Extra Episode final 遙と最終決戦
妹の春香を除けば遙と過ごした時間が一番長い。彼女から告白されてすぐに返事をしたのは今思えば奇跡的だった。なにしろ妹しか見てなかったのだから。
冬は深まり魔界でもセーターが必要なくらいこの一月中旬は寒かった。手袋を付けてペットに逢いにいくと彼らも寒そうだった。それで春香の部屋に彼らを非難させることにした。
「ここでいいんですか?遙も有希もこの子たちが凄く好きでしょうに」
「有希は調理、遙は勉強の妨げになるからここが最適なんだ」
そう言って春香を納得させてペットを預けることにした。
「遙は変身してなにをしているんだ?もう強敵はいないだろう」
小さなシールドを出して特訓をしている彼女に尋ねた。
「まだわからないからだよ。今は力を溜めてるラスボスが息を潜めているかも知れないからね」
勉強はしないが戦闘に関しては遙は鬼だった。
あまり刺激しないうちにその場を立ち去った。確かにラスボスですと言う看板を付けていた訳ではないので本物が存在する可能性があった。
魔界樹で特訓するというので彼女に同行した。
もうこの樹より強い遙は手加減しながらシールドを作り攻撃をした。魔界樹はありったけの力でそれを受け止めた。レッドサン・ビーム弱に魔界樹は降参した。
初めのころはこの樹に稽古を付けてもらっていたが、もう彼女のが上だった。
「汗かいちゃった。温泉行こう明義」
二人で温泉に浸かったがが、彼女の腕にはアームバンドを付けたままだった。デリケートな問題だが避けて通れない。バンドを取ってもらいその傷跡を見せてもらった。
無数に刻まれた傷跡、中にはかなり深いものもあった。その手を優しく取り傷を軽く舐めてあげた。エースとしての重圧が遙の性格をも変え、深すぎる病みを抱えてしまった。
「電気消すぞ、遙」
そういってから彼女の浴衣を脱がせて丁寧に優しく愛撫をしてからSEXをした。
浴衣を着せても後ろから抱きしめて安心させようとした。しかし彼女の病みは深くその程度ではどうにもなりそうもなかった。
「歩いて帰ろうか遙」
魔界樹から家までは徒歩2時間強掛かる。それでも一緒にいたかった。
「この腕ね、一度切ったら癖になっちゃってやめられなくなったよ」
遙は最強のヒールを持っている。それを使わないのは今の自分と向き合いたいんだろう。
彼女の手を引いて足早に歩いた。肌寒いので遙は返信していた。俺は魔物もどきにはなれるが、ビジュアルの関係でやめて少し厚めのダウンジャケットを羽織った。
「俺は人間だから疲れる。あそこのベンチに座ろう」
森の中の公園を指さした。もう夜が更けてるので誰もいなかった。
夜の星々は東京よりもずっとはっきりと光って見えた。30分で10個流れ星が見えた。遙も無心で星々を眺めていた。どうもプレアデス星団がお気に入りのようだった。
「新しい星々が生まれる場所。オリオンのM42もそうだが昴は青くて綺麗だ」
二人の目が合ったので長いキスをした。この子の傷を癒したいので強く抱きしめながら。
「遅かったね二人とも」
春香が真っ先に出迎えてくれた。有希は炊事を、真琴と圭子はなにか飲んでいた。
彼女は変身していた遙の服を持ってきて脱衣場に向かった。彼女にはもう最初持っていた遙に対する敵対心は微塵もない。むしろ遙を応援している。
「遙、春香、有希部屋に来てくれないか?他の二人もあとで呼ぶ」
三人一列にが並んで三階まで歩いてきた。初期にアパート暮らししたメンバーだ。
「随分広い家になったな。ワンルームに三人とかきつかったな最初は」
感慨深いものがあるのか三人とも黙っていた。
「無茶だと思っていたよ。三人の彼女を貰うなんて。でも今は更に二人いる」
「これは明義さんにしかできません。あと私の牡蠣メニューも大きいですけれど」
自分の功績を彼女は主張したが、二人のハルカは黙っていた。
下のダイニングまで行って、真琴と圭子は翌日呼ぶから休んでいいと伝えた。ついでに有希が作ったシフォンケーキをもらってきた。
