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解説『TENET テネット』

解説『TENET テネット』

"TENET"


黒幕は、マイケル・ケインです。#嘘

ジョークです。


クリストファー・ノーランはマイケル・ケイン大好きっ子なので、マイケル・ケイン演ずる人物から読み解けばいいだけのことです。#嘘


※ネタバレしていますが、観ていないと理解できないでしょう。


*****


【時間と逆行】

小説を書くようになったからかしら、純粋な意味で観客として楽しめない自分がいます。イントロダクションが終わり、"TENET"というタイトルがでた時点で「あーこれアレだわ」と気づいてしまって、あとは2回目を観る感覚で記憶を逆再生しながら"みて"いました。


私はディスレクシアで数字の認識があまく、時間の感覚もあまいです。私自身が"逆行"している感覚もあります。精神的にはかなり変なほうです。一方で、ある程度の知性があるのでズレに困ります。結果を知っている私には、"原因"がかなり不安定に感じます。人を殺めた弾丸が薬莢に戻り工場で生産されるような感覚です。


たとえるなら、映画『ロード・オブ・ウォー』 (Lord of War) のイントロダクションを逆再生した感覚です。もっとも、殺められた少年は何も知りえません。それが人生です。#blackjoke


時間の感覚が普通ではないので、同時進行で現在過去未来が混在しているような感覚があります。たぶん海馬の不良でしょう。記憶される順が変なのです。重要なものからインデックスがついてしまう感覚です。現在にいるのに、短時間で記憶されたものから過去になってしまいます。印象強いものは未来に期待させます。厄介ですが、慣れたかしら。


逆に言えば、時間の感覚がないので、ずっと続くような気というのが、あまり理解できなかったりします。


ヨハン・パッヘルベルの『カノンとジーグ ニ長調』はとても美しい旋律です。


2017年の『ダンケルク』 (Dunkirk) では、音楽が効果的に使われていました。


*****


【映画を観るときの3ポイント】

田中泰延は街角のクリエイティブの「エンタメ新党」で、映画を観るときのポイントを3点述べています。


1. 映画監督は何本映画を撮っても言いたいことは同じ

2. 映画には意図のないシーンはひとつもない

3. 映画の半分は音だ

cf.

https://www.machikado-creative.jp/author/09/


「1. 映画監督は何本映画を撮っても言いたいことは同じ」は簡単です。テーマであり作風です。


音楽でいえば、ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルトの曲はどうあってもアマデウスです。映画館であろうと、喫茶店であろうと、オフィスであろうと、どのような編曲をしてもアマデウスであり、他の何物でもありません。


それは、ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェンであろうと、ヨハネス・ブラームスであろうと、グスタフ・マーラーであろうと同じことです。作風ですから。


作家でいうなら、テーマでしょうか。手塚治虫のテーマはフョードル・ミハイロヴィチ・ドストエフスキーの『罪と罰』から。永井豪は『神曲』のダンテ・アリギエーリがテーマです。



「2. 映画には意図のないシーンはひとつもない」も簡単でしょう。映画は、上映できる長さにカットする必要があります。残した絵に、意図のないシーンが残されているはずがありません。珠玉のシーンばかりです。


カットされた映像が、たまに他の映画に使われることがあります。


たとえば、リドリー・スコット監督の『ブレードランナー』の初期劇場公開版のエンドロールの空撮映像はスタンリー・キューブリック監督の『シャイニング』のオープニングの別テイクです。


それを知っている少年たちは、まったくやる気のないハリソン・フォードのナレーションと微妙なエイドロールというハードボイルドなフィルム・ノワールに熱中してしまったのです。



「3. 映画の半分は音だ」——恐怖映画を音声なしで観たことがあるでしょうか。


文章より絵画のほうが原始的です。絵画より音楽のほうが原始的です。

※それぞれの優越を説いている訳ではありません。成り立ちの順番です。


音声を効果的に使うことで、原始的な「恐怖」という感情を利用することができます。これは他の感情も同じことです。


アドルフ・ヒトラー率いる親衛隊の行進に軍靴の音が聞こえないと変でしょう?#blackjoke

※国家社会主義ドイツ労働者党の総統 (フューラー) 。そうとうな悪人である。


*****


【あらすじ−2】

東欧ウクライナの首都キエフのオペラハウスでテロが行われます。起こされた主人公は潜入チームとともに、鎮圧する部隊に紛れ、バレてしまったスパイを助け、ある人工遺物 (アーティファクト) を回収します。敵の攻撃がありましたが謎の人物に助けられ、被害を最小限にとどめます。けれど、スパイは撃たれ主人公は敵に捕まってしまい、仲間の命を助けるために毒カプセルを飲んで自殺します。


