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六、おやすみなさい




ドンドンドン


午後8時を過ぎ、夕御飯も食べ終わり、お風呂も入り終えまったりしていた頃、誰がいるかは明白なノックが聞こえて来た。


開けないと、マスターキーで強制的に開けられるのだ。自分から開ける。


「あぁん、お風呂上がりもいいわ!」


抱き着かれて思ったのは、変態の二文字。


「さあ、一緒にネンネしましょう」


「あの、サハリアさん?」


「んー、何か違うわね。アレシア、今日から私をお姉ちゃんと呼びなさい!」


うわあ、本格的だよ。




「…では、呼びますから過度のスキンシップは慎むようにして下さい」


「え?では…ベッドであんなことやらこんなことは?」


「断固拒否します!!」


「うーん、そうねえ…………」


サハリアさんはしばらく考え、


「お姉ちゃんの方で」


と言った。


「………サハリアお姉ちゃん?」


「はうっ…反則ですわ」


「ちょ、痛いんですけど。肩、爪が食い込んで…」


「あら、ごめんなさい」


サハリア………お姉ちゃんは、私を離した。

やっぱ、ヤダ。


「お姉ちゃんとかそんな関係ではなくて普通の友好関係はとれないんですか?」


「え?」


何故かガク然とする。ああ…これは…


「もしかして…あんまり友達いないとか?」


私も人のことは言えないが。


「……」


図星ですか。まあ、変態だしなあ。美人なのに、もったいない。それに、性格もそんなに悪くないし。変態が全てを消し飛ばしてマイナス評価だが。


「分かりました。では、お互い友達一号で」


「と………友達?」


「はい。その通りです」


「………わ、分かりましたわ。では、お友達からのスタートで」


何か含みがありそうだが……スルー


「では、中へどうぞ」


「いいの?今まで嫌がっていたでしょう?」


「友達ですから」


来客用椅子に座って貰い、お茶……は高いからお水を出す。


「サハリアお姉ちゃん?…は、学科は何ですか?」


「え?わ、私は魔法科の四年生ですわ」


お姉ちゃんで喜ばないでくれ。


「へえ…じゃあ、私と一緒ですね」


「それには驚きましたわ、私もこう見えて飛び級もしてますし、入学からずっと成績最優秀者ですけど…アレシアはどんな魔法が得意ですの?」


うーん、私が出来るのは属性魔法で表すと…雷と氷と火ですかね。


「得意属性は雷ですね、お姉ちゃんは何かありますか?」


「ふふふ、私は治癒ですわ!」


「それは…すごいですね」


何故お姉ちゃんが自慢げに話すのか。

それは治癒を使える魔法師が少ないからだ。

治癒魔法は、非属性魔法に分類されているが何故か誰でも使える魔法ではない。向き不向きがあるのだ。

よって、治癒を第九の属性とする学者もいる。


「ところで、この学園のレベルってどのくらいですか?…例えば、四年生はどの級まで魔法が使えるとか」


「そうねえ……まず、この学園にはある程度の魔力がないと入れないわ」


あれ、どこかで計られたか?もしかして…


「それって試験で魔法の実技のとき…」


「ええ、入学試験で試験官は魔力測定の魔法を使って魔力を調べているわ…そうね…軍には少なくとも魔集石握りこぶし大の大きさに一回で魔力を限界まで込められる人材が必要ですから、そのレベルの人がここには集まっているわ。後は、私みたいな貴族等の第一、第二階級の人は家である程度魔法を学習していますから、二、三年生に編入することが多いかしら。

これが本題だけど、学園の魔法科四年生の卒業基準は……攻撃魔法は自らの得意属性ともう一つの属性において初級、下級魔法を使いこなせること、中級魔法を一分以内に三発使えること、上級魔法が一発使え、なおかつ初級魔法を数発使えること。

防御魔法は下級魔法を30分維持出来ること。中級魔法を一分維持出来ること。その他、索敵、分析等が使えること。

……でしたわ」


「つまり、四年生の卒業基準が一流魔法師の基準ですか?」


「ええ、そうなりますわ」


というか、私卒業出来るな。


「「………」」


………両者コミュニケーション能力が欠如していると、こうなる。


「そ、そう言えば、お姉ちゃんの家族って何をしているんですか?」


「あ、あの………私の父は、大統領ですわ」


…?ダイトウリョウ?ミスタープレジデント?


