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【39】特訓

雪山で特訓する魔法少女たち。何故標高6000mに居なきゃならないのか分からない明義と俊。だが彼女たちは成長していた。しかし俊と真琴の仲がギクシャクしている。なんとかしてあげたいが明義には啓子攻略という大仕事が待っていた。

「どんな状況なんだこれは、なんで雪山で穴を掘って寒さに耐えねばならんのだ」

「特訓だそうだ。魔界最高峰6000m級の山でやることに意味があるそうだ」

俊の疑問は最もで、単に形だけだろうとは思う。

だが遙の強い意志で、もっと強さを求めて行きたいのだという。気持ちだけでも満足してくれたらいいので、我々は極寒のかまくらで登山食を食べていた。


「そもそも太陽の中心のがずっと過酷だったんじゃないのか」

俊がまだ納得行かないようなので、ポルックス・イエローの撮影を始めたらとんでもなく強い力でカメラを取り上げられた。

「俊って真琴のこと好き過ぎだろう。追ってばかりだと逃げられるぞ」

恋愛強者の俺の言葉に彼はうなだれた。

何故かモテ過ぎるだけなので、本当の恋愛の達人とは呼べない。だが彼女たちと接するうちに駆け引きというか引くところは引くという技は身に着けていた。


「もの凄く寒そうだね。温まると思ってカトラ連れてきたよ」

ピンク・プレアデスの気遣いのお陰で、噴火するカトラでかなり温まった。

それにしても戦闘服というレオタードだけで、標高6000mでもまったく問題ない彼女たちに驚愕した。あれを着たら俺たちも温まるんじゃなかろうかと思い、遙と真琴をにスーツを借りようと提案したら俊の鼻から大量の血が流れ凍った。


『レッド・ウィング!』遙の必殺技の切れ味が上がったように見えた。

他のみんなも自身の技をより強大なものにしようとしていた。啓子の『大剣』は山頂を削り取ってしまったので標高が下がった。

「ポルックス・イエロー、パープル・スター、まだ火力が足りないよ。この山の有希を全部熔かすつもりで技を繰り出して」

レッド・ペガススは無茶を要求したが、イエローもパープルも必死で出力を上げていた。足手纏いは嫌だというのは全員に共通してるようだ。


珈琲を飲みながらかまくらで温まっていると、エースの遙がやってきた。

「こういう場所は気合が入るね。みんなも頑張ってる」

俺の珈琲を奪って彼女がそう言った。

きっとエースとして危機感を持っているのだろう。この場所で特訓することに意味はないが、みんなの士気を鼓舞するにはたぶん合っていた。

「でも無茶は困るからな。雪崩で俺たちが死んでしまう」

一応気を付けるねと言って遙はあっという間に飛び去ってしまった。


「遙が気合入れるのはいいことだが、なんで俺たちまでここに居る」

「保護者だからかな?」

俺にも訳が分からなかったので適当に返事をした。


続いて真琴がやってきたので戦闘スーツを舐めまわすように見た。ぺったんこに見えるが僅かに成長してるのが確認できた。俊の肩固めの痛みに耐えながら彼女を観察した。

「ちょっとなんでずっと見てるのよ。そしてなんで俊は見ないの?」

攻撃対象が俊に移ったので肩を抜くことができた。

俊は一緒に寝ただけでもう我慢できないくらい真琴が好きなのに、行動力が伴っていなかった。見本を見せるため彼女の手を握り温めてあげた。すると彼女の顔が赤くなってしまい、やり過ぎたと思って俊を見ると何故かしょげていた。


