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境界の探偵たち   作者:


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調査-14

「春日井君が救急車で運ばれた後、少しして警察がきてね。僕が皆の事情聴取に立ち会ったんだ。といっても、確か三澄さんと黒藤さんは春日井君が落下した推定時刻は講義を受けていて、それは講義を受け持った先生や彼女たちの他の友人も証言している。形代君はその日、春日井君と会う約束をしていたらしいんだけど、少し遅れてしまって駆けつけた時には春日井君は階段から落ちていたと言っていたよ。」


一度言葉を切ると、紫藤は朱音の顔をじっと見つめる。

朱音は黙って、紫藤の顔をまっすぐに見ている。

不安が拭えないのか、浮かない顔をする朱音を安心させるように紫藤は微笑んだ。

「警察の周防君への事情聴取はね……どこか、違和感があった。最初から、彼が犯人であるという前提で進められているように僕には見えたんだ。」

「最初から、ですか。」

「えぇ、他の......形代くんや、三澄さんの時とは明らかに警察の態度も違っていた。」

「それは周防さんが鬼であること――つまり妖怪であることに関係していると思いますか?」

「恐らくは。周防君が事情を説明した後、警察は春日井君の手に周防君の学生証が握られていたことや数日前の揉め事、形代君の供述から彼が犯人だと。そしてその理由の一端にこう言ったんだ。『周防朱音は鬼だ。鬼は暴力的で短気だ。犯罪を犯すに決まっている。今回の件もカッとなって突き飛ばしたんだろう。』とね。僕には到底納得できなかった。」

「それは何故ですか?」

「周防君が妖怪だということは知っていたし、人付き合いも最低限にしていることもわかっているつもりです。でも、少なくとも僕が見てきた周防君は気遣いができて、困っている人は助けるし、僕の散らかった部屋の片づけも手伝ってくれる、とてもいい生徒です。春日井君と揉め事はあったかもしれないけれど、それがきっかけで人を突き飛ばすような、そんな子じゃないと知っています。」


そこまで言い切ると、紫藤は周防に優しいまなざしを向ける。

朱音は紫藤の言葉を受け止めきれないまま、視線を逸らした。


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