「切り分けは私がやります。4等分は簡単です」
手際よく有希が切り分けてる間に抱きしめて遙にキスしてたので春香は驚いた。
遙も応えてくれて強く抱きしめ返してくれた。本当に無理をしていたんだろう。そう思うと自然と涙が溢れてきた。彼女も泣いていた。有希と春香も我々二人を抱きしめてくれてますます涙が止まらなくなった。
「まず遙としてください。隣の部屋で二人は待ちます」
普段ならこういう有希の煽りには乗らない。だけど遙をベッドに寝かせた。
遙の好きなヴァギナは後に取っておいて、全身を触り舐めた。乳房を優しく吸い付くと遙は小さな声を出した。この子とずっとエッチなことをしていたかった。でも状況は大きく変わった。遙が快感に震えていたので足を上げてもらい膣とクリトリスを責めた。
「そこダメだよ。おかしくなっちゃう!」
それでも以前より長く攻めてから一つになった。
強くアレを突き立てるたびに遙は声を出した。キスをしながら胸を弄り、早くアレを動かすと流石に遙は果て俺も大量の精子を放出した。
遙に風呂に行かせ、有希と春香を同時に相手をした。いわゆる3pだがきっとこの先避けられない。二人の身体は知り尽くしているので遙一人より早く終わった。
一人風呂に浸かっていると、真琴と圭子が入ってきた。3人も相手にしたというのに俺のナニは力強く彼女らに反応した。
「見直したわ。やれば出来るんじゃない」
まだ元気な俺のナニを見ながら真琴が言った。
「私は二人きりがいいので雑にまとめてやらないでね」
圭子のことはよくわかっている。そんなことはしない。
二人は俺の背中洗ってくれた、圭子は特大胸のサービスで。真琴は前に回り込んでディープなキスをしながら胸に手を当てさせてくれた。
「できるかも知れないけど5人は無理だからね」
矛盾を含む言葉で俺は拒否をした。
風呂を出たあと裏庭の森に出た。職人に頼んで人数分の椅子がありテーブルもあった。
遙がそこで座っていたのは意外だった。しかし驚いても仕方がないので彼女の横に座った。もう魔界樹の帰りとはまるで違う春と夏の星座が見えていたが、彼女は真剣に眺めていた。俺も彼女の目を追って同じ方向を見た。
「まだ見ぬ敵はいると思うか遙?」
何も言わずに遙はこくりと頷いた。また戦火の日々が来る。
夜の森を歩こうと提案すると彼女は付いてきてくれた。ロマンティックもたまにはいいはずだ。ホラーが入っているが彼女は気にしない、むしろ追っかけて行くタイプだ。
手を組みながら森の中に入って行くと、彼女にぐいっと引かれ止められた。おんぶの依頼だった。そうだ、この子はこういうのが好きなんだ。
おんぶしながら森を深く入って行くと、トマトと同じキツネ型魔物がいた。彼女は背から降りると彼らと戯れた。本当に普通の女の子だった。
「遙、ペットは何匹も飼えないからな。もういこう」
少し遊び過ぎた彼女をもう一度おんぶして家に戻った。
「今日はサンドイッチです。トマト食べれない人は残ってください」
遙と真琴には地獄の課題だった。
他の三人は軽くクリアできたので、好きな飲み物をそれぞれ飲んでいた。
「有希、お前が一番料理が得意なのはわかる。でも当番制にしてみないか?」
彼女は露骨に嫌な顔をしたが、来年高校生になるみんなにも大事だというと渋々頷いてくれた。
「それでも私の指導が必要なので来年度からですね」
その意見には賛成だったの、で珈琲を彼女に渡しながら大きく頷いた。
「いやな雨だねこれ。冬にしては強すぎない?」
啓子の一言でみなに緊張が走った。
今までの強敵出現時は天気がころころと変わった。だがそれとは違う。
「今日の天気予報は快晴だったわ。本当に不吉ね」
春香が啓子同様不安の色を隠さなかった。
遙は既に変身して敵襲に備えた。俺はゴーレムとスペースボールに連絡した。
川崎の鶴見沖にそれは現れた。東京湾を背にして明らかな交戦体制を見せていた。
