⑨魔女
「明義さん、頭洗って」遙のリクエストがあったので風呂場に入った。今度から遙はバスタオルで身体を覆っている。春香が来てからルールを作ったのだ。
「見えなくなって残念?」そう聞かれ当たり前だと言った。
遙の頭を流す時もバスタオルが落ちないように遙は胸を抑えた。必要以上に接近し過ぎた距離感を正すためにはこれでいい。遙も春香も中学二年生なのだから今までがおかしすぎた。
『明義さん、あなたに春香を託します。ただし性的な悪戯はくれぐれもしないよう注意してください。そして18才になったら綺麗な身体でこの家に帰してください。お願いいたします ~母~』
親から春香との同居の許可が出たが、当たり前の注意が書かれていた。
「これじゃ明義さんと春香ちゃんは恋人になれないね」そう遙が言ったので、性的なことをしなくても恋人になることは可能だよと言った。とりあえず四年間限定だけどとも付け加えた。
「お兄ちゃん、私...」一度手に入れた春香を離さないから心配するなと伝えた。
二人のハルカは心配そうだった。だから信用を勝ち得るように頑張らなきゃいけなかった。取り敢えずT大には必ず入る、それが第一歩だ。
春香が来て良かったことは、彼女の養育費として仕送りが大幅に増額されたことだった。お陰で余計なバイトを辞めることができた。
夜の勉強時間を大幅に増やしたのでハルカたちとは就寝時刻がずれた。
「寂しくて寝れない」一緒に寝ていた遙にはきついだろう。
「あと一年半で受験が終わるけど我慢できそうにないか、遙」
「明義さんのために頑張ってるんだけど、やっぱり寂しいんだよ」遙を後ろから優しく抱きしめた。本当は遙の性的な部分とも触れ合いたいので俺も辛かった。
襖が開く音がして春香もやってきた。二人とも居なくて寂しいらしい。
二人にココアを出しながら多少でも暮らしを良くする方法がないか考えた。
「恋人らしく触れて明義」春香が初めてお兄ちゃん以外の呼び方をした。
性的な部分を避けるために、足の裏のツボを押した。
「腕も揉んで」言うがままに春香の腕をマッサージしていると柔らかい感触がした。触れちゃいけないところに触れてしまったようだ。
「そこも」春香が畳みかけてきたが、既に大きくなっていたので休んだ。
「母さんにも言われてるんだよ、性的な悪戯はするなと。だから我慢してくれ」
「お兄ちゃんもうおちんちんがパンパンじゃん。ずっと持つと思う?」
春香に責められ遙もそうだそうだ理不尽だと言う。でもみんなが辛いのは確かに良くない。やむを得ず触れることはセーフというルールが加わった。
久しぶりの城は懐かしかった。だが二人を連れて中に入ることには抵抗がすごくあった。すると俊が俺に任せろと言って先に入ってくれた。
「今から久々に明義が来る、春香と遙を連れてな。二股かどうかの判断はみんなに任せる。奴は妹を彼女にするというタブーを犯した。だがそれは大きな犠牲を払って得たものであることを誤解しないでやって欲しい」
二人を連れて中に入り大きなお辞儀をみんなにした。どうしても奇異の目で見られるのは避けられないが、俊のでまかせ演説のせいで多少入りやすくなった。
「春香、ほんとにいいの?」そう啓子に言われ彼女は頷いた。
「どちらから告白したんですか?」有希から二人に質問があったので俺だと答えた。
「二人に付き合えって命じたのは私です。だから苦情はこちらで受け付けます」遙がメンバーにそう宣言して質疑応答は終わった。
今日は敵襲来が予想された。朝から天気の移り変わりが異常だったからだ。
「最近敵が来てないからね。今日は暴れるぞ」啓子が暴れると胸が大きく揺れるので男性ファンには大歓迎だった。
いけないことをしている自覚があった春香は、みんなにジュースを配っていた。
「春香、気を遣い過ぎなくていいわよ。あなたが明義さんを好きだったのはみんな知っていたんだから」真琴はそう言って春香を気遣った。
「行くよみんな!」敵を察知したレッド・ペガススが皆に号令を掛けた。
「なんなのよあれ」真琴が今までと敵と大きく違うことに声を出した。
午後四時なのに空は暗くなり、更に暗い天体みたいな形の敵が待ち構えていた。まるでブラックホールみたいだなと俺は思った。
「近接戦闘しかできないブルーとピンクは後退。レッドとイエローとパープルが横に並んで敵の出方を伺うんだ」俊が今日は指令を出していた。
だが一向に何もして来ない敵に焦れて、イエローが電撃で先制した。会心の一撃だったがそれは見事に敵に飲まれていき、小さな稲妻が敵の中に見えた。
「一旦撤退するんだ。敵が危険すぎる」俊の命令でみんな城に帰って来た。
「ブラックホール状の物体の敵がこちらの攻撃をどれだけ吸い込めるのかさっぱりわからない。光線と電撃を同時に放っても倒せないなら手出しは不可能だ」
「敵に何ができるかここから見てみようよ」リーダー格の遙が提案した。
闘うことができない俊と俺がみんなに暖かい飲み物を配った。
