⑤同棲
ブルー・オリオンとピンク・プレアデスは徒手格闘しかできないものの、魔法を纏い強くなった。すべてが順調だったが。春香と明義の兄妹は複雑な関係を続けていた。そして明義は遙にある提案をする。
遂に俺は親に全てを話し兄妹を超えてしまっていることを話した。
「なんとなくね、わかってはいたわよ。ただし二人の将来を考えたら、これ以上の関係は許しません。だから明義はこのうちを出なさい」
そう母親に言われ、今日から一人暮らしをすることになった。
引っ越しには俊や魔法少女たちも来てくれ手伝ってくれた。
「ありがとうみんな。今日からここで生活するんで、たまにでいいから遊びに来てくれ」そういうと俊が手を挙げてくれた。女の子は危ないから仕方がない。
「一緒に住みますね。ご家族と離れて寂しいでしょうから」遙が大きな自分の荷物を部屋に運び込んでいた。嬉しいが最も危ないんじゃないのかと思った。
「どうやって親御さんの許可を取ったんだ。中学生の一人暮らしなんて」
「許可はどうせ取れないので家出ですよ。気にしないでください」
気にしない訳にはいかない。すぐに実家に戻った方がいいと言っても聞かなかった。遙はその物腰とは違い、ものすごく大胆で強気な面があった。たぶん、春香への対抗心なのだろうから落ち着いて考えて欲しかった。
みんなが帰った後に遙と二人きりになった、「まだ部屋は殺風景だけどシャワー浴びておいで。汗かいただろう」
遙は嬉しそうに頷いたが、俺にとっては一大事だった。
「バスタオル置いておくから使って。あとコンビニで買い物してくる」コンビニ向かう途中、これはこれで親を心配させる行為だなと思った。遙と部屋で一緒になった時に理性を発動させる自信がなかった。それに遙の両親は行方不明の届を警察に出しても不思議はない。お互い中高一貫校なので見つかったら最悪退学だった。
夕食と明日の朝食を買ってきてドアを開けるとバスタオルを巻いただけの遙がいた。なるべくその姿を見ない様にして、俺のジャージを貸してあげた。ぶかぶかだったがこれで少しは理性を保てた。
「なあ遙、これは俺の問題なんだ。巻き込まれることないんだぞ」
俺は床に、遙にはベッドを使ってもらいそう言った。
「明義さんが苦しんでいるなら私も苦しみます。それとも私では春香ちゃんの代わりにはなれませんか?」
「そうじゃなくて、学校にバレたら大問題なことを遙にはしてほしくない。何年か経ったらその時は呼ぶつもりだった」
先のことまで考えてくれていたことが遙は嬉しかった。
「どお?遙はおいしかった?」ブルーの言葉にそれは絶対にないと答えた。
「ところでそろそろ本名教えてくれないか。仲間なのに何も知らないというのは寂しい」ブルーとピンクが驚いて顔を見合わせていた。もう誰かが教えたものだと思い込んでいたらしい。
「ブルー・オリオン14才、染谷有希。ピンク・プレアデス15才、渡辺啓子。イエロー・ポルックス14才、田中真琴だぞ」ブルーこと有希はそう教えてくれた。
「はああああ!白い翼!!」遙の一撃で熊のぬいぐるみっぽい敵を一蹴した。
「遙良かったね。技名付けたんだね」そう言うと照れながら遥は頷いた。
他の子たちも連携して敵を追い込んでいた。だから以前のように汚れた洗い物は少なくなっていた。だが下着は洗わせられた。
「この白いパンツが遙との出会いだったんだよな」おもむろにそれを頭に被り作業をしていると、やはり持ち主が小屋に入ってきた。
「それ誰のですか?」嘘を付きたくないので遙のと答えた。終わった。この変態行為を許す中学生はいないはずだ。頭からそれを外し破局の心構えをした。
「ならいいんですよ。他の子のだったらどうしようかと思った」信じられないことに俺は許されたどころか、遙はにこにこしていた。
「そう言えばパンツはスーツの色に合わせることにしたはずだが、遙忘れちゃった?」そう聞くと、急いで荷物を纏めたので下着が少ないんですと言われた。
わりと安いことで有名な衣料品店に行き、遙と下着他着るものを物色した。下着売り場に一緒というわけにはいかず、他の場所で暇を潰していると遙が帰ってきた。
「たくさん買えたのでさっき被ってたのは明義さんにあげますね」
えっと思い考えたが、夜のおかずに仕えそうなのでありがたくいただくことにした。狭い家に二人きりなので自家発電については深刻な問題だった。