「ええ!?本当ですか!?」


お姉ちゃんはしてやったりと恐々が混じった表情だ。


「ええ、私の父ワイヤット‐F‐クラウディウスは、ロミリア共和国第百八十七代大統領ですわ」


ここで、この世界の国について話したい。

先ず、言いたいのはこの世界では未だ王制が健在でありロミリア共和国が例外だと言うことだ。


ロミリア共和国はこのひらがなの「つ」みたいな大陸の左半分を、ペロポネア帝国は右半分を国土としている。デロス連邦は「つ」の曲がり始めの部分から突き出た半島にあり、ヌミデア王国はロミリア共和国に周りを囲まれ、ダキア王国はロミリア、ペロポネアに挟まれており、ドク、キト両国はジャングルにあり、エルフ自治領、グレリア連邦は島だ。


ロミリア共和国は、文字通り共和政である。


国のトップに大統領が、国の立法を元老院議会が、国の司法を司法官が握っている。


大統領は国民普通投票で選ばれ、任期は四年。再選は三回まで。権限は行政権、議会に対する拒否権、暫定法律立法権、軍の最高司令官、閣僚の任免権。閣僚は副大統領、司法官、内務官、財務官、外務官、軍務官(順番は大統領が政務執行不可能時の代行者順)


元老院議会は三百人の元老院議員で構成され、それぞれロミリア共和国を三百に分けた選挙区から国民に選ばれる。権限は立法権。暫定法律を三十日以内に審議する権限。


司法官はロミリア共和国内の裁判所を統率する。権限は元老院議院、大統領に対する違憲審査権。


その他に特徴的なのはデロス連邦の連邦共和政、ペロポネア帝国の帝政である。


デロス連邦は国内を五つに分け、そこさら五人の国家戦略官を国民普通投票で選出。任期は一年。この五人が国家戦略会議で国を運営する。議長は一年毎の持ち回りだ。ペロポネア帝国は一人の皇帝が、全てを決める点では王制と変わらないが、大規模な常備軍を持ち権力を保っている。


「すごいですね、お姉ちゃんのお父さん」


「それだけ?」


「何がそれだけですか?」


「今までの人達は大統領の娘だと知ったら、態度が変わったんですの…」


「ああ、有りがちですね。でも、お姉ちゃんはお姉ちゃんでしょう?」


お姉ちゃんはまるで雷に撃たれたみたいな表情になった。


「え、えぇ。そうですわ!全くこの程度で何を悩んでいたのかしら!」


私にも経験がある。

あの田口家の人間だと知られると、取り入ろうとしてきたり、へりくだる人がいたなあ。


心配が消えたのか、その後はスムーズにコミュニケーションが出来た。


「お姉ちゃん、そろそろ寝ないと…」


お姉ちゃんに慣れつつある自分が怖い。


「そうね、じゃあ一緒に寝ましょうか。友達ですもの、寝てくれるわよね?」


一緒に寝たがるのも、寂しいから何だろうか。ならばしかたない。寝てあげよう。私は、うなづく。


………というのは建前で、美少女に懇願されてつい、というのが真相だ。


一緒に寝てもせいぜい抱き枕扱い程度で変な趣味はないようだ。

これで、美少女の笑顔が見れたんだ。お釣りが来る。

ちなみに、私がさっきから美少女と連呼しているからって変なことをしようとしている訳じゃない。

まだ男の心が残っているので、そういうのに弱いだけだ。




さて、私もおやすみなさい。



これはアルバランガ大陸を詳細に説明する所ですが、ファンタジー観を壊したくない人は読まないことを推奨します。










まず、アルバランガ大陸は紀元二世紀のローマ帝国の領土とほぼ同じです。


ただし、黒海や島の大半はありません。島はロードスとサルデーニャが残り、その他はないか、現地人しか知らない小さな島になっています。


シシリーは、首都ロミリアから百二十キロ程離れた所にあります。

当たり前ですが、首都ロミリアはローマと同じ場所にあります。


ヌミデア王国はジブラルタル海峡のアフリカ側、つまり現在のモロッコ辺りを領有。


ダキア王国は現在のクロアチア、ハンガリー、ルーマニア、セルビア、ボスニア・ヘルツェゴビナ辺りを領有。


デロス連邦は現在のギリシャ、対岸のトルコのミレトス地方とロードスを領有。


ドク・キト両王国はアフリカをリビアの南端辺りで切った、アフリカ海岸側にある。キトが海岸に接し、ドクはその上にある。両王国共四国くらいの大きさ。


ロミリアとペロポネアは、ヨーロッパ方面はスロベニアで垂直に分断され、アフリカ方面はチュニジアの東端から垂直に分断。ドクとキトはアフリカ方面分断線が中心を通っている。


エルフ自治領はサルデーニャ島。


グレリア連邦はイギリス。

以上が大陸観です。














見ていただき、ありがとうございました。

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