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40、ロウダス島にて




私達は平和におしゃべりに興じながらロウダス学園へと歩みを進めています。


ロウダス学園は最初は小さな学園だったのですが、中立国にあった事や当時最高の教師陣がいた事などから徐々に巨大になっていったそうなのです。

よって、ロウダス島のあちこちに学園施設が散在しているのです。


私達はそんなロウダス学園が設立した港沿いにあるロウダス学園案内図というものが書かれた大きな板を見ています。


まあ、つまり、そんな進んでいないんです。


地図によると結構ばらばらに分かれています。


ロウダス島は北東に向けて細長い島で、開校当初の旧舎現軍事科校舎が東端に、そこから東半分までが都市になっていて都市内に商業科に医学科、図書館があり、西に広がる森の近くに魔法科と戦士科、円形闘議場があります。

港は都市の中に建造されていますから……初めに図書館へ行きましょう。


町並みは白い。とにかく白いです。

何かこだわりでもあるんですかね?

それとも白い建物は建築費が安いんでしょうか?


そんなどうでもいい事を考えながら歩いていると、他の建物より敷地面積や高さが何倍も上の煉瓦造りの建物が目に入りました。


以前の小さな図書館と違ってここは無料で閲覧可能みたいです。


入って右手に受付嬢がいます。聞いてみましょう。


「すみません、過去に入学した人が記録された物はありますか?」


「……はい。二階の学園資料と書かれた書棚にあります」


受付嬢は少し間を置きながらも答えてくれました。それにお礼を返しながら階段を上がり、二階へと昇ります。

二階は……全部本です。沢山の書棚があり、左隅に利用者のために椅子と机が百人分くらいだけあります。そして大体その六割は埋まっていますから勉学の意欲は旺盛なんでしょうね。


その沢山の書棚の中でも学園資料は人気が薄いらしく、一番席から遠い右隅の書棚が担当でした。


ちなみにサイトは「つまんね」、とか言って本読みに行ってしまいました。

……ま、邪魔くさいから良かったと思いましょう。


学園資料の書棚からロミリア歴413年、つまり今年から過去十年間の入学者記録を引っ張り出し、読み始めます。

見つかるでしょうか……………




あれから壁掛け時計によれば五時間は経ち、午後6時に向かえます。

あぁー、目が痛いです。

何せ一年間で三千人は入学してますからね。


……そう、全部で三万人の名前を調べたんですよ。名前ですから一秒に十人くらいは確認できますから時間はそんなかかりませんでした。まあ、一時間程ですかね。しかしやはり手掛かりが空振りなのはちょっとした痛手なんですよ。という事で四回は調べ直しましたが駄目でした。


こうなると、ますます金髪紫髪コンビの捜索が重要になって来ます。


もう暗いですから明日は聞き込みに力を入れましょう。


ならばそろそろ宿を取って、休みたいですね。サイトを探しましょうか。一応、仲間になってしまいましたしね。


魔力灯の煌々とした明かりの中図書館を移動し、サイトが読書しているところを発見します。


「サイト、そろそろ宿を取りにいきましょう」


「……そうだな。本返すからここで待ってろ」




あれから港近くまで戻り宿屋を見つけ、二人部屋に泊まります。

学園があるからか、シャワーがついています。つまり、高い学費が払える生徒の親御さんの為、施設が充実しているのでしょう。


部屋に荷物をほっぽらかし、宿屋地下の酒屋で食事を取ります。

私はパンにオヴクのシチュー、サイトは白身魚のソテーです。

中々美味しい料理でした。


それから部屋で二人してぐうたらしています。やる事ないですしね。


「明日からは私は周囲に聞き込みして回るんですが、サイトはどうしますか?」


「オレは調べる事あるからパス」


ま、予想してましたけど。




ふう、時間というのは便利ですね。

私は少し罪悪感を抱きながら腕時計を借りています。今は午前7時ですよ。こう、ぱっと分かるのがいいですね。

書き置きには夜には戻ると書いて置きましたし、聞き込みしましょう。


もしかしたら顔見知りがあるかも知れませんからフードは外しておきましょう。


…………さて、聞き込みってどうやるんでしょう?き、きっとそこら辺で聞き回れば大丈夫でしょう。そうに違いないです!