「台形の上に三角形の機関銃が載ってる感じ?それにあのシールドおかしいよ」
ピンクプレアデスはシールドを張りながら怯えた感じで言った。その中に俺もいた。
「我々も少し下がりましょう。コスモソードが届くぎりぎりまで下がって下さい」
攻め一辺倒のブルーオリオンも慎重だった。
一瞬の間にスペースボールが宙にいるレッド・ペガススたちの前に出て立ちふさがった。ゴーレムもピンクプレアデスを守るように前に出た。
「弾幕よ!レールガン」
ポルックス・イエローが先陣を切って電撃を放った。そしてスペースボールが続いた。
スペースボールは敵シールドに近づくと、ビームを触手のような形にして敵を抱え込んだ。この灼熱に耐えられる敵だとしたらとんでもない強敵だ。
青く光るスペースボール、赤く光る敵の本体。拮抗した戦いになっていた。
「俺たちは行けないからな。あの超高温に突っ込めば何も残らず蒸発する」
人型魔物の分際でブルー・オリオンとピンクプレアデスにそう言った。
「スペースボールさんどいて、私のビームで穴を空ける」
自信とプライドの塊のレッド・ペガススはそう言い切りビームを敵に向けた。
すると轟音とともにスペースボールが破損した。戦闘不可能級のダメージを負った。それを見て一瞬レッド・ペガススはその手を緩めたが、もう一度体制を立て直し敵に最大の攻撃を食らわすべく集中をそした。
「我々の部隊の出番は今です。敵のシールドが完全に消えています」
ブルー・オリオンはピンクプレアデスのシールドを離れ一気に敵襲を図った。
「ブルー・オリオンの手助けをするわね。リアルラヴ!」
パープル・スターは自身最大出力の光線を放った。
リアルラブで身動きが取れない敵の側面に、ブルー・オリオンはスペース・ソードを叩き込む。驚異的な硬さだったが、全身に蒼い炎に纏い少しずつ敵の内部を破壊してゆく。
「そこまでだ引けブルー!」
情けない魔物姿で敵の前まで走りそう言った。
「明義さん!?ここは余りにも危険です。下がってください」
驚いたブルー・オリオンが叫んだ。そしてピンクプレアデスとゴーレムがやってきた。
「春香のリアルラヴは2分が限界だ。これ以上留まると敵の反撃を食らう」
そう言っても3人は聞かずに敵の側面を破壊していった、「はああ、大剣!」
ピンクプレアデスの攻撃で空いた場所にゴーレムは突っ込んで行った。
「!?しまったリアルラヴが切れた。遙、レッドサンビームを放ってくれ!」
それでも彼女は攻撃の姿勢を取るだけだった。案の定敵内部が赤く光った。
ゴーレムに向けて光線を放つ敵、しかしピンクプレアデスは大きな丸いシールドを展開し彼を守った。ゴーレムはそれでも突っ込もうとしたが、ピンクが制止した。
「もうすぐ引退だったのにね。でも一番弱いのがまず殉職するのよね」
啓子はそういうととんでもなく大きな紅い炎を纏い、同じ色の剣とともに敵内部に特攻した。
「ピンクプレアデス、もういいよ。あなたは勇敢だったよ」
特攻する啓子のすぐ前にこれ以上ない巨大なシールドを展開させたレッド・ペガススがいた。
ピンクよりも更に濃い紅いオーラを纏い、無防備で遙は歩いて行った。敵は容赦ない光線攻撃を仕掛けるが、遙は片手でその攻撃を軽々と凌いだ。
「俺たちはこのまま離脱する。ゴーレムと啓子、そして有希は最速で飛べ!」
ゴーレムが飛べないことは知っていたが、言葉の勢いでそう言った。
レッド・ペガスス以外はもう戦おうとしなかった。完全体遙を見て勝利を確信していた。
「あなたたちがなんのために攻めて来るのかはわからない。そして遙が何のために戦うのかはもっとわかんないよ。でもあなたを倒し幸せな未来を創るの!レッドサンビーム‼」
赤を巨大な紅が飲み込んでゆくのが見えた。
「抵抗するのはわかるよ。だってみんな生きたいんだもん。でも強い魔物さん、あなたたちは戦う理由を言わないからこうするしかなかった。私たちは幸せに向かって戦ったんだよ」
2発目のレッドサンビームを繰り出し勝負は決した。