「真琴を攻略する気なんてないから元気を出せ。けれど技は掛けるな」

「お前だと本気で怖いんだよ。頼むから彼女に近づかないでくれ」

弱気すぎる俊を最近よく見る。付き合って一年近く経つのにまだキスすらしてないのかも知れない。これは彼女から直接ではなく、仲のいい遙から聞き出そう。


すると地鳴りが鳴り山頂から雪崩が起こった。素早く真琴に乗り込んだのは俺だった。命は大切にだ。俊は駆け付けた啓子の背に乗って避難した。


「俊じゃなくてごめんな。あいつは啓子が助け出したようだ」

「いいのよ俊のことは。優しいんだかヘタレなんだかわからないわね」

真琴の俊への評価がヘタレに傾いて来ていることを感じた。

自分にヘイトが向くようにお尻を触ったが、彼女は何も言わなかった。


基地に戻っても真琴は俊ではなく俺に話し掛けてきた。

この展開だけは絶対ダメなことだけは分かる。かと言ってセクハラしても怒られなかった。逃げなきゃいけないのだが好奇心が上回り彼女とそのまま会話を続けた。

「もう遙と同じくらいあるんじゃないかしら」

そう言ってスーツのままの胸を見る様に真琴が促したので、興味がない訳がない俺は、鬼畜モードが発動しじっくり眺めた。

「いや、それ見せるの俺じゃないだろ。俊がめちゃめちゃ見たがってるって」

そういうと彼女は小さく溜め息をついた。


どういうことなのだろう。活火山魔物の温泉に二人は一緒に入っていた。順調そうに見えたのに真琴は明らかに不満そうだった。

「確かに温泉に一緒には入った。だが見てない、ずっと後ろを向いていた」

俊がヘタレ過ぎだったことが判明した。

「そういうのを誠実とは言わないぞ。むしろ失礼だな」

うつむきながら俊は頷いた。


この元生徒会長は頼もしく強く勇敢だった。ただ彼女にはやたらと弱腰で呆れる程だった。二人の問題は二人で解決するべきなので取り敢えず尻を触れとアドバイスした。


家に戻りやや遅い夕飯になった。

有希がたらこスパゲッティを作り、遙がその上にハーブを乗せていた。そして春香がコーンスープを作っていたのでお尻を触った。睨まれたが怒ってはいなかった。

「私のお尻に触らなかったことには憤りを感じます」

いつもの有希だった。


「ところで有希はなんで白髪に染めたんだ。とても似合ってるけど」

「先日アニメを見ていたら似合いそうだと思いやってみました。可愛いですか」

とても良く似合っていたので絶賛した。墨田女子は風紀が緩いなと思いながら。

「私は何色がいいかな。赤がいいかな」

啓子の赤髪を想像したがしっくりこなかった。それで今のままで可愛いと答えた。


「啓子、今日も夜来てくれる?世間話ではなく」

俊のようなヘタレ野郎ではいけない。雰囲気次第では押し倒し...

「それより今日、真琴のお尻を触ったでしょう。そういうのは嫌だ」

一番バレてはいけない子に知られてしまった。神は悪事を許さなかった。

「俊と真琴が上手く行ってないんだよ。それで自分にヘイトが向けば良いと思ってやってしまいました。嘘付いてないからね?」

「憧れの明義さんに触られて言葉が出なかったんでしょ。あの子のツンデレは作りものだからね。だからそういうことしちゃダメ」

背筋を正してきちんと啓子に謝った。それと本人にも謝罪すると約束した。


皿を洗い終えると二人でソファに座った。二人でグレープフルーツジュースを黙々と飲んだ。啓子とはやはりなかなか上手く行かない。誠二に返すべきという弱気が顔を出してきて、それは彼女に失礼だと思い頭の中から消した。

