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境界の探偵たち   作者:


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調査-7

玲は黙って小走りで朱音の隣に並ぶ。

校舎内は閑散としており、時たま数人とすれ違う程度で開けられた窓から吹く風が二人の髪を揺らす。


「警察が言うには“揉み合いになった際に落とした可能性が高い”んだとよ。妖怪で、赤判定の鬼。少し前にあの人とちょっとしたいざこざもある。向こうからしたら火を見るよりも明らかな状況だろ。」

「……」

「だから俺が何を言っても最初から警察は信用してくれないし、俺がやったと決めつけている。あの人を階段から突き落としたのはお前なんだろうって。事故で足を滑らせた可能性や俺以外がいた可能性もあるんじゃないかって言ってくれた先生もいたけど、警察は聞く耳もたなかった。」


そこまで言い切ると、朱音は小さく息を吐いた。

自嘲するような笑みがほんの一瞬だけ浮かぶ。

その言葉に玲は足を止め、まっすぐに朱音を見つめる。


「でも、貴方はやってない。」


玲の迷いのない言葉に朱音は目を見張るも何も言えず、ただ玲を見つめ返す。


「なんで......。」

「わざわざ犯人である貴方が僕たちに依頼してくるなんておかしいし、警察に疑われている理由が妖怪だから?馬鹿にしているにも程がある。誰ですかその阿保警察官は。」


呆れたような、少し怒った様子の玲に呆気にとられる。

強張っていた肩の力が抜けて、自然と笑みがこぼれた。


胸の奥で何かが小さく、音を立てて崩れる。

朱音も玲も一言も発することなく二人横に並んで歩く。

ちらりと朱音を盗み見るも、先ほどよりもすっきりとしているような、なんとも言いづらい表情をしていて思わず玲の顔に小さく笑みが浮かぶ。

なんだかハリネズミみたいだな、と思いつつも黙っておくことにする。

変わらず人通りがまばらな廊下を歩いているが、窓の外から聞こえてくる学生たちの笑い声と時たま吹く風に舞う桜の花びらに目を細める。

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