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【31】巨大彗星

現れた巨大彗星が破壊されるという。魔物の動向を探りながらも、そのための特訓を行う魔法少女たち。一度壊れかけた家庭は円満で、春香と明義はその仲を深めてゆく。

我が家がギクシャクしている間に、世間では巨大彗星のことで話題が持ち切りだった。ブラック・サンを倒したばかりなのに人々は呑気なものだった。近日点を超え二度目の接近が一月後には予想された。月より大きな視直径で既に肉眼でも簡単に観測できた。


「啓子:巨大、春香:中、遙&有希:やや小、真琴:?? 乳サイズ穴埋め問題だ、俊ならわかるだろう」

「見たことも触れたこともないのに分かるか」

結婚したのにまだなんですかと煽ったら大外刈りを決められ頭を打った。

「命に関わる技を使うとか卑劣な」

ちっちゃいとは言え真琴は結婚を望んでいる。なんで何もないのか。

「普通だろう、お前みたく全員に手を付ける外道は死ね」

俊はやっかみが少し入って言葉で俺を罵倒した。


魔界の民は俺にもただで食料品を売ってくれるようになった。婚姻届けが効いたようだった。偶然啓子もその場に居合わせた。何故か変身してたので巨大なメロンがたわわに実っていた。

「明義っちゃん、久しぶり。どうもここばかり見てたようだけど触っていく?」

明らかな罠だったので、必要な物を買うとすぐに家に帰った。


新鮮な〇△✖が手に入ったので有希頼むな。

「食事の支度は慣れています。夕飯は期待してください」

昨晩抱いたばかりなので有希の身体を凝視していた。手錠や足枷、首輪を今度使ってみたいと思ってしまい、頭を壁に打ち付けた。

「脱ぎますか?裸エプロンの準備はできています」

外道過ぎる己に反省し、それには及ばないと言って部屋に向かった。


エロに弱すぎる。そのせいでここに帰ってくることになってしまった。

それはそうと大彗星について魔界書を調べた。人間界と基本天体イベントは同じなのでハレ―彗星については大きく書かれていた。問題なのは最近現れた彗星だ。魔界書では最近のことなのに大きく取り上げていた。この本は更新するタイプらしい。巨大彗星のイラストも付いていた。