という訳で、さあ聞き込み。


先ずは通りすがりの青年。


「すみません。聞きたい事があるんですけど、お願い出来ますか?」


「ははははははい!! 何でしょうか!?」


そんな緊張されても困りますが……初っ端ですからかね?


「ロウダス島で金髪を二つに分けた十代後半の女性と、紫髪を真っ直ぐに伸ばした十歳前後の少女を見かけた事はないですか?」


「そそそうですね!! ワタシは知らないです!!」


「そうですか。お時間を取らせてすみません。ありがとうございました」


「いえっ!! こちらこそ!!」


次は……あの女性にしましょう。やはり同性の方がよく知ってたりするかも知れません。


「すみません。少し聞きたい事があるんですがよろし…………あ、あの離れてくれませんか」


「ああ!! 何て素晴らしい!! 神よ、あなたは偉大だ!!!」


ひぃぃぃ、何か変な人に捕まった!!


「おーい、ラベンダ!! 何やってるんだよぉ!!!」


あ、彼女の知り合いが救援に来ました!!


「エミリー!! この娘を見て私の行動を批難出来るかしら!?」


「はあ? 何言ってんの?」


私も激しく疑問です。


「馬鹿な事してないで離してあげな……くていいかも」


何故!?


「そうでしょうそうでしょう!!」


「ち、ちょっと。私にも抱かせてよ……」


「ふふふ。発明も発見も最初だからこそ価値がある!! 二番手はハンカチくわえて泣いてなさい!!」


「ちぇ……あ、髪もさらさらだなあ」


救援は敵国の者だった!?あうう……ヘルプミー。ちょうどこの場を通る人々にアイコンタクトで助けを求めてみます。


「ぐはあっ!!?」

「あらぁ……彼女の元へ行かないと…皆さん、行きましょう」

「「「はい!!」」」

「うっ!!何かキュンってした!!」


ふ、増えた!?

これはアレでしょうか!!今まで眠れる獅子だったと思い込んでいたのが実は病の豚だと分かったのでしょうか!? ああもう自分で何言ってるのかさっぱりです!! た、助けて!!!! 誰か!!!!!




「何やってんの?」


……あ、あれ? 今まで群集に揉みくちゃにされていましたが、今は何故かサイトに抱っこされています。


「い、いや、何か、よく分かんないです……」


「え? それ本気で言ってんの?」


「当たり前じゃないですか……」


「ふーん……」


何その含み笑い。何か嫌な予感……


「オレの腕時計。何勝手に持ってってんの?」


「あう……すみません」


普段なら言い返す事も可能ですが、窮地を救われましたからね……


「後でオシオキな」


窮地を…………救われましたよね?


皆様、このような駄作を見て頂きありがとうございます。


ところで後書き読む人ってすくないみたいですね。という訳でイブキさんの力を自ら封印してしまったのでこっそり軽く解放しまーす。※注意この話は本編とは一切関係ありません。


