三、試験
今更ですが、前書きの使い方がわからないのでここに書きます。
処女作で色々到らないこともあるでしょうが、よろしくお願いします。
私は小学生一年生。まあ、この世界では小学校などなく学校としか呼ばれておらず、更に読み書き計算が習得されれば即卒業だが。
つまり、
「マリーさん、お宅のアレシアちゃんに教える事はありませんよ。ウチも国費で運営されてますからね、教える必要のない子供は受け入れられません」
と言われた。
……お父さんの留学説が現実味を帯びて来た。
という訳で学校へ行くかと思いきや、国の学園にいきなり編入することになった。
「アレシアはどの学科にするの?」
学園はロミリア唯一の国営の高等教育機関で、魔法、戦士、軍事、技術、政治、と言った学科が存在する。
無論、本来は十五歳前後から通う類の学校だが飛び級制度や奨学金制度もあり、広い人材が集まっている。
「私は魔法がいいです」
「あら、アレシアは魔法が出来たかしら?」
「見てて下さい」
魔術式に魔力を通す。今回は室内なので空気を動かした。
扇風機程度。
「あ、無詠唱魔法……アレシアすごい!すごいわ!」
しばらくして、お父さんが帰って来た。
「ただいま、マリー、アレシア。?どうした」
「ジェイソン!アレシアが、む、無詠唱で魔法を…」
お父さんは少し驚いたようだ。
「本当か?」
疑わしげなので、次は軽く電撃を放つ。
「………アレシア。すごいぞ」
おお、お父さんの褒めは貴重だ。地球で当たり前のことで喜ばれ、少し罪悪感。
ともかく、成長するまで家の中は回避された。べつにそれでもよかったが。
学園は一つの都市を形成しており、そこへ試験を受けに行く。有名人になる懸念は学園には飛び級がまあまあいるらしいので問題無くなった。私は、光みたいに騒がれるのは断固断る。
移動手段は、お父さんが軍の馬車を貸してくれた。
お母さんも一緒だ。
ロミリアから学園都市シシリーまでは馬車で街道を通り五時間程。街道は石で舗装されており、魔物や盗賊の危険もない。私はお母さんと会話やら勉強やらしている。
さて、勉強しないと。
えーと……
魔物とはこの世界の食物連鎖の上位にいる生物で主に一般人が剣やらで倒せない生物が呼称される。つまり、熊や虎がこちらにもいるがそれらも魔物だし、有名所でドラゴンも魔物である。
街道は軍が輸送によく使うので、軍自ら危険な生物や犯罪組織を潰しているのだ。その他は首都ロミリアも含め、ギルドが担当している。
大陸は一つでその形は内海があり、西に外海と繋がる海峡がある。
そう言えばこの世界にある国についてまだしてなかった。
この世界には、ここロミリア共和国、ペロポネア帝国、デロス連邦、ダキア王国、ヌミデア王国、ドク王国、キト王国、エルフ自治領、グレリア連邦王国がある。
ロミリア共和国は軍事と加工品に優れ、ペロポネア帝国は魔法軍事に優れ、デロス連邦は教育と魔法研究に優れ、ダキア王国は貴重な鉱脈があり、ヌミデア王国は貴重な騎兵の産地、ドク王国とキト王国は獣人が住み、エルフ自治領にはエルフが、グレリア連邦王国には魔人が住む。
獣人は身体能力に優れ、頭に獣耳、背中に尻尾があり、エルフは精霊魔法が使え、耳が尖り、魔人は魔力が多い。
べつに魔族も存在する。魔族は数百年に一度現れる災厄者、別名魔王が人種関わらず部下にした者で、額に魔王に忠誠に誓う印が刻まれているらしい。彼らは欲望に忠実になり、残虐な行動を取ったが、昔に全滅したらしい。らしいと言うのは、若干昔話と化しているからだ。
長々と勉強をしていると、ようやく着いたらしい。
シシリーは中央に学園、北に商店、南に住宅街、西が森、東が生徒の寮だ。
シシリー住民以外は寮に入るので、実質全寮制であり魔法科二千、戦士科五千、軍事科三千、技術科五千、政治科五千が殆ど寮にいる。
馬車は東西南北に貫通している大通りに入った。
暫く進むと学園が見えた。学園は生徒が約二万人もいる、国の次世代を担う人材を一手に背負うに相応しい大きさだ。
門は今は開いているが、高さ十メートルはある。
中に入るとギリシャ神殿風の建物が幾つも立ち並び、壮観である。近くに出迎えの人が立っている。
「じゃあね、アレシア。頑張って!帰りは迎えに来るからね!」
「はい。お母さん」
ここからは一人である。
時期外れなので、試験は一人だ。
「アレシアちゃんかな?」
彼女は金髪碧眼の妙齢の女性で、黒いローブに身を包んでいる。
「はい、その通りです」
「ふむ、じゃ、行こうね。おてて繋ぎましょうねー」
「え、大丈夫ですよ」
「いーのよ、遠慮しなくて。あ、やっぱり抱っこがいいかな?そうだよねー」
反論は通用しなかった。まだ小さいからしかたない。
試験会場は小さな部屋で、応接セットと奥に教授やら校長が使いそうな机がある。
「はい、じゃあこのテーブルにある問題用紙を解いてくださーい」
問題は、歴史、算数、アルバランガ語という統一言語、科学である。
歴史は世界についてで、私の興味と被り楽勝。
算数は無論簡単。
アルバランガ語は国語みたいな物、それなり。
科学は間違いだらけだが、あえて指摘せず。
「はい、よくできたねー。では魔法の実技をしに外に行きますよー」
頭を撫でられる。意外と気持ちいい…リラックス出来たな。悔しいが。
外の演習場に来る。試験官が五人。
一人は老人だが、優しそうな外見の奥にパワーを秘めている。
あとは、優しそうな表情を浮かべる茶髪に翠眼の青年と険しい表情のおじさんにおばさん。そして、引率の人。
おじいさんが
「ふむ、では自分が一番すごいと思う魔法を見せてくれ」
とおっしゃる。
私の切り札……あれは創造の銃の威力不足を補う為に覚えた。私の魔術式を全て使うと発動する。しかし、今の魔力量では学園が灰に成り兼ねないし、試験官達は解析系統の魔法を使っているので見せたくない。ならば、ハリソンコード1132日本名……
「………落雷」
ちなみに魔術式の優れた組み合わせはハリソンコードに認定され、技名、考案者が国連に登録され、全世界の魔法師が閲覧出来る。教科書にも載る。
「………上級魔法【一筋の閃光】の詠唱破棄か……ふむ、では結果は追って知らせる、試験は以上じゃ」
……終わったか、……後は天にでも祈るか。
「すっっっごーい!アレシアちゃんすごい!!!」
「あ、ありがとうございます」
「きゃー!反則だわーーー!」
何がだ……そのまま抱っこされて馬車に入る。
「お母さん!アレシアちゃんなら大丈夫ですよ!」
「あら、本当に?」
「ええ!」
こういうのはやめて欲しい。落ちた時ショックがでかくなる。でも、教師が受かると言ってるし、期待は出来そうだ。
今日は疲れ……た……………。