「ちゃんと行くけどどうしたい?押し倒して大人にしてくれるの?」

はっきりとは言えないけどそのつもりだと毅然と答えた。


啓子は有希と一緒に最初に風呂に行った。すぐに下着を盗みに行く癖がある俺だが、彼女に対しては嫌われたくない気持ちが強くそれが出来なかった。

湯上りの啓子を見て本当に美しくて、そして好きだと実感できた。それだけ確認すると自分の部屋に上がった。


部屋に来た啓子は、デニムのパンツとボタンの多いブラウスだった。

脱がし難い服装で牽制しているようだ。だが別にそれだけが目的じゃない。彼女の不安を取り去れるのならそれが一番なのだ。

「スウェットから着替えたんだ。似合ってるし可愛いよ」

彼女は満更でもない顔をした。

「ハーレム王の落とし方は褒め殺しかな。勉強になるよ」

啓子が挑発してきたが反論はしなかった。


「言い訳にしか聞こえないだろうけど、女の子を口説いたことはないんだ。たぶんこれから初めてそれをやる」

「みんな初めから狙ってたからね。真琴が一番に目を付けてたんだよ」

真琴の話は聞きたくなかった。親友の彼女だから上手く行って欲しいからだ。

「啓子には色々警戒されてるのは知ってる。自業自得だから。だけど魔界鉄道ではっきりと自覚した。誰かに渡したくはないと。誠二には悪いけど」


啓子はベッドの上に腰を掛けたので、その姿をじっと眺めた。

「安心していいよ。まだ不安を感じてる女の子を無理矢理押し倒さない」

「え、そんなことない。ちゃんと覚悟決めて来たもの」

覚悟を決めて来たのなら、そんな武装みたいな恰好はしない。


「そんなに乱れてる?ここの風紀。それには凄く気を遣ってるんだけど」

「いや、お尻を触るくらいで予想してたのとは違った」

気は相当使ってるんだ。有希は不満そうだけど滅多なことでは抱かない。

啓子がこの家で乱交が行われているという予想は外れた。もう少しで落とせそうだけれど、あと一言が出て来なかった。出せるとしたら“抱きたい”だからこれはダメだ。


二人で今日の特訓の話しとか魔物の話をした。これは世間話の範疇でこの日はもう諦めていた。もっと馴染んでもらってから啓子に決めさせることにした。

「ブラウスのボタン外してよ。これ面倒くさいから普段は着ないんだ」

意外な彼女の一言に黙って従った。

デニムは彼女が脱いでくれて、下着姿になっていた。


後悔しないよう、間違えてもいいから啓子をベッドに押し倒した。大きな胸がブラ越しで見え、触れていいものか迷ったが、女の子に恥をかかせたくはないので後ろに手を回してブラを剥ぎ取った。そして彼女の上に跨り反応を待った。