主人公が目を覚ますと、ベッドでした。「第三次世界大戦を回避するため」に本人の意図は無視され、"死後の世界"で"TENET"として生きることを余儀なくされます。

※"TENET"は個人ではなく、主に集団の主義・教義・信条です。


科学者から、オペラハウスで見た奇妙な現象——まず弾痕があり、弾丸と薬莢が銃に戻る——の説明を受けますが、ちんぷんかんぷんです。何しろ科学者自身も"TENET"を理解しているとは言えないのですから。


ともあれ、物証として残る薬莢の製造元を調べることになりました。


英国の協力もあり、主人公は協力者ニールと合流しますが、秘密を知る武器商人には会えそうもありません。


武器商人のアジトに強引に忍び込んだ主人公とニールですが、武器商人は一枚上手です。冷静に対処する武器商人も"TENET"に関与しているようです。


敵は本当にプルトニウム241を使って第三次世界大戦を起こそうとしているのでしょうか。


踊らされる主人公ですが、なぜか協力者ニールは冷静です。


*****


【黒幕−1】

黒幕は、武器商人です。


*****


【解説】

どうしてみんな、冷静なのでしょうか。


それは「結果を変えられない」からです。


私たちが「結果を変えられない」ことと言ったら、不可逆性の時間と死でしょう。藤原道長の詩を思い起こします。


たとえば、エリザベス・キューブラー=ロスは著書『死ぬ瞬間』 (On Death and Dying) のなかで、死の受容のプロセスを述べています。

※英文原本未確認。


1.否認——死を認めようとしません。

2.怒り——怒りを周囲に放ちます。

3.取引——どうにか考えます。

4.抗鬱 (うつ) ——何もしたくありません。

5.受容——ようやく受け入れます。

※ただし、全員がこのプロセスを通過する訳ではありません。


「結果を変えられない」こそ登場人物たちは、"結果"を変えられない「事象の死」だと認識しています。


「事象の死」の前では誰でも冷静です。ただし、それにも二種類あります。自身が回避できることと、回避できないことです。


協力者ニールは、回避できないこととして「事象の死」を受け入れています。


敵は、回避できることとして「事象の死」を受け入れようとしません。


そして、主人公も傷つき、回避できないこととして「事象の死」を受け入れます。


ただし、この「事象の死」があるからこそ、主人公たちはそのゼロ時間に集中します。「第三次世界大戦を回避するため」に、"死後の世界"で"TENET"として生きることになります。


*****


【あらすじ−1】

人工遺物 (アーティファクト) は、過去につくられたものではなく、未来からきた9つあるアルゴリズムの1つでした。


すべてを手に入れた敵はアルゴリズムを発現させ、余命少ない自らの死とともに世界を終わらせようとします。


【あらすじ+−ゼロ】

地下核爆発が起こりましたが、アルゴリズムは発現せず、世界は救われます。


【あらすじ+1】

主人公と協力者ニールは、それぞれ回避した「事象の死」を、"TENET"で"結果"にするために歩み出します。


【あらすじ+2】

ある科学者が時間を逆行させるアルゴリズムを完成させ9つに分解し過去に隠したあとで自殺します。


*****


【ネタバレ−1】

ある科学者が時間を逆行させるアルゴリズムを完成させ9つに分解し過去に隠したあとで自殺します。







【黒幕+1】

ネタバレを読んでも理解できない人が多いでしょうから、 (映画を一回しか観ていない私が) 黒幕の正体をお教えしましょう。


黒幕は、マイケル・ケインです。#嘘


ジョークですって。

(私もマイケル・ケイン大好きっ子なのです♩)



黒幕は、未来の主人公です。


※以下、私見。


ありきたりで、映画を観ていれば当然予測できることですが、ただ、結果的にそうなっただけかもしれません。


「事象の死」に向かっていたのは、主人公の他の仲間も同じだったはずですから。


仲間の何人かは口を割らず自らを殺めた可能性があります。


そして、名も無い仲間も傷つき、回避できないこととして「事象の死」を受け入れたことでしょう。


*****


【ネタバレ+1】【黒幕+2】【アルゴリズムの10個目の部品】

黒幕は自分が黒幕だとは絶対に言いません。たとえそれが死にゆく者に対してもです。



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