家に帰ると遙が買い物したものを床に置いていたので、パンツに名前書いておこうかと言ったら背中をぽかぽかと叩かれた。
床に直に寝ていたが、実家から布団を送ってもらったので夜が楽になった。
あっちゃいけない高校生と中学生の同棲だったが、遙のあどけない寝顔を見ていると幸せな気分になった。もの凄く軽くキスしたのだが遙が起きてしまった。
「キス...しました?」はい、すいませんと言うと遙が抱きついてきた。
「やっちゃいけない家出同棲だけど、今が最高に幸せだ」
何も言わずに遙も頷いた。
「この小屋だけどなんとかリフォームできないかな」俊が提案した。
みなそれには同意したがどうやって?という疑問があった。
「みんなの魔法ぶつけてみなよ。良い家ができるよきっと」俺がそう言うとみんな外に出て一斉に魔法を照射した。
するとなんとお城ができた。ただ外観が明らかにラブホだった。それでもいいからと中に入ってみると謎の受付があり、使いたい部屋をボタンで押す仕組みになっていた。なんでこんなことに、そう思っていたら遙だけ顔が真っ赤だった、「ちょっとだけイメージしたんですスイマセン...」
ちょっとだけでこんなにディテールが忠実になるものかと訝しんだが、前の小屋よりずっと使えそうなので採用した。
「お風呂があるなんてすごいじゃん」有希が喜んだが丸見えだぞこれ。
「会議は一部屋に集まって、その後は男子と女子に別れよう」俊の提案が受理され、風呂は別々になった。一緒でも良かったんだが。
最近は洗濯も楽だし戦闘も申し分なかったので会議はすぐに終わった。
「明義、女子風呂覗きに行くぞ」強い意志で俊が言った。
「確かこの部屋って言ってたな。鍵は開くか、俊」問題ないと言うので二人で匍匐前進して前に進んだ。啓子が一番見たいっちゃ見たいがやはり遙を見たかった。
気づかれないようにゆっくりと顔を上げ風呂の中を見た。四人同時に入ったようで、それぞれの彼女を二人とも探した。すると遙が湯舟を出て洗い場に行くのが見えた。後ろめたい気持ちはあったが、修学旅行の高揚感的なものが勝りしっかり見てしまった。彼女だけ見ると慌てて俺は出た。
家に帰っても脳裏に焼き付いた遙の裸がフラッシュバックしていた。遙が服を着ていても興奮が収まらず、彼女を見ると気が変になった。きっと遙は裸を見せてくれと言えば見せるだろう。だけどそれは危険な一歩なのでできない。ああいう風に覗きなら気付かれることはないので俊に感謝した。
「なんか今日ずっと変だね。なにかあった?」
遙はわりと勘がいい。というより挙動不審男が前にいれば誰でも気付くか。
変な汗を流しながら俺は部屋に向かった。同時に遙も付いて来た。
彼女の疑いの眼差しがきつくいたたまれなくなった、「さっき遙が風呂に入ってる時に覗き見しました。本当にごめん」
「誰を見たの?啓子とか?」お前だけと言って土下座した。
「ちょっとしか見えなかったでしょ。今脱ぐから待っててね」
「ダメだ遙!赤ちゃんできちゃう」
そう言って必死で彼女がパジャマを脱ぐのを阻止した。言った言葉は本当で、今夜脱がれたら間違いなく一線超えるからだ。
「遙、毎日我慢してるんだ。軽々しく服を脱ぐとか言わないでくれ」
「明義さんの赤ちゃんなら欲しいな。ちょっと早いけどいいよ」
遙をベッドに押し倒しキスをした。だけど身体には触れなかった。
「やりたいからやる、そう思ってたらとっくに犯してる。二人の未来のためにずっと我慢するんだ。そう決めてるから遙も協力してくれ」
「はい」珍しく彼女は素直に従った。
「女子風呂、今日も行かないか明義」断ると俊は迷わず一人で出て行った。
あいつは気楽でいいな。俺なんて積極的に見せにくる彼女がいるんだぞ。毎日煩悩と格闘して勝たなきゃならない辛さを味わってみやがれ。
もの凄い勢いで俊が帰ってきた。全身ずぶ濡れだったので何が起こったのかわかった。
「どっちが犯人だ?今なら刑を軽くしてあげるよ」
有希が興奮気味に言ったが、ちゃんと見るまでもなく俊が逮捕され尋問を受けていた。
俊がお説教を受けてる間、真琴がずっと泣いていた。彼女に泣いてる意味を聞くと、俊に裏切られたと言って泣きじゃくっていた。
「有希ちゃん、真琴が泣いてるから慰めてあげてくれないかな。俊には蹴りを十発いれておくから」説教は啓子が変わり、真琴は有希を慰めた。