「一応トドメ刺しちゃおっか」
突然レッド・ペガススが現れパープル・スターとポルックス・イエローは驚いた。
「トリプルレールガンのことですか?2回閃光が見えましたが遙、あなたにはまだ力が残っていると言うんですか」
遙は小さく頷くと真琴に抱き着いた。
「なんなのあんた?死ぬつもりなの?」
春香もポルックス・イエローに笑顔で抱き着いた。
「いくわよトドメ!トリプル・レールガン」
特大の鉄球を操れるようになった真琴は、最後の一撃を放った。
その一撃は燃え盛る敵に最後のトドメとなる一撃で粉々に破壊し海中に沈んで行った。
まったく役に立たなかった人型魔物になった俺だが、みんなと一緒に家まで飛んだ。
「遙、変身を解かないでそのままでいてくれ」
そして遙に歩み寄り左腕のアームバンドを取った。
「だいぶ深く切ったようだな。本当にお前のお陰だ全て、ありがとう」
その腕を取り傷を舐めた。遙のこれまでの苦労を労ったつもりだ。
「一緒にいてくれてありがと明義。愛してるよ」
初めて遙から愛の告白を受けた。愛おしくてしばらく抱きしめていた。
その日屋上で天体観測会を開いた。冬で寒いがみんな変身してたので平気そうだ。人型魔物に変身してみたがそういう恩恵はなく厚いデニムのジャンパーを着た。
遙はまたプレアデス星団を見ていた。星が生まれる場所、その神秘的光景に彼女は見せられていた。双眼鏡を渡すと食い入る様にそれを見ていた。
俺はM42が好きだからわりと好みは同じだ。そう思うとにやにやする自分がいた。
「明義ちょっと気持ち悪い顔してるよ」
遙に辛辣な言葉を浴びせられたが気にしない。自分の気持ちを顔に出して何が悪い。
もう風呂にはみんな入ったが、遙を連れて2度目の風呂に入った。
「えっちなことしたいの?明義」
「それもあるけど二人でゆったり入りたい」
正直な気持ちを伝え二人で湯船に浸かった。
耐水性ではないのに遙はアームバンドを外さない。それは当然だ、リスカしているのを見られるのは誰でも嫌だからだ。
大量の石鹸を入れて泡風呂にした。これならリストの傷も見えづらいので、アームバンドを外してもらった。そして遙の好きな胸を丁寧に洗ってあげた。
その後二人で同じベッドに入ったが何もしなかった。俺に対する不満はたくさんあるだろう。どうにかして聞き出したかったが遙は言わない。
「明義は考えすぎだ。これは私の意志で責任を背負いその代償なのだよ。あなたがそれほど気に病むことはないんだ」
遙はどこまでも強気で本心を見せない少女だった。
飛行訓練ででパンツを見せながら飛んでいた彼女はもういなかった。それをとても残念に感じると共に、人は責任感でこうも変われるのだと思った。それでもリスカはだめだ。本人のヒールでうつを治させなければならない。
「真琴、遙のリスカにいつ気が付いた?」
「馬鹿なのあんたは?最初からみんな気が付いていたに決まってるじゃない」
「そうだったのか...」
わかってなかったのは自分だけ、その事実は俺を落胆させた。
「明義っち、女の子は苦しくなるとリストを切るんだよ。私もだけどね」
啓子がやや庇ってくれるような発言をした。
魔界には珍しい雪が降った。ラスボス退治の褒美か災厄だろうか。みんなはペットと一緒に遊んだり、かまくらを掘るものもいた。その中に遙がいた。
「遙はみんなとペット遊びでもしておいで。ここは俺がもっと頑丈に作り直す」
そういうと遙は走って雪投げに参加しに行った。
内田遙、レッド・ペガススとして魔法少女たちのリーダーを務めた。強情なまでに強さを曲げず、その心の奥底にある不安を(俺には)見せなかった。そして最愛の俺の彼女だ。一緒に歩んでいきたい。この家が崩壊したとしても彼女だけは絶対に離さない。
そんなことを考えていたら雪玉をぶつけられた。全力で追いかけ投げ返したがすべて避けてしまう。今後も苦難はあるだろう。
でも彼女がいれば乗り越えられる。そして支えてあげる。
愛してる、遙
~fin~




