表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
93/116

74、何故分かる




南門を破壊し、シシリーに潜入した私達はここの手掛かりであると考えられる学園を目指し走っています。


しかし、あれだけサイトは急いでいたのに私と行動していていいのでしょうか。


何か目的があって学園都市シシリーに来たのでは?


声を掛けようとしましたが……その表情からは必死、悲痛、恐怖などを感じ、躊躇いが生まれて結局断念してしまいます。はぁ、勇気ないです。


とりあえず、サイトも学園都市に用があると思っときます。




見えて来ました。白い建物…………。


「あぐぅ……」


頭が割れる…………。




―――――


「じゃあね、アレシア。頑張って! 帰りは迎えに来るかね!」


ダレ? アナタハダレナノ?


       ―――――



―――――


ワタシトイッショニアルクフタリ。


アトニナルト、フタリフエル。


コノヒトタチトイルト、キブンガイイ。


ソレナノニ……ダレカワカラナイ。


       ―――――



「っ! はっ……はあっ…………はあ……こ、ここに私は、いた。いました……確実に」


「……思い出したのか?」


「……痛い、酷い頭痛だ。何て、酷い頭痛なんでしょうか…………」


『ご主人様? ご主人様!?』


何かが流れ込んで来る…………。











私を励ましていた女性は肉親……母親。名前はマリー。


私と一緒にいた彼女達……金髪を二つに束ねた少女は、親しい人。そんな気がします。名前は………………分からない、ただ私は彼女を……お姉ちゃんと呼んでいた。


紫の髪で、同い年くらいの少女。彼女もまた、私に深い関わりがある、ような気がします。火球。大きな火球……グリーンウルフ…………。何故、グリーンウルフが思い浮かぶ? ファルサリア……さん。











「……中へ。中に行けば、何か…………」


頭が、頭が割れてしまいそう……。立っていられない……。


くあぁ…………。


さ、サイトにおぶられている?


サイト……何が、目的だ? 私なのか? 私を…………? 痛い…………。痛い……。


『サイト、ご主人様は限界です。ここに入っちゃだめです』


「…………」


『サイト!?』


学園の門は開いてました。




学園の門を通り過ぎたここは………………。




―――――


キョウハシケン。センセイニツレソワレ、ワタシハココヲアルク。


ワタシハ、ワタシハ…………?


       ―――――



「あ、あぁああ……。くああ……ぐ、痛い。痛い……」


『サイト!! 止めるです!! 早く止めるです!!』


「………………」


『……仕方ないです』




あ、眩しい…………………………。


耳が、聴覚が使い物にならない……。


音響閃光手榴弾。




「ディーウァ……お前、何故?」


『ディーウァは、ご主人様が第一なのです。これ以上ご主人様を苦しめるなら……ふぎ…………』


「……こっちも余裕がないんだ。悪いな」




そろそろ……感覚器官が治ってきました。


あ、あれ? いつも私達の周りを漂っていたり、肩や頭に乗っかってあるディーウァがいないです。


音響閃光手榴弾はディーウァが使用したはずでは…………それに音響閃光手榴弾が爆発する前、サイトと口論していたような……。


「サイト……ディーウァ、は?」


「心配いらない」


「こ……答えに、なってな……です。ぐうぅぅ……」




―――――


ココハコウギシツ。ワタシハココデマナンデイル。


マタ、アノフタリ……イヤ、ヨニントイル。


       ―――――



…………私は学生だった? 学園に通っていた? この身長で? 今まで……六歳以上十歳以下と思っていましたが、小さい割に意外に年取っているのかもです。



…………ん、サイトが止まった? ディーウァを気絶させて、ポケットに入れてまでしてまで進んでいたのに?


記憶によれば。ここで講義を受けていた煉瓦造りの建物の一室を抜け、建物から出ようとしたもののサイトは回れ右。建物へと戻ります。


何でしょうか。あ、兵に包囲されたのかも知れません。


モノクルで生体反応を走査し……確認。完璧に包囲されちゃってますね。人数は十五。


「ここにいろ」


サイトは私をさっきの一室の机下に押し込み、ディーウァを放り捨て行ってしまいました。扱い酷い……。




私は頭痛で満足に戦闘出来ない。ディーウァは気絶して(させて)いる。という訳でサイト一人が鎮圧に向かい、そして数分が経過してます。


まあ、十五人を殺さずに無力化するなら仕方ありません。待ちましょう。


あ……モノクルで見てみますか。


あ……何か、こっちに飛んで来ている……って、まずい!!


壁が砕け、この部屋にサイトではない誰かが入って(?)来ました。


戦える状態じゃないですけど……警戒心は持たないと。すかさずPFM(個人火器モード)より一部を創造。ホルスターからセミオートマチック拳銃を取り出し、弾薬を殺傷性の薄いゴムスタン弾にしてスライドを引き、即座に対応出来るようにします。


「はぁ……はあぁ……こ、こんな事をしていいと思っているのですか!?」


「…………」


「あがあぁあ!?」


ドゥン! という音がした直後、爆音が鳴り何者かの悲鳴が。


一体何が……? 姿勢が悪くなり、即座の反応が遅くなりますが情報が必要です。机の下へ屈み込み、そこから様子見。


倒れ伏す黒服の男を見下ろす漆黒のショットガンを構えたサイトの姿。


「オ……レは…………」


「ははははは!! あなたは魔王だ!! 魔物を統べる王だ!! 我が国が開発した自立型生物兵器だ!!」


「……だマ、れ」


「かはっ!!」


サイトはショットガンで黒服の顔を張り飛ばします。


「な、何故……何故従わない!? 魔王よ!! 魔族に従え!! 従ええぇえぇ!!」


「だ……黙レよ」


ショットガンが火を噴く。


黒服の右足が、ちぎれなくなる。


「あギャあぁ……生物兵器め……はああぁ……レギオルよ、ここにいる。早く来てくれ……私を助けろ…………」


ショットガンが火を噴く。


黒服の頭が弾けなくなる。体液が辺りに飛び散る。


「サイト……これはどういう事、ですか? 今何が起きているんですか?」


生物兵器? 魔王?


「……あなたは一体…………?」


何者なんですか? と聞こうとした途端、兵がこの部屋へ大挙して進攻。


「動くな!」

「手を挙げろ!!」

「無駄な抵抗をするな!!」


あぁ…………分からない事ばっっかり。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