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境界の探偵たち   作者:


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違和感-3

紫藤と朱音のやりとりをみて玲はほっとする。

少なくとも、紫藤という大人が朱音の味方でいてくれることは、喜ばしい限りだ。

妖怪というだけで差別の目を向ける者は多い。

まして鬼ともなれば、周囲から貼られるレッテルは大きい。

わざわざ真偽が定かではない噂を辿り、玲の探偵事務所まで相談しに来たことを思えば、朱音を疑うことはなかった。

玲は自身のスマートフォンの振動に気づき、「少し失礼。」と席を立つ。

発信元は宵守。

頼んでいた件を済ませてくれたらしく、簡潔な報告が記されていた。

内容に目を通すと、玲は笑みを深める。


「うちのものに頼んで、警察を通して三澄さんたちにお話しをきけることになりました。ちょうど警察の方でももう一度話を聞きたいと思っていたそうで、事情聴取への立ち合いを”快く”許可していただけました。」


『快く』の部分を強調して、にこりと笑顔で言い放つ玲。

だが、その瞳は少しも笑ってはいなかった。

玲の笑みを見て朱音と紫藤は顔を見合わせる。

職員室でのこともそうだが、意外と沸点が低い子なのかもしれないな、と紫藤はそんなことを考えた。


「警察がもう一度三澄さんたちに事情聴取するということですか?」


恐る恐るといった風に玲に問いかける紫藤に頷きを返す。

スマートフォンを仕舞うと、玲は元居た位置に座る。


「今回の件、警察の対応があまりにも杜撰に感じていたので、知り合いの刑事さんに連絡をしてもらったんです。実は、ここに入る前に電話をつないでリアルタイムでうちのものに話が聞こえるようにはしていたんですよね。……もちろん、今は切れてますよ? さすがに、それ以上はまずいですから。後出しになってしまってすいません」


笑顔でとんでもないことを口にする玲に、二人はただ呆気にとられるしかなかった。


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