦団がルージュピーク制圧を放棄し機甲路へ入ったことまではわかっているが、その後の動向は第3戦団には知らされていない。

 機甲路には常時監視カメラが稼働していて、それを皇城府が監視している。しかし、南部方面軍と第2戦団が交戦したにより『叛逆の嫌疑を向けられている第3戦団』にその情報は共有されていない。



 第2戦団は南部方面軍を攻撃目標とするはず、と推測されている。

 ルージュピーク演習場で「否定派」と交戦しながら南部方面軍と戦うよりも、南部方面軍だけ(・・)の戦闘に集中するために機甲路を移動しているはずだ。

 機甲路上で、第2戦団と接触し交渉の場を設定する。第2戦団と南部方面軍の間で和解を取り付ければ、皇城府とて何も言えないはずと藤崎准将は考えていた。

 藤崎准将には勝算はあった。

 第3戦団本部のナーガオウ州遠征部隊と南部方面軍が合流すれば、第2戦団のルージュピーク遠征部隊は3倍以上の重甲機兵と対峙しなければならなくなる。

 必ず、第2戦団は交渉に応じるはずだと確認している。



「くれぐれも、軽率な行動は控えて欲しい。あの有馬月夜見(つくよみ)統括司令が、日嗣皇子ひつぎのみこを出陣させたのだ」


 神津中将は、改めて藤崎准将に念を押した。しかし、その意図は藤崎准将には歪んだ形で受け取られる。

 日嗣皇子の命は、有効な取引材料になる……と。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