表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/60

②シスコン卒業

魔法少女たちの洗濯物を洗う毎日の明義。しかし彼女になったレッド・ペガススこと内田遙の仲は順調だった。参謀として連れて来た生徒会長の松田俊 も協力してくれることになった。そんな日々を過ごしているうちに実妹に拘ることが無くなった明義だった(それでもパンツは覗く) そんなある日過去最強の敵が現れ最大のピンチに、魔法少女たちはどう切り抜ける?

魔法少女たちは本当によく衣装というかスーツを汚すので、洗濯に追われる日々だった。昨日は遙もだいぶ汚したので、彼女の下着だけは手洗いした。間違えないようにみんなのスーツの色に揃えて下着を穿いてもらっていた。

今日はたぶん戦闘はないので、前に言った通りうちの生徒会長を連れてくる予定だった。だが洗濯ばかりでは飽きてしまい辞めてしまうことも十分考えられた。

「こんにちは、明義さん」改まってさん付けしないでもいいと言ったが、遙は先輩なのでけじめですと言ってこの呼び方になった。


「他の子たちはまだなのかな。ならその辺をふらふら歩こう」そう提案したら、遙は嬉しそうに手を繋いで付いてきた。可愛い彼女が嬉しかった。

「改めて見ると奇天烈だね。小屋と道は和風で、大聖堂や要塞もある。誰のセンスでこうなっかたはわからないが、手直しが必要なレベルだ」

遙は頷きつつも、変えられるのかどうかはわからなかった。

「奇天烈でも明義さんと一緒なら気になりませんよ」嬉しいことを言われて照れてしまった。そもそもこれほど好かれる理由がわからなかった。


少し歩くと教会があった。建物を見るとロシア正教っぽかった。

「こんなところで結婚式挙げられたら最高だね」一般論として言ったら、遙は真剣な顔で見入ってそうなるといいねと俺を見ながら言った。

付き合って間もないからアツアツなのか、それともお互いの好き度合いが強いからなのか俺の顔も真っ赤になっていた。

「いつの間にか可愛い彼女が出来てるな、明義」

いつの間にか魔界から抜けて商店街を歩いていたら生徒会長が待っていた。


「明義の同級生で生徒会長の松田俊だ。よろしく 」先に挨拶をされた遙は焦った。

「あ、あの内田遙と言います。まだ駆け出しですがよろしくお願いします」

満点の挨拶だったことにホッとした。俊は人をよく見てるからだ。

「突然暗くなったがここはどこなんだ。どこでも構わないが」俊は落ち着いていた。魔法少女たちのことは知っているだろうが、もっと研究してそうだった。

少し歩いたら魔法少女小屋(仮)に到着した。俊は入る前に小屋周辺を見渡していた。どこにも妙な仕掛けがないと確認すると小屋に入って行った。


「こいつがあんたの学校の生徒会長ね。よろしく」そうポルックスが言ったので頭の上に痛いチョップをかました。年長者への態度じゃないからだ。

ブルーとピンクも自己紹介したが、こちらは無難だったので頭を撫でた。

「お転婆ちゃんもいたようだが他の子はしっかりしていた。手伝うかどうかはこれから決めるがひとまずよろしく」ポルックスは頭を抑えながらお辞儀をした。

「かなり幼く見えるんだがみんな歳はいくつなんだ」そう俊が聞いたので、個人情報はすべて秘密にしていると言ったら納得してもらえた。俺も実は知らない。


「実は会長さんには戦闘の確認やアドバイスをもらいたいんです。敵が毎週強くなっていて、このままじゃ誰か怪我してもおかしくないんです」ブルーが真顔で俊に言った。

「どういう原理で空を飛んだり魔法を使っているのかわからないのでそれは無理だ」彼が言ったことは正論だ。遙も高いところから堕ちてきたが無傷だった。

「謎なところは置いておいてください。みんなもそれは知らないので。だから戦いに無駄があるかどうかだけ見て欲しいんです」ピンクの頼みに彼は頷いた。


「みんないい子たちじゃないか。お前の頼みじゃなかったら来なかったが、来てよかった」会長は魔法少女たちが気に入ったようだった。ついでに誰が一番気になるか聞いたら黄色い子だという。矯正のし甲斐がありそうなとこがいいらしい。