『一見ただの巨大彗星だが、地球と最接近の際崩壊する可能性があり』


またしても地球の危機だった。

規模は太陽コアの膨張よりも小さいが、即致命傷を与える点で脅威は上だ。


「基地で会議を行っている。お前も来い」

俊に呼ばれてすぐに行ったが、何故か誠二も参加していた。

「これを巨大シールドで防ぎたいんだよ。お母さんに手伝ってもらう」

遙を中心に彗星崩壊後のシミュレーションを画像付きで行われていた。

「遙ちゃんたちが太陽膨張危機を救ってくれたんだよね。惚れちゃうなあ」

ハイキックを誠二に食らわせ会議を続けてもらった。

「大きすぎるサイズの彗星の欠片は破砕しないといけません。主に私と啓子の仕事ですが、まずは真琴のレールガンで砕いていただけたらいいと思います」

凛々しい有希も可愛いのでデレっとした顔で見つめていた。

「遙と私の光線でも出来ますよ。ただ大きさの調整までは難しいです」

春香もやる気いっぱいだが、迷いがあるようだった。


「普通に考えてこれだけでかい彗星は砕けないぞ。しかも近日点も通過しているし、何の根拠があるんだ」

「根拠ならいくらでもあるだろう。宇宙に行ける魔物がいるんだぞ」

俊に言われなくても知ってる、知ってました。常識の話をしただけだ。

「宇宙に出る前に魔物を撃退させちゃえば?遙ちゃんたち強いんでしょ」

誠二はまともなことを言ったが、遙の名前を出したので頭に痛い拳を入れた。


地球最接近までは一カ月あったので、彗星の進行状況を待って再会議することにした。遙と真琴は魔界樹で特訓するという。後の三人は怪しい魔物を見張るという。


「誠二って遙のこと好きなのか?見る目が違うぞ」

「そりゃ、墨田女学院の内田遙って言ったら誰でも知ってる。当然好きだぞ」

遙が断トツの一番人気だということを失念してた。そうでなくとも確実にモテる。

「真琴もキュートだぞ。そっちにしないか」

当然だが俊の一本背負いをもろに受けた。

「あとは啓子ちゃんかな。あのでっかい胸は捨てがたいだろう」

啓子は俺に告白してる。だが一番の扱いじゃなきゃ引くと宣言していた。


学校を終えると外には有希が待っていた。この子も相当人気があるので、窓際がいつも騒がしくなる。そんなこと気にせず会うまでだが。

「遙と真琴が魔界樹で特訓してるから、こっちも活火山魔物で特訓しないか」

単に有希の変身姿を見たい下心だが、快く彼女は賛成してくれた。


「夕飯前にやっちゃおうトマトとカトラは俺が持つから」

有希がコスモ・ソードの構えを見せたので、それだと彗星の核を破壊はできるが、その後飛び散った屑の破砕処理はできないと進言した。

「こうですかね」

有希は短剣を無数に出し、全身をそれで覆った。

「もっと出せないかな?百万くらい」

無茶振りをしたが、本人が見えなくなるくらいの無数の短剣を繰り出した。


「行きます。耐えきれないようなら言ってください」

活火山魔物にそういうと無数の剣を噴火口に浴びせた。

この程度は熔かせるというので山は余裕で有希の攻撃を捌いていたが、数万以上の剣を有希が繰り出すと流石に疲労の色が見えてきた。

「ありがとうございました。次はもっと小さな剣をつくりますので」

活火山魔物に礼を言ってその場を去った。


帰りが遅くなったので春香が夕食の用意をしてくれていた。

「有希の特訓に付き合ってきた。いい技が完成しそうだ」

「こっちはイマイチかな。怪しい魔物が多すぎてどれだかわかんない」

それもそうだ。雑魚魔物から怪物魔物までたくさんいるのが魔界だ。


「ただいまー、真琴ちゃんと特訓してきたよ」

遙と真琴が入って来たので、食事を終えた有希と俺は席を譲った。

「二人とも順調よ。彗星の核は極力壊さず、崩れた破片だけ消滅させるの」

真琴の言葉で今回の作戦が統一されてきた。

今回の彗星の核は20km超と巨大だとわかっている。だからこれを丸ごと破壊してしまうとおびただしい星の屑が飛散する。なるべく核を残して星屑を消滅あるいは小さくすることだ。有希の技は後者だ。