〜〜〜〜〜〜


アルバランガ大陸ロミリア共和国海軍第三船隊。


第三船隊の任務はアルバランガ大陸外海(詳しくは六、おやすみなさい後書き参照)のグレリア連邦王国周辺を哨戒、及び敵の撃破である。


陣容は以下の通り。

五段軍用船十隻。

三段軍用船二十隻。

高速船三十隻。


五段軍用船は三百人が乗員、三段は百人、高速船は十人である。

戦法は船にいる魔法師が索敵し、遠見で敵味方識別、その後魔法攻撃。

しかし軍用船には耐魔加工が施され、更に魔法師が魔法障壁を展開するため白兵戦も想定され歩兵も乗船している。


現在は高速船一隻がこの海域を哨戒している。その船に脅威が訪れようとしていた。


「船長、前方に何かがいます……大量に」


魔法師は酷く怯えている。一体何がいるというのだろう。


「…櫂を出せ。この海域を全力で離脱する」


船長はむやみに敵を確認せず逃走を指示した。


だが手遅れだった。


「ぜ、前方から魔物の集団多数接近!!」


船長以下十人は死を覚悟した。






同じ頃、グレリアでギルド生活をしていたアレシア。今日は創造した武器の試運転である。


今回試運転するのはこんごう型護衛艦「こんごう」(日本のイージス艦)に、A−10攻撃機を無人化したP(Pilotless)A−10無人攻撃機やらなんやらだ。


という訳でこんごうを進水させ、PA−10を飛ばしたのだが……こんごうの対空レーダーに不振な影が発見された。


早速PA−10が様子見に出された。


すると発見されたのはキングファルカ率いるファルカの群れである。

恐らく千はいるであろう。


いくらPA−10が最新科学技術の結晶とは言っても千対一は無謀すぎる。増援あるまで待機とされた。


しかしファルカの数に埋もれ気付かれていなかったロミリア第三船隊所属の高速船。


人命第一である。直ちにアレシア自身も飛行ユニットにて現地へ飛び、こんごうとPA−10に攻撃命令が下った。


こんごうとPA−10は同士討ちを避ける為にまずリンクを張った。これで情報の共有が可能だ。


こんごうとファルカの群れとの距離十八キロ。

この距離ならば………兵器選択。主砲127ミリ速射砲。


ゴゥ………ン。


速射砲がファルカへ砲門を向け、イージスシステムの目が敵を睨む。


速射砲が火を噴いた。




一方PA−10はファルカの群れへと正面突破。もちろんただ突っ込む訳ではない、30ミリガトリング砲GAU−8アベンジャーを毎分3900発の速さで放ちながらである。


30ミリ鉄鋼焼夷弾は戦車、装甲車を貫く。

ただの巨大な鷲が耐えられる威力ではない。


更にこんごうの艦砲射撃。毎分45発とはいえ一撃一撃が重い。一発で十は数を減らしている。


しかし千はいるのだ。中々減らない。こんごうはハープーン対艦ミサイルを発射した。


巨大な艦船を破壊すべく製作されたハープーン対艦ミサイルは用途が異なるものの、一撃で数十を消し飛ばした。




「船長………これは、何ですかね?」


混乱するのも無理ないだろう。いきなり千近い魔物に狙われた後に、千の魔物が着々と白い固そうな鳥に撃ち落とされているのだから。


「分からん……分からんが今の内に逃げた方がいいのは分かる」


高速船は逃げ出した。それは正解である。

群れの長キングファルカが、群れがやられている事にお怒りなのだから。


キングファルカは視界にPA−10を捉えると後方から一気に迫る。前方へは得体の知れない破壊力を持つ何かが蹂躙しているから賢明な判断である。


キングファルカの強靭な爪がPA−10の右エンジンをえぐる。


PA−10の右エンジンは破壊された……がその程度で墜ちないのがPA−10である。頑丈さが売りなのである。


しかしこのままではただ撃墜されるだけだ。おめおめとやられるつもりはない。PA−10は自らに搭載された454キロ爆弾を起爆させた。






〜〜〜〜〜


……ナニコレ?

能力があまりにもやばい。ファンタジーじゃない!!むしろ何か戦記のたぐいだろ!!

つーかこういう調べるのに一万円が吹っ飛んだわ!!

……まあ、今でも拳銃振り回してますけどね。


これは、作者が手に入れた知識を無駄にしない為に執筆されたものである。続編はない。




最後に、御意見・御感想をすごーーくお待ちしてます。

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