Sモードに入ってしまった会長と別れ遙と歩いた。

「クレープ屋があるね。奢るけど食べて行く」そういうと嬉しそうに遙は頷いた。

手を繋いで歩きながら妹の春香との関係を聞いた、「親友とまではいきませんが、春香ちゃんは頭も良くて運動神経もよく憧れなんです」

妹が褒められて嬉しくないはずがない。だが最近は妹への執着が殆ど無くなっていた。もちろん遙の存在があるからだ。


「お兄ちゃん、今日の私の下着の色は?」今日は見ていないからわからなかった。それどころか最近は春香のパンツを見ていなかった。

「今まで私が部屋に戻る時はいつも下から見てたからね。遙のお陰で真人間になれたんだから感謝しなよ」

シスコンをやめる?今まで考えてもいなかったことを指摘され動揺した。

「春香それは違う。俺は確かに遙と付き合っているが、お前への愛を捨てた訳じゃない。最近はちょっとおかしかった。明日からちゃんとパンツを見る」

クレイジーシスコン続行宣言をしたら、春香から部屋を追い出された。


翌日は魔法少女の仕事は何もないので普通に塾に行った。

「明義があんなに照れたりしてるのは初めて見たな。ずっと狂気のシスコンだったから、真っ当な人生は送れないと思っていたよ」この成績トップの俊は、俺とはなんとなく仲が良かった。俺の成績が三位なのも関係してたのだろう。

「まだ妹の春香が一番で遙はその下だ。何も変わってないぞ」

そう言ったことに対して自分の心が痛んだ。真っ直ぐに好いてくれる遙に失礼な言葉だったからだ。罪悪感を消すために明日デートに誘おう。

「俊も黄色いのと付き合ってみたらどうだ。恋愛の素晴らしさがわかるぞ」

意外なことに俊は考え込んでいた。よほど好みだったようだ。


「内田さんとは上手く行ってるのか?羨ましい限りだが」俊も狙っていたのかと思い嫌な汗をかいた。だがこの男はたぶん横恋慕はしない。プライドが高いからだ。

「遙が空から制服で降ってきたんだ。注意はしたんだがスカートとパンツが脱げてしまい今に至った」事実だったが正しい説明とは言えなかった。

「好かれた理由は分からない。だけど一生懸命なところに惚れたんだ」

そういうと俊は納得して、小声で俺も頑張ってみるかと言った。


「遙の声が聞きたくて通話してしまった。キモいか?」そういうとまったく全然そんなことないですと遙は言った。彼女にtelする日が来るとは予想してなかった。もともとモテる方ではない自分だから劣等感があったんだ。それが過度なシスコンに走っていったのが真相なんだろう。

「今度の戦闘で頑張ったらご褒美あげるよ。財布の限度以内で」

「あ、じゃあこの間は大勢いたからできなかったことをお願いします...」


次の戦闘は張り切って見ていた。遙にご褒美を上げたくて必死だった。

しかし、遙は敵の触手に捕らえられピンチだった。ブルーがキックで応戦していたがダメだった。イエローが渾身のビームを出し、遙を助け出したところでピンクのパンチで敵は消滅した。隣でモニターを見ていた俊は頭を抱えていた。

「四人とも全然ダメだ。魔法少女なのに物理攻撃に頼ってどうするんだ」

俊の指摘は正しかった。ただし私はどうしても遙にご褒美をあげたくて、敵を惹きつけていたレッドがMVPだと主張した。

流石にMVPは受け取れないと遙は落ち込んでいた。最初に敵に捕まったことで足を引っ張ったと思っていた。落ち込んでる遙を慰めるので必死だった。

「みんな魔法少女の意味を考えろ。魔法を使って敵を追い詰め、魔法で敵を殲滅しなきゃその名前を変更するべきだ」俊の追求は鋭く、刃のようにみんなに突き刺さった。俺も知っていたことだが、緩い戦いなのでまあいいかと放って置いたので責任はあった。