「お母さんは地球にシールド張ってくれるらしいよ」

規模が大きすぎて成功する気がしなかったが、あの魔女ならできそうだ。


「マイラブリーシスター春香ちゃん、一緒に彗星見に行かないか」

そう言うと喜んで春香は外に出てくれた。

「これだけ大きい彗星を壊しちゃうのもったいないね」

「壊すのが目的じゃないだろ。崩れた部分を破壊するんだ」

長い尾を引く歴史的な大彗星。簡単に魔物に壊させてなるものか。

トマトとカトラも巨大彗星をじっと眺めていた。不吉と言えばそう見えなくもない、ただ最高の天体ショーなのだ。


「魔界樹に行こう、春香。もっと話がしたい」

変身した春香に乗って、われらの魔界樹に二人で向かった。

幹を下に引くと地下への入り口が開くことが最近わかった。階段を下っていくと明かりが灯っている部屋もあったので、更に下の部屋に向かうことになった。

「お兄ちゃん詳しいね、何度か使った?」

「遙と泊まってるよ、何度か」

そうなんだと言いながら妹は部屋に入ってくれた。


切り株ベッドに二人で腰掛けながら、持参したホットコーヒーを飲んだ。

あり得ない実の兄妹の結婚。魔界の市役所で受理されたとは言えあれは本物だ。魔界民はみんなそうしていて、我々も魔界に住んでいる。

「俺たちは魔界と人間界を行き来できる。だけど住民登録は魔界だ」

「言おうとしてることはわかるよ。夢みたいだけど本当だよね」

妹が可愛すぎたので乳房に触れながらキスをした。


「真琴と俊はこちらで籍は入れたけど初夜はまだみたい。俺たちはどうする?」

女の子に決めさせるのは卑怯だと思ったが、春香に決めて欲しかった。

「お風呂入ってくるね。一緒に来てもいいよ」

誘われたのも同然なので一緒に入ることにした。

「あ、春香ダメだ。今日だと妊娠した場合失敗する」

そもそも14才で妊娠の時点で失敗だが、そうではなく日周りが悪かった。


「ごめんね、気を遣わせちゃうね」

春香がそういうので軽いチョップをした。

「ちょっとだけ普通より面倒なだけだ。お前が気にしなくていいんだよ」

全部出来ない分二つの乳房を持ち上げて、長いキスをして愛情を表現した。

「避妊なんて100%はないんだから、慎重にするにかぎる」

本当はもの凄くしたかったので、それに気が付いた春香が手で出してくれた。


『リアルラヴ ディヴァイド!』

春香の攻撃は魔界樹全体に広がって拡散していった。

一点集中のリアルラヴよりも今回の対彗星作戦には有効だった。光線がばらけて行く様は美しかった。それにパープルのドレスも、パープル・コスモからは有希たちと同じレオタード型で、シンプルで見惚れるものになっていた。

「お兄ちゃん、いつも見ていてね」

妹が可愛くて目が離せなかった。


「けっこう寝ちゃったな。五時だ、家に帰ろう」

二人で帰宅の支度をして、レオタード姿の春香に乗って帰った。

「ここはみんなぎりぎりまで寝てるからな。俺が朝食の支度をするよ」

サンドウィッチの支度をすると、妹も卵を茹でてくれた。

「早いね二人とも、どっかで泊まってた?」

「遙とも泊まったことある魔界樹の地下だよ」

そっかと言って遙はテーブルに着席した。サンドウィッチを俺は持って行った。


有希はいつの間にか春香と変わって手伝ってくれていた。

足音を立てないから、彼女の存在に気が付かないことが多々ある。猫っぽいので嫌いじゃないが、びっくりすることもある。

「魔界ハムちょっと足りませんね」

冷蔵庫からもう一塊出してきた。最初は痺れたりしたがもうみんな平気だった。


『今いるから会えない? ~啓子~』


「啓子に呼ばれたから行ってくる。たぶんすぐ帰る」

彼女はいつも魔界にいる訳じゃなく、気が向いた時だけ泊まっている。


「いきなりで悪いね、実は聞きたいことがあって」

そういうと彼女は誠二の連絡先を教えて欲しいというので画面で見せた。

「競争率高すぎるとこからは降りようと思って、ありがとうね」

誠二もわりとモテる方だが、気に入っていたなそう言えば。


「俺が第一希望だったとか死んでも言うなよ、あいつはプライドはかなり高い」

わかったと言って手を振って飛び立っていった。

一つ問題が解決したわけだが、もったいないことをした気持ちが残った。

しかしそれは余りにも身勝手なな発想だった。三人との同居生活が破綻したら、啓子という逃げ道を作って置こうとしたのだから。


「お兄ちゃん、あれ」

魔の木が宇宙用?ヘルメットの装着練習をしていた。こいつはもはや雑魚だが、数が多いのが厄介だ。敵性魔物なので見つけ次第退治するしかない。

「今から狩ってしまったら警戒するだろう。もう少し地球に近づいたら一斉にみんなで攻撃して倒そう」

敵の正体がわかったのは収穫だった。


「春香には関係ないけど、啓子が誠二を狙うらしい。恋愛的に」

「あれ、啓子はお兄ちゃんを狙ってたよね?」

「諸事情があってターゲットを変えたらしい。啓子にはいいことだ」

春香はキョトンとしていたが、なんとなく意図はわかったので何も言わなかった。


「変わっていくのかな、みんなも」

「そりゃあそうだ。ただうちはダメだぞ、何度も家族解散はできないから」

うんと言いながら春香は晴れやかな顔だった。色々と吹っ切れた顔だった。

有希と春香の気持ちはわかった。だが、大家族を望んだ張本人なのに、その気持ちがイマイチわからないのが遙だった。近々連れ出して本音を引き出さなければと思っていた。大彗星での決戦前より後の方がじっくり話せるだろう。






















啓子が明義を諦めると言ってきた。止める理由はないが、啓子のことも気に入っていた明義は複雑だった。魔法少女たちに関わる人間関係が変わって行こうとしていた。

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