表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
赤塵のサンダーバード -機兵戦記-  作者: 星羽昴
第七章

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

104/157

第104話 御堂の贖罪

 ルージュピークで第3戦団の戦力を削ぐことに失敗した時、射流鹿は即座に11番機を稼動する決断をした。

 日嗣皇子専用機なら、第3戦団を挑発し、かつ囮の役を果たせる。


「州議事堂包囲に際して、この『朱雀』はN16中継基地に駐艦します。GV3X(サンダーバード)は、万一に備えて『朱雀』に待機するのが任務です。よろしいですか?」


 月夜見の後を任された八須賀はちすか大佐が、青柳を第2戦団本隊から呼び寄せたおかげでGV3X(サンダーバード)も戦線に残せた。 脚を故障した御堂でも、留守番役なら十分だろう。

 しかし、御堂のひとみはその役目に納得していない。



汚名挽回(・・・・)のチャンスを下さい」


 御堂の言葉に、刀自古が双眸を細める。しかし、そこに浮かぶのは憐憫の色。


「汚名は返上(・・)するもので、挽回するのは名誉(・・)ですよ?」


「どっちでもいいです!」


 州議事堂のある州都の市街地が戦場になる……一般市民が巻き添えになると思うとつらい。そして、それを招いたのが御堂自身の行動に起因するのが許せなかった。

(死者が出る前なら、話し合いできると思っていた)

 ……帝の命令なく軍事行動を起こした第3戦団。

 ……第3戦団にも相応の理由があるはず。

 ……同じ近衛軍なら話し合いできる。

(何で忘れてたんだろう)

 ……玲が殺されそうになったこと。

 ……あたしも殺されそうになったこと。

(話し合うって意味を考え違いしてた)

 3軍合同演習での不法な襲撃、それを隠蔽するための第3戦団の不法な軍事行動……第3戦団は「不法行為を見逃せ」と言ってるのだ。

 法治国家は、不法行為を許さない。帝国が法治国家である限り、そんな話し合い(・・・・)が成立してはならない。



「罪を犯したのはイルドラ軍とナーガオウ州軍、そして第3戦団です。その罪は、必ず償わせます。でも、州都の市民に罪はありません。州都の市街地へ被害を出さずに済む方法を教えて下さい」


 御堂が、刀自古に向かって頭を下げる。

 入鹿がいれば、入鹿に従っただろう。だが、いま入鹿はいない。自分の頭では、良い考えも思いつかない。目の前の刀自古に頭を下げるしかなかった。

 刀自古はしばらくの間、御堂の後頭部を眺めていた。


「第3戦団を叩きなさい」


 刀自古は、小さく息を吐き出してから、ゆっくりとそしてキッパリ断言した。


「第3戦団の重甲機兵を撃破すれば、第2戦団は市街地を離れます。できるだけ短時間で戦闘を終わらせれば、市街地を無傷で……とはいかないでしょうが、被害を最小に留めることは可能です」


「はい」


「本当に、できますか?」


「はい、やります!」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