すると大きな揺れがあり、吸い込まれるような感覚があった。しかしモニターに映る街にはなんの影響もないようだった。
「この魔界が狙われている今すぐ逃げるぞ」俊ががそういうと、手荷物だけを持ち慌てて外へとみんなで逃げた。
「不思議に思っていたんだが、暗闇から出現するこの闇鍋魔界が無くなるとどうなるんだ」答えを皆が知らなかった。
「ここはなあ魔法少女たちが産まれる場所で、ここが無くなると変身もできなくなるんじゃ」しわがれた声の方を向くといつか有希と啓子と迷って見つけた占い屋敷の婆さんがいた。
それを聞くとレッドが飛び出し、とてつもなく大きな光線を敵に向けて発射した。だが最高の一撃も暗闇の敵に飲み込まれた。力を使い過ぎた遙はゆっくりと闇に吸い込まれ、やがて姿が見えなくなった。
「遙ああああ」俺の絶望の声すら飲み込まれているようだった。
見えるが実態がない。どんなに走っても辿り着けないことに気が付いた。
イエローとパープルも同時に飛び出し合体ビームを躊躇なく繰り出していた。しかしこの攻撃すら飲み込み、春香と真琴も闇に吞み込まれていった。
残った者たちが絶望に打ちひしがれていた。
「婆さん、ひょっとして騙したんじゃないのか。今ここでお前を殺せばみんな帰って来そうな気がするぜ」そう言うと婆さんはふっと消えた。
逃げられた。そう思った瞬間ばあさんは宙に浮き敵と対峙していた。占い婆さんは魔女だった。
「もうちょっと生きたいと思ってたんじゃがそうもいかないねえ。可愛い子供たちを助けにゃならん」そう言うと杖から激しい稲妻と光を出し、自らをその光で包み込み敵に特攻して行った。敵ブラックホールを互角以上の力で包み込み、やがて敵と対消滅するように消えて行った。
「遙、春香!」「真琴!」俺と俊は必死に彼女たちを探すと大きな花の蕾から三人は出て来た。救われた三人が全裸だったので啓子と有希は二人の目を隠した。
裸が見れなかったことを二人が激しく抗議すると、変身したままの真琴がハイキックをかました。「天才だからスケベなのかその逆なのかわかんないね」
真琴と有希は伸びた二人を抱えて助かった魔界の城へと連れていった。
蹴られて記憶を失い正気に戻った二人はそれぞれの恋人に駆け寄った。
後日花を持って婆さんの居た小屋にみんなで行った。小屋は既になく不思議な色に光る花がそこにはあった。簡易祭壇を作りみんなは手を合わせ線香をあげた。
「疑って悪かった。あなたが守ってくれた魔法少女たちを俺たちが今度は守る」そう言ってから城へ戻るようにみんなに伝えた。
「ハルカ石鹸ないよ」二人同時に呼べるのはありがたかった。
「はいお兄ちゃん石鹸だよ」ありがとうと言ったが春香は何も着ていない感じがした。だから湯舟にジャンプし潜ることにした。お湯の上から見下ろす春香は絶対に裸だった。なのでぎりぎりまで粘ったら溺れていた。
「お風呂で溺れるとかバカみたい」呆れた顔で春香が呟いた。
そうはいかんのだよ春香。母さんに性的な悪戯はするなと言われたからにはしない。それが優等生なんだよ。
「見ることは悪戯じゃないでしょ」遙がいい解を出してくれた。
「春香ちゃん、見せて」そういうとツンと首を振り彼女は行ってしまった。
悔しさで床をどんどん叩いていたら下から苦情がきた。
春香が風呂に入ったので入れて下さいと何度もお願いしたが、へそを曲げた彼女は入れてはくれなかった。それでも曇りガラスにずっと顔を押し付けているとやっと中に入れてくれた。
視姦の許可が出るまで耐えていると春香が手招きした、「お邪魔します!さっきはごめんね。もう隠れないから」
すると巻いていたバスタオルに春香が手を掛けたので、取らさせてくださいとお願いした。
春香が目を閉じようとしたので、目を開けているように命じた。そしてバスタオルをゆっくりと全部取った。
「綺麗だよ春香。可愛くて美しい」見られてものすごく恥じらってる春香が愛おしかった。しばらく眺めてからバスタオルを巻きなおしてあげ出て行こうとした。
「まだ恋人らしくないよお兄ちゃん。責任持って触れていいよ」
ルール違反になるけど止むを得ないケースを適用し、服のまま湯船に入り後ろ向きになってもらい乳房を揉んだ。春香は恥ずかしさと気持ち良さで目を隠した。胸に触れながら愛してると言って風呂場を後にした。
「服を着たまま入るとかなにごと?」遙がぷんぷんしながら濡れた床を拭いた。
床を拭いてる遙が可愛いのでお尻を触ったら蹴られた。
遙とはずっと性的な触れ合いをしていなかった。春香と遙は別だ。こっちも見たいと思いお願いして脱いでもらった。
下から見上げたので局部も見えたが目は逸らさなかった。そして遙も一切隠そうとはしなかった。満足してから服を丁寧に着せてあげてソファに座った。湯船から出た春香も椅子に座って、三人が揃った。春香にソファを譲り、二人のハルカが隣に座っていた。
椅子から二人の写真をたくさん撮った。二人とも仲がよくその二人とも仲良くさせていただけてることを神に感謝した。