先にイエローと一緒に俊には帰ってもらった。

「なんでポルックスと生徒会長を一緒に帰したの」当然の疑問をブルーが質問してきたので、俊はイエローがお気に入りだということをばらした。

「眼鏡掛けててロリコンなんだ会長。やるね」眼鏡は関係ないと思うが、ピンクは称賛していた。小さいけどよく見たらめちゃめちゃ可愛いのでお目が高いとも。


「戦力アップの合宿に行こうか遙」真面目な彼女は二つ返事で了解してくれたが、これは砂浜で水着が見たい俺の罠だった。

「明義さんはどこに私たちを連れて行くおつもりですか」それは行く直前に発表すると伝えた。下心は表にはあまり出してはいけないからだ。

「そ れ は そ う と」

遙が不思議そうにこちらを見るのではっきりと言った、「ご褒美あげたいから次はめちゃめちゃ頑張ってね、遙」

今この瞬間でも構わないのだろうが、みんなの前で見せつけたい気持ちに駆られていた。妹のパンツを追い回すのをやめたのも彼女のお陰だし感謝しかなかった。

「次は私が頑張って勝つから見ててね」そういうと俺の頬にキスをした。


「お兄ちゃんはもう遙一筋になってしまった。春香を裏切る形になってしまって済まない」土下座をして妹に謝ったが、彼女の眼は可哀想な人を見る目だった。

「ねえ、遙のどこがそんなに良かったの。教えて」色々あるが飛んで来たパンツだと答えたらまた部屋を追い出されてしまった。

「お前魔法少女に興味あるか?ちょっとしたコネがあるんだ」

追い出されても不死鳥のごとく蘇り春香に聞いた。

春香は思案した後、年収が知りたいと言う。いくらなんでもボランティアであれはやれないと言う。そこは俺も知りたいとこなので同意した。

「収入に納得したらやってもいいって解釈してもいいか」ちょっと迷ったがうんと春香は言った。戦ってる姿が格好いいからだそうだ。

そういうと遙はキッチンに飲み物を取りに行くと言ったので、彼女を追い越し階段の下からスカートの中を覗き込んだ。なかなか見れない前からのパンツに感動していたが、渾身の力で顔を踏まれた。


「そのちょっとしたコネってなんなのさ。怪しかったら嫌だよ」鼻骨骨折をなんとか免れた俺は、言おうか悩んだが本人たちの一人と面識があると伝えた。

「え、誰なの!イエローとか!?」

春香が乗ってきたので、正直に一番最初に知り合ったレッドだと伝えた。

「新入りの子だよね。凄く可愛いね」そう言われて想像以上に俺が照れてしまったので、遙に言いつけると言われた。そう、画面でレッドをみても遙と同一人物とはわからないのだ。これはなんというか業界のお約束らしい。

「ともかくレッドに一度会ってみないか。後は彼らが決めると思うから」

春香がそれで納得したので、私は急いで氷で鼻を冷やすことにした。


季節は梅雨だったので雲がどんよりしていたが、雨はたまにしか降らなかった。今日は魔法少女小屋に一人で行くつもりだ。そもそも時給を聞いていなかった。

遙としかLINE交換してなかったから他の子に連絡が取れない。

そしてこの日は誰も居なかった、「遙、こんにちわ。今さ、小屋にいるんだけど誰もいないんだ。今日は完全休日なのか」

「明義さん、こんにちわ。いつもは誰かいるけど今日はいないのかな」

遙もわからないようなのでLINE通話を切った。誰もいなくても、汚れた服は散乱していたので洗濯することにした。遙の戦闘スーツと下着だけきちんと分け、後は適当の洗濯機に放り込んだ。遙のブラとパンツをただで洗えるのがこの仕事の魅力だった。彼女のぱんつを丁寧に洗っていると、その持ち主が入ってきた。


断罪の瞬間を俺は待っていた。言い訳はもはや見つからない。

「愛だよ愛!自分の彼女のものだから丁寧に扱いたかった」

「そうなんですね!ありがとうございます」自分の彼女が馬鹿で本当に良かった。

下着とブラを網に入れ念入りコースで洗濯した。

「ところで連絡したから来ちゃったんだね。ごめんね」彼女はたいした手間ではないので感謝されることじゃないですと言った。


「今日ですね、春香ちゃんから魔法少女レッドに会えるかもって言われたんです。これって明義さんが何か言ったんですか」

「ダメだったか?変身したまま会えば素性はバレることないだろう」

遙はちょっと考えた後で、「会うのは構わないけど、魔法少女を増やす計画は今無いんです」

「そうか。残念だけど春香にはそう伝えるよ」申し訳なさそうに遙が言ったので勝手に進めた俺が悪かったと伝えた。

洗濯が終わったので誰の目にも付かない場所に下着を干した。


「感じが変だね。敵が出る感じ?」

「そうですね。今日は出ないと思ったんですが...」

遙はレッド・ペガススになり宙に飛び立った。間もなく他のメンバーもやってきた。俊もいち早く小屋までやってきた。


魔女のような外観の敵で強そうだった。今まではピンチになっても必ず切り抜けてきた彼女たちだったから大丈夫だと思うが...


ピンクとブルーが徒手で攻撃するがまるで歯が立たず跳ね返された。イエローがビームを放つがそれも簡単に防がれてしまった。

「本格的にまずいんじゃないか明義」俊が戦況を見ながら呟いた。

レッドは俊敏な攻撃で魔女の攻撃を躱していたが、いずれやられるのは目に見えていた。震える手で戦況を見つめたがどうしてやることもできない。

するとレッドが大きく足を広げ杖を天に高く掲げた。とんでもなく多くの光が集まり彼女ごと見えなくなった。

「はああああああ!」

杖を魔女の方に向け空を明るくするほどの光でビームのようなものを発射した。その光は魔女を粉々に砕き彼女たちは勝利した。




























愛情を深めて行く明義と遙。分からないことはたくさんあったが海岸デートを画策する明義。妹の春香を魔法少女にしようと企むが、今は無理と言われ断念する。そして最強の敵が現れ、魔法少女たちは大ピンチに陥った。そのピンチを救ったのは覚醒した遙=レッド・ペガススだった。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