「啓子に決めてもらおうとか卑怯なこと考えてた。でも俺の意志で抱くから、嫌だったら拒否してくれていい」

「ちょっと怖い。ちゃんとリードしてね」

彼女の言に従い、ゆっくりと愛撫していった。


実は三人を捨ててでも啓子に走ろうとしたことがあった。家庭的な彼女に惹かれていて、二人だけの未来を考えてもいた。結局は三人を選んだのだが。

「気持ちいいか?まだだったら全身をやさしく触れるが」

気持ちを聞くまでもなく彼女の下半身が濡れていたので、自分のモノをゆっくりと啓子の中に入れて行った。痛みに顔が歪んでいたので本当に慎重に押し込んだ。

「痛いけど気持ちいいから、後は任せたよ」

大きな乳房を揉みながら、軽くキスをして下半身を動かした。人として鬼畜だとかそういうことは考えない。だから受験を捨ててまでここに居るんだ。


「啓子、気持ち良過ぎだからもう出すから」

そう言って欲望を彼女の中に吐き出した。彼女は既に気持ち良さで果てていた。

終えるとティッシュできちんと拭いてあげた。


汗でべとべとだから風呂に行こう。啓子が良ければだけど。

「うん、いいよ。ってあれ」

腰がガクッとして彼女が動けなかった。急いで有希にヒールを頼んだ。

「こういう雑用係に使われてますね。待遇改善を所望します」

彼女にはちゃんとお礼するからと言って置いた

「啓子を私の部屋に返してもらいますよ。まだ痛むみたいだから」


啓子と一緒に寝ようと思っていたのに一人になってしまった。

すると遙が何も言わずにベッドに潜り込んできた。

「聞こえちゃった?嫌だったかな」

「いいんだよ気にしなくて。私が望んだ大家族だから」

遙は我慢をして嘘を付く。他の子とヤッた後に来たのは強がりだろう。

だけどその遙がこの家の実質的な家長だ。もぞもぞ動く彼女を抱きしめながら、小さな声でこれからもよろしくと言った。


もう四月だから啓子は高校生だった。

別に何が変わると言う訳ではないが、最年長の彼女には期待していた。常識が壊れている三人に対し彼女は普通だ。それが大事な気がしていた。

「明義さん、おはようございます!」

やけに元気な啓子だった。もう歩くのもあまり痛く無い様でホッとした。


朝食まで時間があったのでペットを連れて家の傍を散歩した。近所だった啓子の家にも立ち寄ったが、本当はここで暮したかったのだろうと思うと胸が痛んだ。


以前、魔の木に襲われて二人で危険な思いをした場所になった。今の啓子ならあの程度の敵は雑魚だから安心して草原に座れた。

「優しくしてくれてありがとう。気持ち良かったよ」

「痛いのは嫌だろう?だから凄く慎重にヤッたよ」

啓子が腕を組んで寄りかかってきたので、俺も少し彼女に寄った。


「いい雰囲気のところすみませんが、朝食の時間です」

白髪の有希がオタマを持ってやってきたので家に帰った。


「明義、助けてくれ。真琴がずっと冷たいんだ」

こちらのカップルは思ったより深刻だった。

俊の強さや強引さが真琴には発揮されていないようだった。好き過ぎて大事にし過ぎることは分かる。だが彼女の要望を応えなければならないはずだ。


「ヤらなくていいから魔界樹のホテルに泊まってこい。真琴が嫌がっても強引に決めろ、それくらいしないと本当に逃げられるぞ」

俊は分かったと生徒会長だった頃の顔に戻った。

「当日は全員で魔界樹で特訓するから、遅くまで引き付けてそれから泊まればいい。俺も誰か連れて泊まるから」


「明日、魔界樹に行こう。強くなったみんなを見せるいい機会だ」

特に異論は無かったので特訓第二弾を行うことにした。


魔界樹は最初から最大シールドを張っていた。遙はそれに挑み一歩も引かなかった。数カ月前とは違い大きな進歩だった。

『レールガン!』ポルックス・イエローが放った電撃が魔界樹の練習用の的を貫いた、「行きますよ!『リアルラヴ!』」春香の光線も魔界樹にダメージを与えた。

魔界樹のダメージが大きかったので、ピンク・プレアデスとブルー・オリオンがヒールを施した。すると魔界樹が真っ赤に光って、魔法少女たちを煽った。


「これは本気だぞ。遙行くか?」

「いえ、私が行きます『コスモソード!』」

強い攻撃だったがシールドに阻まれ樹まで届かなかった。続いてピンクも大剣で攻撃したが、やはり同じだった。

『リアルラヴ!』『レールガン!』パープル・スターとポルックス・イエローの同時攻撃でやっとシールドを超え魔界樹にダメージを与えた。


「ここまでここまで、十分だろうもう。力も付いたしもう夕方を過ぎた。みんなでそろそろ家に帰る準備をしてくれ」

そして強引にでも真琴を引き留めろと俊に伝えた。

「もう遅い、真琴、ここで今日は泊まって行こう」

「何言ってんの?そんなことできるわけないでしょう」

ここまでは想定内だ。親友のために一肌脱がねばなるまい。


「今日は有希とここで泊まることになってるんだ。真琴たちも一緒だとありがたいんだが、どうしてもダメか?」

また雑用に使われたと気が付いた有希が腕を噛んだが気にしなかった。

「仕方がないわね。今日だけだからね」

俊の顔が久々に男らしさに満ちていた。


魔界樹は宿泊客が居る印に発光した。そして新しく出来た露天風呂が見えた。

「外から丸見えじゃない!あれは入らない」

俊が弱弱しい顔で一緒に入って欲しいと懇願してきた。

岩で男湯と女湯に分けることもできたので、なんとか真琴を説得した」


「男女の仲がこんなに難しいものだとは思わなかった。勉強のが全然楽だな」

湯船に浸かりながら俊がそう言った。

すると有希が男湯に素っ裸で入って来たので、悪質タックルで倒して湯船に沈めた。彼女は自由過ぎるので何をするか分からなかった。

「俊見てないよな?それよりお前は女湯に行ってくれ」


「何してんの痴漢!早く戻って」

真琴の言葉にもう俊は動揺しなかった。

「少し見るだけだ。それすら俺には嫌か?」

意外な言葉に彼女は驚いていた。

両手で隠した腕を外すか真琴は考えていた。前の温泉では見せてあげるつもりだった。


「少しだけだからね。でもちゃんと見なさい」

ほんの少し膨らんだ乳房を俊の前で真琴は見せた。

「ありがとう真琴、俺は性に臆病だったがお前だけは欲しいんだ」

きちんと攻めてる俊を、俺と有希は覗いていた。

「有希のがほんの少し大きいな」

裸体に慣れてるのでつい言ってしまい、また彼女に噛まれた。


四人は浴衣に着替え星空を眺めた。気を利かせた魔界樹は光を消した。あの星空をいつまでも見られるように魔法少女たちは悪から守る。

二人がどうなるかは応援しても分からない。でも俊は勇気を出して真琴との関係を進めた。恋愛もする魔法少女たち、当たり前のことでそれがないと嘘くさく感じる。

「俊、寝室で真琴に迫るのか?」

「いや、それはない。ゆっくりと攻略していく」

それでいいと思う。だが有希はヤル気満々だったので、どうしようかと悩んだ。


二組のカップルがその日ヤろうとヤるまいと、また魔物は襲ってくる。小さなことだが、でも大切なことだ。幸せになるために今は生きているのだから。












魔界樹で泊まることになった真琴と俊。へたれていては振られると考えた彼は温泉で彼女の裸を見たいとはっきりと言った。真琴の信頼を取り戻した俊、有希に噛まれる明義。幸せを目指すと言う意味では彼らは変わらなかった。

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