遙は恋人に積極的に身体を見せてもいいタイプだが、真琴は清い関係でいたいタイプだった。同じ女でも全く違う反応があるんだ。春香は見せてもいいタイプだった。俺はこの辺りの見極めがすごく大事な気がしていた。
「レッド、イエロー来るんじゃないよ」蔓系の本格的な触手をもった魔物にブルーとピンクが捕らえられた。特にピンクは巻きつかれ身動きが取れなかった。大きな胸がよく見えたので俺は興奮してしまった。しかしティッシュを鼻に詰めながら彼女たちを応援した。
「遙、打撃系二人が掴まったので厳しい局面だが、杖に魔法を纏わせれば殴れるんじゃないかな」そういうと彼女は杖に光を集め、一気に敵と間合いを詰め急所を殴打した。二人は触手から抜け出し、イエローはここぞとばかりに大電撃を放った。苦戦したがまた勝利だった。
「大変だったね。でもおめでとう」四人とも私に抱きつき喜んだ。
「ん?四人?真琴まで俺に抱きつくのはこの間の覗きのせいか」祝勝会でみんながお喋りしてる間に、俺は彼女に話を聞いた。
「覗きをするような俊は嫌いか」直球で聞いたら真琴は困ってしまった。
「もっとちゃんと長く付き合ってからならね、見せてあげてもいいよ。だけど無断で覗き見されたから裏切られた気がしたの」
彼女にしては随分と丁寧なもの言いだった。
「じゃあ俺の彼女になる?」冗談で場を和ませようとした。大切にしてくれるならと真琴が言い掛けたところで俺には彼女いるからと無理でしたと言った。
「何を真琴と話したんですか!」遙が血相変えて俺のところににじり寄った。冗談で俺の彼女になる?って言ったんだ。それでもお前がいるのに済まない。
「明義さんを譲ってっていきなり言うんですよ。びっくりしました」
「本気で俊と別れるつもりなのかな、覗きで。男だからその気持ちは分かっちゃうんだよな」遙もう~んと唸るだけで回答はなかった。
遙と俺のカップルは順調だった。中学生だから突然の変心はあるかも知れない。それでも今が一番大切なんだ。手を握り家を目指すと遙も手を強く握り返してきた。嬉しさで超新星爆発を起こしそうな気持だった。遙が目を閉じたのでキスをした。
「やっぱり見たいな、遙の裸」遙はきょとんとした顔になった。
「ここでいいの?」風呂場にお湯を溜めた状態で遙に入ってもらった。
「うん、だけどまだ手でしっかり胸隠してね」注文を付けて、ソフトに見せてもらう作戦だった。湯船の一番遠いところからチラっとだけ見たいんだ。
「片手どかして少しだけ立って」左手を下ろしたので、左乳房が露わになった。
「その状態で右手下ろして」今度は右の乳房も露わになった。
「一度座っていいよ」そう言うと遙はしゃがんだ。
次の命令を遙は待っていた。たぶん今のだけじゃ中途半端だ。
「両手を上に挙げてしっかり立ってこっちを見て」そう言われると遙は手を挙げ、まっすぐこっちを見て全身が見えるように立った。大事なところも二つの乳房も丸見えだった。1分程眺めて座ってもらった。
「どお?満足した?」遙の問いに大満足だと伝えた。
「綺麗だったよ遙、本当にありがとう」そう言うと遙はまた手を下ろし追加サービスをしてくれた。それをまた30秒眺めた。
布団で横になりながら遙が出てくるのを待った。さっきのことはいけないことなのだろうかと考えていた。好きな彼女の裸を見せてもらっただけの行為。無理矢理ではないしSEXはしていない。たぶん良し悪しの判断は曖昧だ。遙は普通に見せてくれる、もしかしたら見られて愛されてることを実感したいのかも知れない。
「お待たせ。どおだった?」また言われると可愛すぎて抱きしめた。
「エッチなことさせてごめん。だけど嬉しかったし興奮した」そう簡潔に言った。
横に寝ている遙はその乳房を触っても怒らないだろう。でも抱いちゃうからそれはダメだ。学校は卒業させてあげなきゃと思っていた。
「本当は抱かれて明義さんのものになりたい。でもまだダメなんだよね」
「ごめん。一緒に住んでて不自然だけどダメなんだ」
だから待っててくれ遙。俺はちゃんと勉強していい大学入っていい会社に入る。その日まではお預けなんだ、愛しい女。
明義は春香との関係を断つために一人暮らしを始めたのだが、遙が強引に転がり込んできた。彼女を幸せにしたいと明義は煩悩まみれで頑張っていた。